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ミヒャエル・エンデ 『モモ』 読了! 旅の偶然は必然か?

5/12から読み始めて、約1ヶ月半。
旅先の金沢で、モモを読み終わった。
私のモモは愛蔵版。重たいし、嵩張る。
1泊2日の旅に、わざわざ持って行くのはどーなの?と思ったが、残り50ページほど。
金沢で読み終えるのもいいなぁと、思ってしまった。

••• モモとの出会いについてはコチラ •••


旅行1日目の夜、寝る前に少し読むことに。
続きは18章から。
そのタイトルを見てドキッとした。
「まえばかり見て、うしろをふりかえらないと……」
私はこの日の朝、映画「ルックバック」を観たばかりだった。ただの偶然なんだろうけど、何か、メッセージか?なんて思ったり。
「振り返り、色々なものと向き合う。次へ行くときが近づいている」、ような気はしているし、そうしたいとも思っている今日この頃。

ボロ泣きしたルックバックの感想は、近いうちに。


「オワリ」は、翌早朝に迎えた。
この日も、ちょっと不思議な偶然が起こった。
中谷宇吉郎の雪の科学館を出てすぐにある、傾斜のついた原っぱに、カメが一匹、“日向ぼっこ”と言うには暑すぎる日差しを、全身で浴びていた。
思わず、「カシオペイア?」と誰にも聞こえない声で呟いた。
カメさんの気分を害さないように、ほんのちょっとだけ距離を縮めてみる。
意外と眼が可愛いんだな〜
甲羅の模様って、古代文字みたいだな〜
そんなことを思いながら眺めていたそのとき!!甲羅に文字が…!!!なんて事はさすがに起きなかったけれど、この日この時間・この場所に目を向けなければ、無かったであろう出会い。そう思うとなんだか、少し嬉しい気持ちになった。

辺りにはこのコ以外、カメは見当たらなかった


さらになんと、モモは、これで「オワリ」じゃなかった!
それはほんの一瞬、加賀温泉駅へ向かうバスの中から見た景色。
見えたのは、緩やかなすり鉢状の、円形の広場だった。医療センターの敷地内に突如として現れた、草の生えた謎の空間。(突然だったし数秒すぎて、写真は撮れず…)
モモが住んでいた円形劇場跡はきっと、何十倍も大きいだろうけど、朝に読み終えて、カシオペイアで、この流れ。
もし、反対側の席に座っていたら、広場は全く見えず、気付くことはできなかった。
私がただ結びつけているだけではあるが、それによって旅がより楽しくなったのは確かだ。

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モモを読み終えて改めて、「時間の使い方」を考えた。
”灰色の男たち”は、現代そのもの。
コスパ・タイパこそ正義!効率良く要点だけおさえて、無駄な時間を減らそう!みたいな、「心」を後回しにしているような今の世の中とそっくりだ。
その方が得でしょ?みんな好きでしょ?そういうもんでしょ?
・・・本当に?


もっと、自分を大切にした時間の使い方があるはず
もっと、気楽に伸びやかに、健やかに生きたい

モモを読む少し前から、生きる場所を「東京」に限る必要は全く無いなと感じ始めていたけれど、モモを読んで、その想いは強くなった。
東京は好きだし、大切なひとたちがいるし、思い出もたくさんあるけれど、今の自分にはもっと他に、しっくりくる場所があるんじゃないかと、根拠はないが無性にそう思うのだ。
その場所が国内なのか、国外なのかも分からないけれど、そこへ行くための、背中を押すきっかけの一つとして、あのときモモと出会ったのかもしれない。

どうなるのか分からない不安と、
どうなるのか分からない楽しみと。

果たして私は、どこへ行く・・・?

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