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ヤバい「みらく」/マズい阪急塚口駅/居酒屋ランチ編

桃源郷に至りなば塚口より入れ。
阪急塚口は閑静な住宅街として名高く、いまや駅前まで閑静になりつつある。
駅前利便性、アクセスの良さ、駅前景観整備…
すべての点において永遠のライバル()・阪急西宮北口駅に大きく水を開けられた感は否めない。
だがまだまだ塚口だって捨てたものではない。
たとえ特急は止まらなくとも、塚口にはエスタブリッシュ御用達のイカリスーパーがあり、人生の長老たちが終日黄昏れておられる中華料理店・愛蓮がある。

そして、
新興グルメ店だってゆっくりとだが着実に台頭しつつある。
今日紹介するのは阪急塚口駅南に出て徒歩2分に軒を構える「居酒屋みらく」だ。
塚口駅の南側といえば16階建ての高層マンションが駅直結に建ったことが記憶に新しいが、それがニュースになる程に塚口という場所は古色蒼然とした趣を残している。
良きにつけ悪しきにつけ、保守的でゆっくりとゆっくりとしか変わらない街。
それが塚口なのだろう。

居酒屋みらくの献身

メニュー


みらくさんはサンサンタウン東館の南側道路を超えたところにある。
生業は居酒屋さんだが、ランチでも塚口の胃袋として献身しているのだ。
11時半開店だがその直前に老若男女が一人また一人と姿を現し、並ぶべきか並ばざるべきかの牽制を行なっていた。

焼魚刺身定食 1000円

いわゆるハイスペックモデルに当たる「焼魚刺身定食」に食指が動いた。
これが大当たり。

ええでええで、これええで。

まずご飯を大盛りにしたのだが、正真正銘の大盛りで手加減一切なしの大盛りを味わえる。
次に焼魚と刺身は若干小ぶりではあるが、焼きと生の両面攻撃で海の口福がしっかりと広がっていく。
忘れてはならないのがお味噌汁。
家庭料理の味とよくいうが、これぞ家庭料理のお味噌汁であり、あまりかけたご飯を平らげるのに絶妙のスパイスたりえる。
ひっそりと添えられたヒジキとマカロニも心憎い演出だ。

カウンター4席とテーブル10席ばかりだが、12時に近づき外で列をなしてきても、決して客を急かしたりはせず雰囲気が良い。

ボリュームは華丸。
お味は丸丸。
雰囲気も華丸もってけっ。





阪急塚口の正念場

実際問題として、塚口はいま大変に危険な立ち位置にある。
確かに閑静な住宅街は健在だが、駅前駅チカの開発遅れは目を覆いたくなるものがある。
現下の塚口は閑静と閑散の狭間にあるといって差し支えないだろう。
あまり大きな声では言えないが、阪急神戸沿線駅においては、押し並べてこの二つの峻別はついてしまっている。

「つかしん」さえあと650メートル塚口駅側に作ってくれていれば…と、堤清二に怒りをぶつけても葬式すんで医者話し。


だが、塚口はまだ瀬戸際で「残して」いるのだ。


ここで下手を打てば閑静な街から閑散とした街に転落してしまう瀬戸際だ。
いわゆるコンパクトシティ化に頓挫しつつあるといっても良いだろう。
先述した西宮北口の後々塵を拝し、当面の目標とする駅すら見当たらなくなっている。
だから、
だからこそ、
新しく塚口駅前で頑張ろうとしてくれている飲食店さんを大切にしなければならない。
コツコツとみんなしてふたたび塚口という街をつくっていく。
そうした姿勢がなければ、早晩塚口は閑散とした街になってしまうだろう。

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