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京葉線快速縮小問題を考える㉗最終的な快速復元の落としどころは




最近の話題から

JR千葉支社長の定例会見があり、記事化されている。

他市長への対抗意識なのか、唐突に烈火の如く怒り出した習志野市長に対しては「残念」とする一方で、さらなる速達性確保を求める意見については検討を示唆しており、今後の方針が見え隠れしている。

「理解していただきたいと直接(宮本市長の元へ説明に)出向いたが、理解してもらえなかったことは大変残念」
「利用者の意見はダイヤ改正時の大きな判断材料。まずは9月の快速復元に向け準備に注力し、効果なども見て今後のダイヤを考えていきたい」

千葉日報より

さて、前回は「9月のダイヤ変更」後の反響において復活要望が多いように見受けられた夕方下りの快速復元可能性を検証したが、今回はその他の時間帯についての検証をしてみたい。

夕方16~17時台の快速設定は見直されるか

下り18~19時台においては、新木場駅の混雑面から各停ダイヤ維持とした方針は一応理解は出来る。それゆえに、大きな混雑とはいいがたい16~17時台などの快速設定が無いことへの理屈が成立していない。考えられるとすれば、18~19時台と併せて16~17時台においても武蔵野線方面の増強を含めた輸送形態見直しが予定されている予測が成り立つ。この見込み通りであれば、理屈は通るし(納得はしがたいが)武蔵野線需要が平日ほどは大きくない休日においては、16時台の再編が予定されておらず快速設定が出来た……との推測も成立しうる。

上記仮定に基づけば、18~19時台の快速再設定がなされれば、16~17時台においても快速再設定は期待出来るものと考える。

下り夜21時以降の快速設定可能性

夕方については、引き続き沿線自治体から快速復元要望があり、JR側からも速達性の課題認識が示されている。2024年秋のダイヤ変更では下り20時台の快速が復元されたが、21時台以降について目立った意見は多くない。

20時台で快速が設定できているので、より空く時間帯で混雑面の課題は少なさそうで、大きな問題もなさそうに感じられる。ただし、コロナ禍以降夜間帯の利用が大きく減っているとする統計もあり、京葉線全体の輸送力整理の中で各停本数確保を優先する観点から、各停存置とする考え方も出来なくはない。

別の見方をすれば、2024年秋ダイヤ時点で21時台以降の快速設定も併せて出来たはずで、これを見送ったことから快速復元は望み薄ではないかと考えている。

朝上り快速の増発や停車駅見直しはあり得るか

朝上りについては、2024年秋ダイヤ変更の「通勤快速並みの快速」設定により、沿線自治体は概ね好意的に受け入れている状況にある。一宮町長は上総一ノ宮7時台の快速設定要望を挙げており、旧通勤快速(上総一ノ宮7時発)を指しているものと考えるが、当該スジは京葉線内のピークタイムにあたり、2024年秋のダイヤ変更で設定がなされなかった以上、各停堅持の方向性と思われ、7時台のこれ以上の快速増発は難しいと理解している。

強いて言えば、本noteでも予想した新浦安以西各停となる通勤快速は混雑面ではクリアできそうだが、一度「快速」として設定した列車に再度通過駅を設けることは新たな火種を生みかねず実現可能性は低いとみている。

JR側も通勤快速(海浜幕張追加停車含む)再設定は困難との認識を明確にしており、再度の通勤快速化の可能性は低いものと予測している。

一方で、廃止されて久しい蘇我発上り8時台の快速設定は混雑面からは実現できそうではある。各駅停車の運転本数確保などとの整合もあるが、2023年ダイヤまで存在していた8時台後半の快速設定は期待したい。

夕方上り快速設定はどうか

沿線自治体は「夕方の快速」の復元に言及しており、一義的には下りを指すのであろうが、幕張新都心から東京方面帰宅となる上り方向の快速設定の要望もある。この時間帯の快速設定が見送られた理由は前回検討の通り武蔵野線方面の輸送力増強と表裏一体にある。武蔵野線再編の暁には下りに合わせて幕張新都心から東京方面への速達性に配慮した快速設定を期待したいところとなる。

一方で、これまで本noteで検証してきた通り19時台以降の上り快速は舞浜からの帰宅輸送(上り方面)を主眼に各停化されたと理解しており、2023年ダイヤを基準に18時台までの快速が復元されれば御の字と考える。

休日ダイヤの快速設定はどうなるか

休日ダイヤにおいては混雑面の課題が少ない。従って、平日では各停存置されている内房・外房線からの直通列車(蘇我発718・744など)や、上り8時台、下り7~8時台においても快速復元の余地はあると考えられる。

一方で、2024年秋ダイヤ変更では9時台・16時台は毎時2本の快速復元に留まっている。快速通過駅への配慮とも取れるが、かつてのような快速中心ダイヤではなく復元があっても毎時2本程度、あるいは快速運行時間帯は平日に準じて大きく変えない方針としている可能性もある。

快速復元の落としどころはどこか

2024年秋ダイヤ変更においては「朝上り・夜下りの内房・外房線直通列車の快速化」と「日中快速の運転時間帯拡大」が示され、該当時間帯は概ね1時間に2本の快速が設定されている(休日日中は4本)。

夕方の武蔵野線方面輸送力不足が解消(武蔵野線方面の増強)すれば、新木場駅の混雑面も一定程度解消が見込まれ、夕方においても京葉線快速再設定の余地はあるものと考えられる。

2023年以前の快速運転時間帯や2024年秋ダイヤ変更の方向性を踏まえると、平日においては下り9時台~20時台(2本/H・24本)、上り6~7時台と8時台後半~18時台前半(基本2本/H・24本)上下計48本、休日は日中本数が増え計72本がひとつの目安と考える。

【快速本数 平日】
2023年 59本
2024年 26本
2024年秋 33本
筆者予想 48本

【快速本数 休日】
2023年 89本
2024年 49本
2024年秋 61本
筆者予想 72本

利用の多い朝夕をカバーしつつ、半日にわたり毎時2本(休日日中は4本)の設定であれば、利用者や沿線自治体の理解も得られやすそうなところと考えるが、いかがだろうか。

おまけ

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