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はじめに

KATTSUは、最初に作品のイメージ、背景やストーリーを文章で表現するのはどうかと正直躊躇していました。
昔から絵を描くときの手順でそれらは頭の中でほぼほぼ完成した状態で下書きへとスタートさせるのですが、完成したその絵を明確に文章で説明した事はタイトルくらいで多分今までに無かったと思います。
作品を見て頂ける方に各々で解釈して頂ければ良いとも考えていました。
しかし、作品により奥行きや世界観、理解を深めて貰うために必要では無いかとASST(アスト)の勧めもあり今回、初挑戦をしてみようと思いました。
兎に角、拙い文章となりますがお許し頂けると幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

SOUL CUBE STORY

この物語はある男の身に起こった奇妙な出来事から始まる。

その男の風貌は極々平凡なただの孤独な中年男性にしか見えない。

ある日、その男は自身の体調の異変に気付く。

最初は違和感程度で気にする程のことでも無かったが日を追うごとに頭の中や胸の奥深くがモヤモヤしてとても不快なものへと変わってくる。

ある夜、気分が優れず早めに寝ようとベッドの中で夢現としていると突然体の奥底から何か得体の知れないものが込み上げてきて吐き気を催した。

男は必死に吐き気を堪え抑え込もうとしたが
次の瞬間、胸に強い衝撃が走り一瞬意識が飛んだ。

少し混乱したが落ち着いて状況を把握しようとした。

もう吐き気やこれまで味わった不快感は消えていた。

そして男は不思議な光景を目の当たりにする。

目の前、正確には真下に自分自身がベットで眠っている様が見えた。まるで幽体離脱をして抜け殻となった自身を見つめている状態だった。

そんな状況でも不思議と意識はハッキリして気分も爽快だった。

この状態はおそらく数分程度の出来事だったと思うが気付くとどうやら眠っていたようだ。

最初は、悪い夢でも見たのかと思うことにし日常に戻るがやはり数日すると頭の中や胸の奥深くでモヤモヤが発生する。

そして増幅したモヤモヤが抑え込めず限界を迎えると幽体離脱をするという繰り返しを何度か経験する。

まるで溜まったガスのガス抜きをしているかの様でその後の数日はとても清々しく過ごせることもわかり慣れてしまえば然程苦痛では無かった。

そんなある日、嫌なことが何日も続き憂さ晴らしにと行き付けのバーのカウンターで安酒を飲んでいるとまたあの忌まわしいモヤモヤが増幅してくるのを感じた。

もう扱いには慣れているので早々に切り上げて家で休もうと考えていた時だった。

突然これまでとは明らかに違う猛烈なモヤモヤが襲いかかってきた。

男も必死に抑え込もうとしたが圧倒的な勢いで込み上げて来る異質なモヤモヤにとうとう屈してしまう。

勿論、外出中に幽体離脱をするのは初めてだ。

男は一瞬焦ったが腹を括りもうどうにでもなれと言わんばかりに流れに身を任せた。

想定通りに行き付けのバーで幽体離脱をした男はこれまでと違う感覚に戸惑った。

どう表現してよいか困るが、、理解をした?
又は悟った、、、。

これ迄の多くの不可思議なことやモヤモヤのことも、、、。

まずこのモヤモヤは複雑に絡み合った感情であること。

そしてこの感情が大きくなり行き場をなくした感情は凝縮され体外に放出されること。
この時、意識も同じく放出され一個体になること。

複雑に絡み合って凝縮され放出される感情は"魂の叫び"でありこの魂の叫びを常に求めていること。

そして今の自分の姿、、、。

バーカウンターの対面には鏡がありそこに幽体離脱をした自身が映し出されている。

おそらく他の者には見えていないだろうがそこには立方体に奇妙な顔が張り付いた物体が映し出されていた。

こ、これが自分、、、。

男はもはや驚くこともなく更に理解を深めようとする。

色々と分かったが不明な点もあった。

自分は"魂の叫び"を求めいったい何を成そうとしているのか?

自分の存在とは一体、、、?

そして、今まで一定時間が経つと元に戻ることのできた自身の抜け殻となった体がバーカウンターから消えていた。

もう自身の体には戻れないのか?

しかし男はこうも理解していた。

今は知る必要がないこと。

先に進めば必ず答えに辿り着くとも、、、。


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