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京葉線快速縮小問題を考える㉑快速復元ダイヤを「予想」する

快速復元ダイヤを「予想」する

これまで20回にわたり、想定しうる京葉快速・通勤快速の復元パターンを検討してきた。停車パターンや直通先のダイヤ構成までゼロベース検討すると可能性は無限に広がるところではあるのだが、年途中のダイヤ改正でもあり京葉線内に限った修正と見込まれること、旅客流動は急激に変わることはなく一定程度定まっていることなどから、ダイヤ改正は大規模なものにはならないことが想定できる。(ただし、次のステップとして大幅な改正を行う可能性はあるし、今回を好機に一気に大改正する可能性も否定はできない。)

そうしたなかで、京葉線沿線民兼鉄ヲタである筆者がこれまでの「検討」をもとに、復元ダイヤを「予想」してみたい。

快速復元予想ダイヤの基本的な考え方

改めて自治体要望を確認すると「東京方面との速達性や沿線都市の拠点性維持・確保のため、通勤時間帯における通勤快速や快速電車の運行など、輸送体系のあり方として線区全体について見直し、改めて、ダイヤの再検討を行うこと」としている。

一方のJR側は「年に一度のダイヤ改正にとらわれず、運行のあり方を柔軟に検討」とコメントしている。ダイヤ改正プレスリリース後に異例ともいえる早朝快速2本復元を行った経緯やJR幹部の発言から、来年3月を待たずなんらかの改正は行われるものと思われる。

自治体側にとっての「満額回答」は全ての京葉快速・通勤快速復元、すなわち2023年ダイヤベースに戻すこと、一方でJRが現行ベストと考えたダイヤが2024年各停ダイヤとなる。

・自治体にとっての理想→2023年以前のダイヤ
・運行側にとっての理想→2024年各停ダイヤ

運行するのはJRでもあり、基本ベースは2024年ダイヤとなり、かつ来年3月を待たずにとなると他線区(武蔵野線・内房線・外房線)への大規模な波及は伴うとは考えにくく、出来る限り京葉線内で完結する改正内容と予想する。すなわち、武蔵野線や特急を含む内房線、外房線の変更は少ないと考えるのが基本になる。

平日朝上りのダイヤを「予想」する

平日朝上りについては主に通勤快速のあるべき姿を検証してきた。既存の通勤快速停車駅での再設定は困難とするJRの見解から旧通勤快速の復活は無いものとし、2パターンを予想する。

【通勤快速停車駅予想】
・予想1:海浜幕張に追加停車(蘇我・海浜幕張・新木場・八丁堀・東京)
・予想2:新浦安以西各駅停車(蘇我・新浦安以西各停・東京)

予想1は自治体や在野からしばしば提案される案、予想2は並走する東京メトロ東西線を範に最混雑区間を各停とする案になる。次に、通勤快速が復元されるとすればどのスジが復元されるかを予想する。

【通勤快速設定スジ予想】
・予想A:2023年ダイヤの2本を復元(蘇我744→東京826、蘇我759→東京841)
・予想B:ピークを避けた2本を復元(蘇我708→東京750頃、蘇我759→東京841)
・予想C:2024年改正削減スジを活用し、最低限の1本復元(蘇我720頃→東京800頃)

括弧書きしたダイヤは凡例であり、停車駅予想2のパターンだと所要時間は伸びることになる。混雑平準化を目的とした各駅停車との兼ね合いのほか、予想Aの場合は2024年改正で新設された特急(わかしお4号)の処遇も考える必要がある。

平日夜下りのダイヤを「予想」する

ある程度選択肢が限られる朝上りと異なり、夜下りは幅広い可能性がある。
2023年以前のダイヤでは通勤快速・京葉快速・各駅停車が入り乱れており、どの列車種別をどのような形で設定するかにより予想も分かれてくる。下りにおいても通勤快速は比較的空いていたことから京葉快速のみの復元となる選択肢もあり得るし、停車駅を見直した通勤快速のみを運行するパターンも考えられる。

【優等復元パターンの予想】
予想α:通勤快速・京葉快速とも復元
予想β:京葉快速のみ復元
予想γ:停車駅を見直した通勤快速のみ復元

さらに、通勤快速・京葉快速の停車駅見直しをどのように考えるかで分かれてくる。

【下り通勤快速停車駅予想】
・予想1:海浜幕張に追加停車(東京・八丁堀・新木場・海浜幕張・蘇我)
・予想2:新浦安以西各駅停車(東京・新浦安以西各停・蘇我)
・予想3:新浦安以西+海浜幕張停車(東京・新浦安以西・海浜幕張・蘇我)

下り通勤快速は「予想3」を追加

朝上りパターンに加えて、新浦安以西と海浜幕張に追加停車する通勤快速を予想した。朝の通勤ラッシュには需要過多で耐えられないパターンと推測するが、夜間は比較的余裕があり幕張新都心への速達化(幕張新都心から蘇我以東の帰宅含む)の観点から追加停車とした。

【京葉快速停車駅予想】
・予想1:現行通り
・予想2:新浦安以西各停(いわゆる「区間快速」化)

通勤快速での案同様、京葉快速も新浦安以西各停化を予想した。そのメリット・デメリットは過去に検討した通りとなるが、利用が比較的少ない4駅のみ通過による所要時間短縮を図れる点、取り扱いが各停に近く各停ダイヤから修正が比較的少ない点が利点になる。

さらに、快速系統復元は内房・外房線直通列車を想定しているが、どこまで(どの時間帯を)復元するかも論点となり得る。

【優等運行時間帯の予想】
予想A:22時台まで快速運転(22時台の君津行まで)
予想B:概ね17~19時台に快速運転(内房・外房線直通)

予想Aは2023年ダイヤの復元となる。予想Bは京葉線海浜幕張方面の本数が20時台から減少していること(8本/H→6本/H)、南武線快速などが17~19時台のみ快速運転をしていることを範に選択肢として有り得ると考えた。早朝2本の上り快速復元と同様、暫定措置としての設定もあり得る。この場合、蘇我1825着誉田行き、1845着君津行き(または1851着上総一ノ宮行き)、1923着成東・上総一ノ宮行き、1948着君津行きあたりが候補となる。

さらに、これらの停車駅予想により細分化される。例えば、予想Aの範疇ではあるが、17時~19時台は新浦安まで各停の通勤快速、20時以降は海浜幕張まで通過運転する現行京葉快速、などのパターンも考えられなくはなく、可能性は実に幅広い。

日中・その他時間帯のダイヤを「予想」する

2024年各停ダイヤでも行われている10~15時台の快速運転は揺ぎ無く、要望が強い朝上り・夕下りのラッシュ時優等復元は可能性が高いと推測しているが、9時台、16時台以降の快速運行はどうなるか、予想してみる。

【その他時間帯の快速復元予想】
・予想A:9時台、16時台以降(上りは18時台まで)快速復元
・予想B:9時台、16時台以降(上りは21時台まで)快速復元
・予想C:9時台、16時台以降の快速復元は行われない

予想Aは2023年ダイヤレベルの復元となる。予想Bは2022年以前の復元で現行停車駅での可能性は低いが、快速の新浦安以西各停化を前提に舞浜輸送の課題が解決すれば幕張新都心への速達性両立の観点からあり得る。

予想Cは幕張新都心への速達性についても課題とされている以上、可能性としては低いと見ているが、ラッシュ時の最低限の快速復元を優先した場合、選択肢としてはあり得る。

日中の快速停車パターンの見直しについてはどうか。日中時間帯は改正を行う必要は乏しいように思える。ただし、京葉快速の停車駅見直しで新浦安以西各停化を採用する場合かつ、「快速」と「区間快速」の両立(列車種別増加)を嫌った場合、全ての京葉快速を新浦安以西各停と整理する可能性はある。

(次回に続く)


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