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RSGT2024のセッションの感想をつらつらと

当日に参加したセッションの感想や思ったことを書いていきます!
イベント全体の感想は以下のブログに書いてます。


Day1

Dynamic Reteaming, The Art and Wisdom of Changing Teams / Heidi Helfand

本人のスライドは共有されてないけれどサイボウズの大友さんがスクフェス仙台2022で発表した資料がとてもわかりやすかったので拝借します。

ビジネス・チーム・技術などの変化が止め処なく起こる状況に適応しながら良いチームを維持・成長させるために5つのパターン(One-by-One, Grow-and-Split, Isolation, Merging, Switching)を適用していく。
これらはあくまで手段なので、目的を忘れてチームを壊さないようにしたいです。


Badプラクティスを選んで失敗しながら進めた新規プロダクト開発 / ゆのんさん、しいばさん

今のチームにとって最善だと思う選択肢が世間で言われるBadプラクティスだったという話。
締切に間に合わなさそうなときに信頼と勇気で人を増やさない決定をしたゆのんさんすごい…


Outcomeに向き合う中で出会っている出来事とその解決案 / 中村洋さん

アウトカムに向き合えるように、時折越境してチーム外の情報を取り入れたり、お客さんと直接コンタクトを取ることが大事。
知識や関心が自分のチームに閉じてると自チームのアウトプットにばかり目が行きがち。


証券取引所のサービスをアジャイルに開発し続ける上での学びと取り組み / Tokitaさん

「お客さんとペアで作業してる」「アウトカムを考えるとき、観点がストーリーの範囲に閉じてしまうし開発者視点になる」「定期的にTeam Health Check」が印象に残りました。自分の状況と照らし合わせると、1つ上の視座を持ってプロジェクト全体を見渡さないとこういう取り組みが浮かんでこないなぁと。


よいチームをよい雰囲気を保ったままよい組織にスケールさせていくためにできること / 及部さん

“組織”と聞くと うっ となるけど“コミュニティ”活動は好き。→じゃあ自分が好きな雰囲気を維持したままスケールできるようにわいわいできる場を作る→Weekly OST。
個人的には「うまくいったチームでやってたことを繰り返してもうまくいかない。打席に立つ回数を増やして打率を上げる」が自分に刺さりました。


RSGT+スクラムフェス タウンホールミーティング / RSGTとスクラムフェスの実行委員の方々

実行委員の方々が何人か集まって赤裸々にこれからの経営スタイルについて話していました。実際の収支表を一部見せてもらって、スポンサー募集から当日までどういう意思決定がされていったのか非常に勉強になりました。話している途中にどうしても「予め〇〇を決めて…」という流れになりがちで、でもそれが人間にとって自然な考えでもあるなぁとも思い、脱予算経営の難しさを感じました。


Day2

Solving The Value Equation / Michael Feathers

"価値"とは、"生産性"とは。
アウトカムやインパクトの部分にちゃんと焦点があっているか、チーム内外やステークホルダーとの間で言葉の意味するところがあってるかを適宜確認したほうが良いと思いました。


Software Teaming (Mob Programming) and the Power of Flow. / Woody Zuill

(前半しか聴けていないです。)
「1人1チケット担当していたチームにおいて5人集まって作業したら5チケット以上もの作業が完了した」これほどパワフルで説得力のある事実はないなぁと。自分たちのチームで同じように取り組んで同じ結果が得られるかはわからないけど、「モブプロって生産性落ちるんじゃないの?」って疑問に対しては事実ベースの会話がしたいと強く思いました。


「困っていることはありません」は物事の見方を変えるチャンス / Kameiさん

「困っていることはありません」は訊かれている本人も本当にそう思っていることがしばしばある印象です。チームが現状を検査する上での観点を言語化できていないとこうなりがちなので、観点を質問に付け加える(〇〇について困っていること…とか、✗✗が不安なんですけどこれについて困っていること…とか)と引き出しやすいと。フムフム _φ(・_・


できるだけ大きなアウトカムが得られるように、シフトレフトとシフトライトの両面から製品開発に取り組んだお話 / ブロッコリーさん

テストって言うとどうしてもソフトウェアテストが真っ先に浮かぶけど、仕様を考えるときにスプリントレビューを踏まえて観点を出すとか、レビュー時に機能の出来だけじゃなくて設計時に気をつけることを見ておくとか、一連の開発プロセスにおいて相互に検査できることはまだまだたくさんありそうだと思いました。


みんなでギャザってふりかえりカタログを作ろう!~おすすめ手法、体験談、みんなで集めよう!~ / びばさん、98lerrさん、おーのAさん、Takeuchiさん

当日にみんなでリリースしたふりかえりカタログ(コミュニティ版)は以下の記事にリンクがあります。

まず、第一にこんなにもたくさんふりかえり手法があるんだ!とびっくりしました。たくさん手法があることは、それすなわちそれだけ意図や観点、効果の種類があるはずで、色々試してその場その場にあったふりかえり手法が選択できると良いなと思いました。
次に、各手法へのみんなの思いがひしひしと伝わって何だか温かい気持ちになりました😌。特にFun Done Learnや感謝など、ポジティブな気持ちになるふりかえり手法はやはり個人的に好きです。
そして、何と言ってもこれだけの考えや思いが集まったコミュニティ版ふりかえりカタログのリリースの瞬間に立ち会えたのが嬉しかったです…!!


Day3

スキルをさらに活性化させる智慧、メタスキル体験ワークショップ / Akiさん、原口さん

ハードスキルやソフトスキルを上手く使いこなす・引き出すためのスキルであるメタスキル。その一部である"本気"、"遊び心"、"深層民主主義(ディープ・デモクラシー)"、"尊重"から1つ選んで①会話によって深掘りする、②体や動きで表現する、③自分たちの現場に持ち帰る上でのアクションを話し合う、といったことをしました。
①私は"遊び心"を選んだんですが、参加者によって解釈が様々あり、余裕という意味に近い人もいればユーモアに近い人もいて、多様性を感じました。
②その後の体で表現するフェーズではそんな多様性ある解釈をあえて全部動作にして入れてしまおうという話になり、何とも遊び心のあるメンバーだなと思いました笑。体や動きで表現するのは正直むちゃくちゃ恥ずかしかったw
正直最初は意味を見出せてなかったけど、他のメンバーが選んだメタスキルを理解するときにそれが大きな効果を発揮しました。各々が思ってるメタスキルの解釈の詳細なニュアンスの片鱗を汲み取ることができ、Akiさんが終始"どんな質感なの?"って言ってた"質感"の意味が理解できた気がします。
③最後の持ち帰りアクションでは"深層民主主義(ディープ・デモクラシー"を選びました。声なき声を拾う心意気はあるのだけれどなかなか拾えていない自分がいます。参加者同士話しているとどうも「受け身の状態だと声を拾えない」という気付きがありました。そこで、とりあえずオフィスを歩き回るとか、意味もなく話しかけて雑談してみるとか、声を上げる機会を増やしたり話しやすい雰囲気を出すことに注力したいです。


Kano Modelと魅力品質理論 / 狩野紀昭先生

「品質の"質"の字はお金とものを比べる様子から来ている。」「品種の差が質である」「魅力的品質はやがて当たり前品質になり、その流れは時代とともに速くなっている」というのが印象的でした。
そもそも品質の定義を考える上で漢字の意味から掘り下げたり、アリストテレスの哲学から考えたりするのが興味深かったです。
プロダクトの品質を考えるとき、作り込むことが果たして重要なのか、改めて考えさせられました。


Coach's Clinic

今回始めてコーチズクリニックを受けました。
自分が直近困っているトピックがモブプロ(というかチームでどう開発するか)だったので、及部さんに話を聞いてもらうことにしました。
予め書いた困りごとに対してそのまま回答するのではなく、「Katsuyaさんが今日1番解決したいことは何ですか?」という質問してもらい、短い時間ではありましたが潜在課題を探るタイミングをもらいました。
アクションだけメモすると、モブプロ導入については①勉強会の時間を使ってチーム全員でお試しの会を設ける、②会の最後に感想戦を行い議論の場を作るところまで設計する、です。
モブプロをする上での生産性の低下は自分自身疑問に思っていたのですが、Silver Bullet Clubで長いことモブプロを実践している及部さんから実体験を交えて意見をいただけたので、非常に納得感が得られました。
モブプロに限らず何事もやってみないとその詳細な効果を感じれないことがあるので、まずは体験する場を設けること、そして必ずそれをふりかえってチーム内で議論することが重要だと学びました。
及部さん、ありがとうございます!

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