最近読んだ本・虚構推理

虚構推理の2作目、短編集を読みました。

個人的にミステリ作品は短編集のほうが好きです。長編も嫌いじゃないんですが、短編はそれでいいのかよ! っていうようなとんでもネタがあったりするので。とんでもミステリ大好き。

収録作
第一話「ヌシの大蛇は聞いていた」(大蛇)
第二話「うなぎ屋の幸運日」(幽霊)
第三話「電撃のピノッキオ、あるいは星に願いを」(動く人形)
第四話「ギロチン三四郎」(付喪神)
第五話「幻の自販機」(狸)

虚構推理ですから、答えを求めている人が詭弁でも納得できる推理結果であればいいのです。

それが特にきわだつのは一話の「ヌシの大蛇は聞いていた」でしょうか。
死体を池に沈めにきた女性が、なんと池のヌシの大蛇に見られていた。
なぜ彼女がこの池に捨てたのか。なんで重りもつけずに捨てたのか。そして彼女のいった言葉の意味とはなんなのか。
ヌシは疑問を抱き、怪異たちの知恵の神である岩永琴子に尋ねます。

まあ怪異の知恵の神ってことで、留置所にいれられてる犯人に幽霊か何かが聞きにいくというとんでも技もできるわけですが。人間の矛盾した真実にヌシは満足できないわけです。

わかるわかるぞ。コナンを読んでいても、それでお前殺しちゃうのかよって犯人いっぱいいるもんな。
死体を捨てる現場を目撃というセンセーショナルな事件には、ヌシ的にはなんかかっこいいストーリーが欲しいわけです。

そんなわがままなヌシに岩永琴子がもっともらしい虚構の推理を披露するというものです。真実はいつも一つ、だけどそれで納得できるかは別ってことですね。

今作は全体的に、先輩の特異性はひかえめでした。どの話でも一応人は死んでるんですが、ぐろいとか怖いとかはないので気楽に読めますよ!