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500円ランチの舞台裏/サイゼリヤ突撃レポート

あれは桜が散る頃だったか。
サイゼリヤが600円ランチをやっていると風の便りが教えてくれた。
まあ、あのサイゼリヤなら600円ランチぐらいはやるかもしれない。
そんな感じで、何となく澱のようにサイゼ600円ランチ説が脳裏に溜まっていた。

今日は昼前に銀行に行く用事があった(有料級)。

バンク、バンク、バンキング♫定期預金は昔6%/年やった♪
10年置いたら複利ガッポガッポで2倍なっとった♫

ご機嫌がサイゼリヤを通り過ぎる。

ランチメニュー500円〜

サイゼリヤランチは、500円やった♫


サイゼリヤ効果

サイゼリヤが安いのは知っていたが、まさか500円までランチを頑張っているとは…
驚きと同時に「そうか、そうだったのか!!」と金田一耕助ばりに合点がいくところもあった。
というのも、
なぜかサイゼリヤ近隣の飲食店はランチを頑張っているところが多い。
500円まではいかなくとも、「…正気ですか…」と目を疑う価格のランチもある。

いや、厳密には500円ランチでも正気を保っているお店がある。
それはJR尼崎駅北側徒歩3分にあるお店で、サイゼリヤに隣接した居酒屋さん。
なんと500円でランチを提供してくれるのだ。

この凄まじいまでの献身ぶりが不思議でならなかったのだが、サイゼリヤの500円ランチで謎はすべて氷解した。
廉価ランチをやらなければ生き残れないのだ。
サイゼリヤが近隣にある飲食店は、好むと好まざるとに関わらず、廉価ランチ合戦を強いられるのだ。

人、之を「サイゼリヤ効果」と云うなりだ。



サイゼリヤの意外な一面

さてサイゼリヤ・つかしん店の視察を始めよう。
つかしんとは、兵庫県尼崎市最北端にある日本最古の大型ショッピングモールであり、1985年にオープンしもし仮に潰れていなければ来年区切りの40周年を迎える。
近隣には日本屈指のお上品ショッピングモールたる「西宮ガーデンズ」があるが、創られた上質と忙しない喧騒を避け、敢えて「つかしん」に来るというフィナンシャルリッチも少なからずいる。
つかしん界隈の街並みは閑静であり、人々は礼節を知り、日々広く深く教養に研鑽をかけ、日本の行く末に日夜頭を痛めている。
つかしん界隈が西の霞ヶ関と言われる所以だ。

サイゼリヤ ランチメニューA

午後11時 アンチーク調の調度品 哭いているのか

さて、
ランチメニューは500円ランチと600円ランチの二者択一。

だが、サイゼリヤに来たからには廉価な方を頼むのが流儀というもの。
迷わず「ほうれん草とパンチェッタのスパゲティ」を選ぶ。
スープバーとコールスローサラダがついて500円は、このご時世でなくとも異次元の価格と言っていいだろう。

11時になったばかりということもあり、流石のサイゼリヤも空いている。
空いているサイゼリヤを見たのは初めてであり、意外にも新鮮にも映る不思議な光景だ。
こうやって落ち着いて観ると、
サイゼリヤの調度品はなかなかにいいものを使っており、廉価というイメージが強かったがそれは全体には当てはまらないのだなと反省させられた。
noteを始めてバカすかバカすか写真を撮るようになって、本当に本当に良かった。

日々是発見である。




安かろう不味かろうの終焉

500円ランチ スープおかわり自由 


さてそんなことに思いを馳せていると、お昼の真打ち登場だ。
成程、この「ほうれん草パスタ」はグランドメニューで600円する品のチョイアレである。
ちょいとアレンジが施されてはいるが、それでもそこにスープバーとコールスローサラダを引き連れて500円とは恐れ入るばかりだ。

まあお味の方はお世辞にも美味いとは言えないが、不味いとまではいかない。
令和はもはや「安かろう不味かろうの時代」ではないのだ。
平成末に食べログが飲食店の評価を数値可視化して、令和にはいり安いだけの店の淘汰が完了した。
だから、安かろう不味かろうの時代は終焉を迎えたのだ。

とはいえ、細かいことを言えば、このスパゲティは塩辛い。
少し塩を盛り過ぎている。
何かを塩でカモフラージュしているのかもしれないが、それにしても塩が多すぎるのだ。
これは次ワタシが訪れるまでのマスト改善点だろう。
スープは見た目が紅茶風情で好感が持てる。
いやそれはワタシの紅茶溺愛嗜好に助けられているのであって、これもいかんのではないか。
なんのスープなのかわからない。
それは問題だ。
とか言いながら4杯もチビチビ&ガバガバ呑んでるってことは、そこそこいけるってことなんだろうけど、なんのスープなのかの表記は大きくやった方がいいのではないだろうか。



コミュ障に優しいサイゼリヤ

セルフレジ おばちゃん達がよくここで詰まる  詰まってだべる

サイゼリヤはワタシのようなコミュニティ障害をこじらせた人間に優しい。
注文はスマホとフリーWi-Fiの合わせ技で完結。
会計は今春から導入されたセルフレジで完結。
理論上ではあるが、人と一切会話することなく食事を済ませられる。

ただし、
「株主優待券をご利用のお客様はベルでお知らせください」
と、正気の沙汰とは思えない文言が踊っており、ここもサイゼリヤには猛省を促したい。

デイトレ株主にはコミュ障が多いのだ。
世の中にいつも負けそうになっているから、ワタシをもう少し大切にして欲しい。
空売りという洗練された手口で報復しようにも、しょぼいカネしか持ち合わせがないから優しくして欲しい。

また、
「バーコードの読み取りが上手く出来ないなら、店員さんを呼び出しやがれだぜ」と、
これも狂気の発想であり、コミュ障へのハルノート三行半だからやめて欲しいdeath。




なぜ500円ランチが可能なのか?

ここまで安いと、あれこれ訝しってしまいがちだが、サイゼリヤが安いのには確固たる理由がある。
サイゼリヤには国際情勢を読み続ける千里眼があり、この驚きの安さを実現しているのだ。

この記事が廉価の理由を含め、サイゼリヤを解像度高く分析できているのではないだろうか。



だが500円という価格はよくよく考えてみると、
スターバックスコーヒーのほぼ全ての商品よりも安い。

本当に、
大丈夫なのだろうか。




スタバ ストロベリーフラペチーノ 680円 > サイゼリヤ500円ランチ

サイゼリヤで浮かせたカネを、同じフロアーのスタバで奮発させる。
これが令和のライフスタイル。

かくして、
日本からアメリカ資本に所得収支のマイナスという形でカネが抜け、
日本経済はジリ貧となっている訳だ。


我々はいま、
極限まで帰路に近い岐路に立たされている。

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