寝違え徒然

完全に寝違えている。

運動しかしておらず首回りの強度もそれなりだった学生時代に比べ、圧倒的運動不足男爵(誰が男爵ザマス)であるここ数年、明らかに寝違えの頻度が高くなっている。

そしてまた治りが明らかに遅い。程度によるがしっかり寝違えた日にゃあ不自由なく過ごせるようになるまで最低4日はかかる。

それにしても寝違えがこんなにもだるいものだっただろうかと毎度苦悶する。

寝違えたことによって自由に首が動かせないストレス+首肩凝りのストレス=15000πストレス
と言った具合である。(特別出演:円周率)

変に動かないようにと無意識に首を固定させようとする僧帽筋の凝りの酷さたるや鶏やげん軟骨炭火焼きの如し。こんなにもコリッコリだっただろうか。(炭火焼きにする必要があったかどうかについては別途議論)

しんどい。気が晴れない。
身体の劣化のみならず、ストレス耐性も落ちているのだろうか。寝違えよりしんどいことなんてたくさん経験して来ただろう自分。何を寝違えごときに気を病むことがあろうか。

台湾にいたとき、「エレベーター無しのマンション5Fに引っ越した翌日」というドゥビドゥバなタイミングで足首を骨折し、3ヶ月間松葉杖で毎日5F分の階段を白目で上り下りした日々。
長野県菅平高原の山奥で肩を亜脱臼し、肩が痛くないポジショニングを見つけるのに3週間かかったあの夏の日々。et cetera

あの時々のしんどさに比べたら幾々分々もマシだろう、余裕だろう、と自分に言い聞かせるも、人間過去の痛みなど簡単に忘れてしまうもので、今のしんどさは過去のしんどさとは無関係に生々しく自分の心を荒ませる。あぁだるい。

そんな最中、本日自分の担当業務である「溜まったタオルの洗濯」を思い出し、急いでタオルを洗濯機に放り込み、ポチッとな。

さてその間に入浴を済ませようと服を脱ぎ、身体を洗い湯船に浸かる。

すると大量のタオルに水を注ぎ終え、おもむろに回り始めた洗濯機からカコカコと異音がする気がし、これはいかんばい(滋賀出身なのにたまに心の声限定で博多弁が出る病)と濡れた体のまま風呂を出る。

洗濯機の一時停止ボタンを押し中身を探ろうと扉を開け槽内をまさぐること5秒「水を吸い切ったタオル郡」の想像を遥かに超えし重みに左肘が耐えきれずコリっと音を立てて受傷。チーン

首の具合と相まり完全に心が折れ、異音の原因見つからぬまま「ええいままよ」と洗濯機の扉を閉め、再スタート。(人生初ええいままよ)

再び湯船に浸かるも、異音がする気がし続ける洗濯機の音源が心の折れ目をズミズミと蝕む。

くぅ

数時間後、乾燥まで終えた洗濯機からホカホカのタオルを取り出すと、無事(?)、中から異音の正体メンソレータムのリップクリームが見つかり、なんでやねんと思いながらも、数時間前の「ええいままよ」による失点は最小限だったと一つ胸を撫で下ろす。品質チェックと言わんばかりにリップクリームの蓋を開け、自分の唇に塗る。

いつもよりウェッティーなクリーム面がいつもよりドライに傷ついた僕の唇と心を慰め程度にヌルッと潤す。

明日も首は痛いだろうけど、なんとか調子の悪い今を最小失点で抑えて、期を待とう。と僕の心の中のリトルダルビッシュ有が発言したところでベッドにイン。こういうメンタルのときはよく寝ないことには始まらない。

次寝違えたら形変えてしまうぞ。と僕の心の中のリトル長州力がよく分からないことを言ったところで、目を閉じます。

君に幸せあれ。

※この文章は「ええいままよ」を使いたいがためだけに書き始めたノンフィクション勧善懲悪恋愛リアリティショーです。

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