ようよう赤くなりゆく牛際




中2の時、初めて吉牛なるものを食べた。



これ、なんぞ。



って思った。



衝撃のうまさ。



部活帰りに初めてファミマのフライドチキンを食べたときの衝撃をちょい超えした。



忘れもしない、琵琶湖沿い大津PARCOの近くにある、吉野家大津膳所店



林遣都やたくろうの赤木がどうやらいたらしい打出中野球部との練習試合の帰りに食べた。



部活後に外で食べるファストフードは通常の55倍(通称ゴジラ松井倍)うまく感じるとはいえ、ファミマのフライドチキンと吉野家の牛丼は明らかに特別で、当時声変わり真っ只中の不安定な僕の声帯をして、野太く「うんまぁ!」と言わしめた。



それ以来、不定期的に吉野家に通うことになるのだが、行くたびに気になることがあった。



周りを見渡すと、必ずと言っていいほど
「いやなんぼ紅生姜乗せたら気が済むねん系サラリーマン」がいるのだ。



カウンター奥側に鎮座する別容器に入った紅生姜を、数回に分けて牛肉が見えなくなるまで丼に盛っている。



なにをしてんの?って思ってた。


美味しい牛丼が台無しやんか。と。
そんなん牛丼やない。紅生姜丼やん。
紅生姜の味しかせんやん。と。



やってる人は十中八九おっさん。十中八九「しがないサラリーマン」という表現名詞がよく似合う。(偏&見)


自分もいつかあぁなるのだろうか、いや、ならない。そう思ってた。





時は現在、齢28歳、コテコテのサラリーマンになり、22時近くまで働いてしまい、誘われるように帰り道の吉野家に寄る。ふと自分の丼を見る。




ドーン

(丼だけに)



巨人師匠「フリの割にちょっと紅生姜の量が中途半端かな~。もっと山盛りやないと画として弱いとおもてしもたな。僕がもっと乗せるからっていうのもあるんかな?笑」



紅生姜山盛りの日は近い。



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