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フィンランドで根管治療

フィンランドは好き、でもね・・・と、斜めからフィンランドを観ているふわふわミトンです。

今日は、フィンランドで自分が受けている歯科治療、それも根管治療について書いてみる。

根管治療とは、何らかの原因で歯根に膿疱ができてしまった(歯根膿疱)の時や、虫歯がかなり進行してしまった歯の神経の通った根管を取り除き薬剤を充填する、という治療。日本の歯科だと「保険診療」で時間をかけて行うか、「自由診療」でクオリティの高い、診療費も高い最先端の治療で短期間で終わらせるか、どちらか。

私は、もうずっと若いころに神経を抜いて上にかぶせ物をしていた下の奥歯が2本、歯根膿疱と歯根が縮小しているという状況で、日本の近所の口腔外科で治療を続けていた。ケチって保険診療にした、というか、その口腔外科の先生は「根管治療が専門ではない」ので、毎回、リーマーという細いぎざぎざ針金のような器具で、歯根をぐりぐりと何やら削って、だいたい10分、はい今日は終わり次はいつ? 1か月通っても、常にその治療の繰り返して、でも、安い。一回200円とか300円とか。口腔外科の腕前はすこぶる評判のよい医師で、人柄も大好きだったけれど。根管治療はまた特殊な分野なんだそうだ。

進んだ自由診療の根管治療だと、歯一本につき、根の本数によって値段も変わるらしいが、十数万円!!!確かに、この方が確実に治療がきっちり終わるし、しっかりと治してもらえる。しかし、ケチってしまったことを結局は後悔することになった。治療が終わらずに移住してしまったのだ。どうしても移住の日程はずらせなかった。

移住して1週間後にすぐに根管治療 Juurihoitoもやっているという私設の歯科医を検索し、一番近いところに行った。

まず診察台の横に、あのうがいをする水の出る台がない。プラスチックカップに、とろみのある液体を入れて出されて「これを口に含んで30秒間口をゆすいでカップに吐き出して」。これがまず口腔内消毒らしい。

次にサングラスを渡されて、かけろ、と言われた。マトリックスみたいな黒いやつ。なんでかけるのか、理由をきくのを忘れたが、もしかしたら、顔にかかる水しぶきなどが目に入らないようにするため?わからないけど。

 で、治療そのものは、その診察台に座らされたまま、口の中に小さなフィルムを入れられて、その場で簡易レントゲン撮影。アーム式で小さなレントゲン撮影機が伸びてきた。被ばく量大丈夫か?きっと大丈夫なんだろう。
 デジタルレントゲンなので室内の医師の机のPCにすぐに画像が出る。それを確認して、医師は拡大鏡をつけ、電動式のリーマーでキュリュキュルと私の歯の根をきれいにするために削り、時折注射器で何やら液体を入れて、またキュリュキュル・・・これを何度か繰り返し、途中で経過を観るためにまたレントゲン。そして、また削ったり、液体かけたり・・・。1時間ほどで終了。
 終了時には口腔内を洗浄してくれるので、日本の歯科のように「はい、うがいしてくださいね」はない。そして2回目の時は、同じような治療をして、最終的にガッターパチャを根管の先端までしっかり充填し土台を作って一本目は終了。

ラバーダムこそないものの、私がネットでいろいろ調べていた自由診療の根管治療とほぼ同じ内容の治療で、約400ユーロ。日本で中途半端になっていた根管治療を、最初からやり直して2回目で1本終了した。今日から2本目をやっているが、次回で土台まで終わるらしい。後日、KELAから診療台の1割が還付されるので、患者は9割負担。

1本目の歯根膿疱は、レントゲンを見せてもらったが確実に小さくなっていた。きちんと歯根端まで薬液が充填されると、私のように改善するらしい。

 日本の方が進んでいる医療体制もあるし、フィンランドの方が安くて質の良い治療を受けられることもある。一概に、どちらの国の医療がすぐれているかは言えないと思うが、どちらの国でもお金がかかるのは同じ。
 健康保険の制度そのものが違うし、所得税率も違うから、どちらがお得、とも言えない。しかし、確実に言えることは、日本の方が病院やクリニックの数がべらぼうに多いし、日帰りの白内障手術などは日本の方が絶対にいいと思う。共通しているのは、僻地医療がどちらも患者にとって不都合なこと。やはり、都市部に住んでいる人と、地方に住んでいる人とでは、医療サービスにどうしても差が出てしまうのは、日本もフィンランドも同じだと思う。

 どの国にも、良いところもあればダメなところもある。好きな国であるからこそ、両側面をしっかりと見て行きたいのである。

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