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おきこはん


はやしきこ

僕の奥さんである。僕は未だに自分の配偶者を呼ぶに正しいとされる呼称「妻」を使いこなせておらず、正しい表現ではないと分かりながら「奥さん」と言ってしまう。「妻」というときの小っ恥ずかしさはいつ拭えるのだろう。ジャルジャルの福徳さんなら共感してくれると勝手に思っている。(なんぜ) 2012年に出会い、2013年に付き合い、2018年に結婚。人について書くシリーズ配偶者編。書くのに少し勇気を要する文章。果たしてどんな内容になるのだろうか。(何この導入)

2012年4月。場所は阪大ラグビー部の練習場所である豊中グラウンド。界隈は新歓シーズン真っ只中。同期の慎弥の天王寺高校時代の後輩マネージャーである「きこちゃん」がラグビー部に見学に来るとの事前情報あり。名字は僕と同じ「林」らしい。その日の練習中盤あたりに、ショーパン×短靴下を身に纏ったきこちゃんがウヒョウヒョした笑顔でグラウンドのフェンスの隙間にある4段ばかりの階段を駆け降りてきた。「いや慎弥の後輩靴下短すぎるだろ。そう言う時代なん?」これが第一印象。彼女はそのまますんなりと入部を決め、僕らは同じチームのメンバーになった。先輩マネさんと話す様を見ると肝の座ったひょうきんな印象。しばらくは「靴下短子ちゃん」として認識していた。

記憶最古の絡みは近国優勝後の飲み会での一コマ。2012年5月か。場所はお決まりの打ち上げ一次会、石橋の居酒屋武蔵。会の終盤あたりにきこちゃんが僕の隣に来た。初絡みのきこちゃんが話すに、実は僕が大学1回生の時に高3のきこちゃんと会ったことがあるとのこと。鬼クソ身に覚えがない。聞くに、僕が1回生の菅平合宿、「阪大ラグビー部を突如休部し合宿不在、と思いきやひっそり天王寺高校ラグビー部の菅平合宿にOBとして参加していた慎弥」に菅平の夜の街でバッタリと遭遇したワンシーンがあった。その慎弥の周りに現役天高生の取り巻きがいたことは覚えているが、その中に高3マネージャーだったきこちゃんがいたらしい。慎弥と話す僕と知輝を見て「阪大ラグビー部の人めっちゃカッコいい」と思ったとのこと。「なんじゃこいつめちゃめちゃええセンスしとるやんけ」と思った。これが第二印象。

その後ミスチルを共通の話題に仲良くなり、2013年の7月に付き合うことに。部内恋愛を良く思わない勢もいたので秘密にしようかと思ったけど体感1週間くらいでみんなにバレた。その後1ヶ月くらい尊敬するパイセンの松島さんが隣のポジションなのに全く話しかけてくれなくなった(部内恋愛2発目の僕にうんざりしていたと推察される)。流石に成立せんと思ったのか、トレーニングルームでバックエクステンションしてる僕に松島さんから歩み寄ってなんの文脈もなく不敵な笑顔で数回頷きながら話しかけてくれた時なんか泣きそうになったのここで初めて言います。

2013年11月〜2014年5月は僕が台湾に留学したので遠距離。関空にお見送り来てくれた時に大号泣してたきこちゃんを僕は忘れない。その後半年毎日ビデオ通話。すご。半年経ち、また関空に迎えに来てくれました時のきこちゃんの服装を僕は忘れない。変やったとかではなく、なんか覚えてる。本物のきこだ。的な感動あり。そこからはお互い池田市に居を構え、楽しく暮らす。僕が住んでいたのが上階住人の屁が床伝いに聞こえてるくらい壁薄床薄のヘボ物件だったので、ほぼきこちゃんの住むマテリアル天神(現TNG天神)で生活。当時から晩御飯はほぼ鍋だった記憶。石橋アプロのしゃぶしゃぶ用豚肩ロース何キロ食べただろう。よく行く外食は石橋の天一、王将、たまに大贅沢して石橋のぢどり亭、牧落のきんのぶた、中崎町の牡蠣小屋フィーバー。2人で原付で走り回った。そんな生活。

僕が部活を引退した後、5年生になった僕と4年生のきこちゃんが同タイミングで就活。きこちゃんが持ち前のパッと見明るさを存分に活かしフライング内々定的なアレを手にしていた時内心焦ってたの懐かしいな。僕が第一志望の「関西のテレビ局」に爆裂全落ちして自信失ってるとき「人事何みとんねん」と慰めてくれたの優しかったな。その後僕もなんとか無事就活を終え、そこからはきこは部活に勤しみ、僕はゼミに勤しんだ(勤しんでない)。卒業旅行は2人で2月にタイに行き、暑さでバテバテになりながらバンコクとアユタヤの街を堪能。帰り、僕はバンコクのホテルのハンガーラックに防寒着を全て置き忘れ、真冬の日本に半袖で着陸。きこのピーチ色のマウンテンパーカーを借りてピッチピチピーチで滋賀に帰った桃色の思い出。

2016年4月、きこは東京、僕は愛知に就職。そこから約2年遠距離。「月に1回は会う」というルールを失念した僕が翌月の土日をきこ以外の予定で全埋めしていることが発覚した六本木ヒルズのエスカレーターできこが機嫌を損ね無言モードに。成す術なく空気最悪のまま解散した足で1人で食べたラーメン二郎目黒店の小ラーメン流石に美味しくなかったわ。2018年3月にきこが名古屋に異動になりその年の11月にトントンと結婚。翌年2019年12月に一生の思ひ出となるだろう結婚式。翌月楽園モルディブに新婚旅行。良すぎた。死ぬまでにもう一回行きたい。

結婚して3年が経ちそれはそれは色々あったんですけれども、楽しく暮らしている現状。その生活を彩ってくれているきこちゃんの特徴4選は以下。

①めちゃくちゃ寝る
②家族が素敵
③牡蠣好き過ぎ
④ひょうきん

①この娘めちゃくちゃ寝る。土日はほっといたら昼まで寝る。隙アラバ昼寝もする。僕もよく寝たい派のため、「早く起きなければ」といったプレッシャーを感じることが無くとてもありがたい。基本的に家にはゆったりとした空気が流れている。

②きこは4兄妹の二番目長女。僕と同級生の兄こうご。きこの2個下の妹いあき。6個下の妹ことえ。そしてお父さんお母さん。全員素敵な人。僕を本当の家族のようにあたたかく迎え入れてくれて、本当にありがたく思っている。「奥さんの実家」って一般的にあまりくつろげる場所じゃないと思うんだけれど、そんなことがないどころか申し訳無くなるくらいくつろがせていただいている。きこにも、そうしやすい空気を作ってくれてありがとうと言いたい。

③この娘牡蠣好き過ぎる。冬シーズンになると週3で牡蠣を食べる。スーパーに売ってるパックのやつを鍋で。基本少食なんだけど牡蠣は無限で食べる。「晩御飯各々で」ってなった時はほぼ100%家で牡蠣を食べてはる。その影響で僕も牡蠣に接する頻度が爆裂に増え、僕も牡蠣大好きになった。確かに牡蠣美味過ぎるだろ一生飽きんだろ奇跡の食材だろ。牡蠣の美味しさに気付かせてくれてありがとう。

④きこはやはりひょうきんである。最近改めて気づいたが、ボケ数が明らかに多い。息を吐くようにボケる。僕はもはやほとんどツッコまない。これを書くためにこの土日2日間で観測したボケをメモったので以下に羅列する。

・愛猫びょーに対して、マユリカ中谷の声マネで「びよ~⤴︎」と呼び続ける
・普通の会話中に急に部活の後輩朝倉みさとの声マネで話し始める
・洗濯物を取り込んだ後、急に「大家好!(ダージャーハオ:中国語でみなさんこんにちはの意)」と言い放つ
・「見て、クッションというクッションが私に集まってきてる!」という謎の発言
・ジムに出かける僕に対し「キーンートーレ!ガーンーバッへへ!」と幼稚園児の挨拶口調で言ってくる
・正午くらいに起きて「いや寝過ぎやけど!!」とデカ声で自分にツッコミながら寝室から出てくる
・急に携帯のバイブのモノマネし出す
・「ほらみてこんなにストレス溜まってる。」と言いながら前髪をかきあげ、チョロチョロと漏れた数本の毛を指差す(全く意味がわからない)
それに対し、「全然溜まってへんやん。」と言うと「寝てるだけやもん!だって!!」と野太い声で言う。(なんやそれ)

いざメモると、たった2日で結構な収穫。多分全部無意識でボケてる。基本脈絡はなく意味も不明。生粋のボケである。ひょうきんをありがとう。家が明るくなってます。

そんなひょうきん者のきこちゃんですが、なんやかんやしっかり者長女で、家計管理や諸々の手続きなどきっちりすべき部分をスピード感を持ってきっちりとしてくれる。確定申告の手続きとかも調べて瞬殺でやってくれる。僕が苦手な部分なので本当に助かっている。ありがとう。

2022年で出会って10年。ええ年になるといいなと思う。笑いながら楽しく生きていけたらと思う。安全健康第一で。
もう一回モルディブに行くのは何歳になるだろう。今よりマッチョで日光浴する中高年の僕を楽しみにしていてください。これからもよろしくお願いしマッチョ。

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