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1989年7月 空を(束の間)飛んだ日

【経緯とまとめ】当時バイトしていた会社の友人ふたりと伊豆・河津町に一泊、ついでにやったことのないパラグライダーなるものをちょっと経験してみよう、ということになって、車で出かける。静岡県民なんだけど、伊豆ってなんだかいつも新しくて珍しい感じがするのです。
飛んだ瞬間の写真は無く、またまたヘッダーをお借りしました。
ありがとうございます。

7月1日(土)
会社の同僚である友人Hちゃん、Nちゃんと三人で、車にて河津町へ乗り込む。
まずは、Delta Wing Kites and Gliders Inc.という団体がやっているパラグライダースクールの練習場へ。
少し山っぽいところに入って行く。

アジサイがきれいだねー

受付をして、まずは二つ折りのカードをいただく。

練習場は、昔、火山だったらしく、まあるくえぐれている。高度はそこそこあるようで、どことなく高原の雰囲気もある。

これが装備だ!
出稼ぎではない

午前中は風待ちのため、地上訓練。
午後はいよいよ、標高30m地点からのフライト開始。

「飛ぶぞー!」「おー!」

まずは、紐が絡まないように後ろにパラシュートを拡げる。
次に、着地点に立つ人の合図で(我々素人のために風を見てくれている)、ロープの端(グリップ)を握った両手をグリコのおじさんのように上にあげる、と、パラシュートが頭上で開く。
で、そのままの姿勢で斜面を駆け下る。

ある速度に達すると体が宙に浮く、そこですかさず(あわてず)腕をやや下ろす。
と、不思議や不思議、空へと舞い上がるのである!
降りる時は、両手をそのままぐっと下げる。
追い風の時は決して飛んではいけない、とのこと。かつてそれをやって、後ろの桜の木に引っかかり、救助するのに半日もかかった人があったそうな。

スタート地点がそこまで高い場所ではないので、飛んでいる時間はごく短い、それに、後ろからぐいと引っ張られている感じが強くて、なんとなく宙づりにされたまま人間ケーブルカーとなって移動している雰囲気もある。
それでも初夏のプチ高原の空気は格別だった。
時おり誤って藪の中に着地してしまうが、そういう時はその辺の野いちごでも摘まんで食ってみるのもよし。
なぜかハッカもあちこちに生えていて、香りがよい。

教習のごとく、ハンコを押してもらう。

修正飛行がハンコなし、ということは風まかせ過ぎた、ってことかな?
どうりで藪に突っ込むことが多かったよ。

さんざん空を舞って(?)ヘンな筋肉が痛くなってきたかも。
夕方には、ペンションに移動する。

こぎれいなペンション、当時の健康保険の関係で半額で泊まれた。
横にあったレストランは仏風家庭料理のお店、量もかなり多く、とにかく美味しかった。
外のテラスに、オーナー宅の子か、途方にくれた表情の大きなわんこが寝転んでいた。

7月2日(日) 雨っぽい

帰るだけだと少しもったいないので、小雨混じりの中ちょっぴり観光を。
城ヶ崎海岸。

風も強い!
わざわざがけ下を見おろす
遊歩道にアジサイ発見!

池田20世紀美術館にも寄る。
森秀雄? たしか一碧湖をモチーフにした、とあったような……
抜けるような青色が印象的。

ちょっとだけ空を飛んだだけだったが、まるで天下を取ったような満ち足りた?週末でしたよ。

まあそれから、一度もパラグライダーやってないんだけどね…

おしまい


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