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Dear Daughters:おんがく編

最近、ご近所の同年代の方が突然亡くなってしまいました。命ってものはどうにも、別け隔てなく、いつ「そういうこと」が起きてもおかしくはないんだと改めて思いました。

ある日突然家族と話せなくなるときが来る。
思いを伝えられずに離ればなれになってしまうときが来る。
そう思うと今のうちに、父から娘たちへ、好きな作品を通じてメッセージを残しておければと思い、書いておこうと。

まずは「音楽アルバム」から。
聴いて感じることが生まれるのは10代の後半からかな。
タイミングはいつでもよいので、気が向いたら聴いてみてほしい。

ERA / 中村一義

中村一義は、「太陽」という作品も好きだし、このERA以降も素晴らしい作品が多いけど、やはりこの作品を中心に置きたくなる。日本に限らず、世界はどんどんワガママなやつが蔓延ってしまってるんだけど、そんな中「独り」としての覚悟とか、「ひとり」がつながる素晴らしさとか、別れすら人生の祝祭のひとつとして、真正面から向かい合って、音楽に込めて放っている。ものすごくパワフルな作品なので、力をもらえると思います。
そんな中でも「ピーナツ」って曲が好きです。

High Tide And Moonlight Bash / ソウル・フラワー・ユニオン

「人生は祭りだ、共に生きよう!」って君たちが生まれたときにつぶやいたんだけど、実はこのバンドの音楽がはじまるMCの一つだったりします。
弱い人の立場に立って、権力や理不尽に向かって、歌と演奏で連携して、声を上げては人々を踊らせて戦い続けてるバンドです。世の中で流行っている音楽とは違ってて、違和感を感じるかもしれないけれど、このオリジナリティが、この人間臭さがかっこいいと思います。で、このアルバムのYoutubeが残ってなかったので、別のライブバージョン。映ってないけど父さんもこの観客の中にいますよ。

Rings Around The World / Super Furry Animals

ソウルフラワーユニオンのように、世界で戦い、救い続けているバンドです。話す言葉はちがっても、根底のやさしさが持つ力強さ。
父さんは辛いときにこの曲をよく聞きました。

You’ve got to tolerate
All those people that you hate
I’m not in love with you
But I won’t hold that against you
寛大になるんだよ
キライな人にさえも
君に恋してるわけじゃないけど
君に対抗心を抱いたりはしない

ミラクル / BUGY CRAXONE

涙を流すときがあっても日々を素敵に生きていくためにがんばる。
その秘訣として「素直さ」が大事なんだって、父さんが言っても説得力ないけど、このバンドが発信するポジティブなパワーは本当に力を持ってます。
ネガティブなことに負けそうになったとき、くじけないように。
あ、このアルバムに「ひーちゃんへ」って直筆のサインもらってるので!

LOVE CITY / 曽我部恵一

知ってるか分からないけど、父さんと母さんは東京で出会っています。
東京の下北沢。そこでの思い出が詰まってるアルバムです。
街の雰囲気は変わってしまったかもしれないけど、いつか行ってみてね。

Yoshimi Battles the Pink Robots / The Flaming Lips

まだ父さんもよくは分からないけど、人生というのは儚いもので、
だからこそ日々をキラキラと、ポップに生きていくことが大事なんじゃないかと。いつもマジックのようなステージを観せてくれて、だからこそ余韻が少し切ない。

Do You Realize - that you have the most beautiful face
Do You Realize - we're floating in space -
Do You Realize - that happiness makes you cry
Do You Realize - that everyone you know someday will die
気付いているかい? 君の顔が世界一美しいってこと
気付いているかい? 僕らは宇宙を漂っているってこと
気付いているかい? 泣きたくなるような幸せがあること
気付いているかい? 誰でもいつかは死んでしまうこと

98.12.28男達の別れ / フィッシュマンズ

フィッシュマンズってバンドは最初はとっつきにくいかもだけど、
好きになったらいろいろと聴いてみてほしい。
「なんて不思議な話だろう こんな世界の真ん中で 僕ら 二人ぼっち」
ひーちゃんが生まれたとき、あーちゃんが生まれたとき、
君たちを寝かしつけるために真っ暗な部屋で寝転びながら、
この歌を思いながら、
心から、人生のおいて最高に幸せな瞬間だなって思った。


二人がいい音楽に出会えますように。

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