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0-1の探索も10-100の深化も両どりするための戦略 ~最適な人材マッピングとは~

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに、医療プラットフォームを提供しているUbie株式会社の兵頭です。
この記事は#Ubieアドベントカレンダー20日目にエントリーしています。

スタートアップではよく、初期フェーズに在籍した人は合わなくなっていく、また組織が大きくなっていくとイノベーションが起きづらくなるとよく言いますが、まさにスケールフェーズに入ったユビーでも重要なポイントでした。
この記事では、0-1の探索と10-100の深化を両立して行うため、組織のケイパビリティをどのように最大化していったかをお伝えできればと思います。

探索と深化についてはこの本が詳しいので、ご参考に。

結論:探索と深化で得意な人をマッピングし、最適なアサインや自己進化を可能にすること

結論から申し上げると、下記の"U-map"を活用して個人の進化の方向性を明瞭化したり、アサインを最適化しています。
なぜこのようなものを活用するに至ったか、どのようにそれを作っていったか、どのような効果が得られたか、その試行錯誤感と共にご紹介できればと思います。

扱うテーマのフェーズと個人の役割によってマッピングする"U-map"

人的資本を活かしきれてない悔しさ

新規事業と既存事業は両方大事だが・・

Ubieの基本的な方針としては患者さんのジャーニーの全体像を捕まえて、各ジャーニーの困りごとを解決する"医療プラットフォーム"を志向しています。

ユーザージャーニーの全体像と課題

そして我々の戦略では、一個ずつ順にジャーニーのソリューションを立ち上げるというよりは、ジャーニーにおけるソリューションを同時多拠点的に作っては壊しを繰り返し、刺さるものを検証しています。
そして芽が出てきたソリューション同士の体験を繋ぎ合わせることで、"医療プラットフォーム"に最短で到達できると考えています。
(ジャーニーのどこにペインが大きいかは議論しているだけでは答えが出ず、プロダクトを当ててみて検証するのが一番早いと考えているためです。)
上記の考え方に沿うと、新しい体験を検証しているような探索フェーズのプロダクトとドメインが溜まりスケールが必要な深化フェーズのプロダクトが共存・両立することになります。
(以上は、プロダクト開発についてのテーマをメインに扱っていますが、他の事業・組織テーマに関しても、探索フェーズと深化フェーズがあるものであれば同様に考えられると思います。後述します。)

フェーズが異なることでアウトカムが最大化されてない?

こう感じたのは、まさに自分自身でした。自分はそれまで0-1探索フェーズのプロダクトのPO(プロダクトオーナー)をしており、作っては壊しを繰り返し、ニーズを探索するのが得意だと思っていました。しかし、患者さんのニーズに対してソリューションがフィットし、プロダクトをスケールさせるとなった時、全く異なるケイパビリティが必要と痛感しました。
例えば0-1の探索フェーズでは、

①とにかくやる。100の議論より1の実行。
②スケールは考えない。検証で得られる最大のリターンは"学習"
③テーマがイケてないなら、次を探す。とにかくニーズを探り当てる

などとにかく手数がKSFと考えていました。
ところが、いざスケールさせようとなった際に、上記の考え方そのままでいくと全くスケールできず、インシデントが多発するような状況になってしまいました。(今思うと当たり前なのですが…)
例えば、ソリューションフィットが確認でき深化が必要なフェーズでは、

①設計から入る。10倍のユーザーになったとしても耐えられる構造になっているか関係者とよく確認する
(↔︎とにかくやる)
②運用やオペレーションを踏まえてガバナンスを意識した上で開発する
(↔︎スケールは考えない)
③見つかったソリューションをさらに磨き上げる。至高を目指す
(↔︎テーマがイケてないなら、次を探す)

など全く逆の思考をする必要があると気づきました。
そして、これはプロダクトテーマだけで生じているものではなく、ある程度普遍的に起きているピットフォールであるという課題感から、組織的に解決していくべくプロジェクトチームが立ち上がりました。

フェーズと役割に応じた最適マッピング

人的資本最大活用における試行錯誤

こうした背景からまず、フェーズによって求められることが違うことを言語化しようという取り組みから始まりました。
そこで、フェーズを以下の3段階にわけて、それぞれに必要なケイパビリティを明確化していきました。

  • 0-5フェーズ:発明フェーズ

    • 制約を開放して非連続な成長をもたらす

  • 5-10フェーズ:標準化フェーズ

    • 属人性を排除しオペレーショナルエクセレンスに導く

  • 10-100:スケールフェーズ

    • 組織を牽引・拡張しUbieを別次元に導く

そのケイパビリティを明瞭化すればするほど、もう一つ重要な観点が抜け落ちていそうなことに気づきました。
それは、業務を圧倒的なレベルで遂行する能力(Execution)と、アウトカムを最大にするため調和させる能力(Orchestration)です。

これを先ほどの0-1プロダクト検証の例でお伝えすると、
(チームは数名のエンジニアとデザイナー私の5名程度の小規模なチーム)
この0-1探索において特に重要なのは、

①既知の常識では考えもつかないような有効な手段を具体化し実現できること
②一般常識や現状を与件とした場合においては実現可能性に疑義があるような場合でも、信念を持って大きな全社成長をもたらす構想が自ら打ち立てられること

のように構想する能力とそれを実現する能力の両要素が必要と考えました。
(どちらかが欠けると途端にアウトカムが出ないのは想像できるかと思います。)
先ほどのExecution、Orchestrationでいうとそれぞれ、
Execution:①既知の常識では考えもつかないような有効な手段を具体化し実現できること(エンジニア、デザイナー)
Orchestration:②一般常識や現状を与件とした場合においては実現可能性に疑義があるような場合でも、信念を持って大きな全社成長をもたらす構想が自ら打ち立てられること(PO)
のようにうまく役割分担できているチームが卓越した結果を残していると分かったのです。
そこで、メンバーのタイプを二つの役割 (Execution、Orchestration)と3つのフェーズ(0-5フェーズ:発明フェーズ、5-10フェーズ:標準化フェーズ、10-100:スケールフェーズ)で分類し、組織運営の羅針盤とすることにしました。

扱うテーマのフェーズと個人の役割によってマッピングする"U-map" (再掲)

例:具体的な『分類1』の紹介

例えば、上記の図の『分類1』 (0-5フェーズ × Orchestration)についてご紹介できればと思います。
フェーズごとに必要な能力と役割ごと(Execution、Orchestration)に必要な能力を定義しており、『分類1』では以下の能力が必要です。
"制約開放能力"(フェーズごと) × "戦略策定・操舵力" (役割ごと) 
そして、自分の位置が認識しやすいように、それぞれの能力を更に分解して基準を設けています。
例えば、"戦略策定・操舵力"の一つに"ROI 最大化のための戦略策定能力"があります。
これは以下のように定義されています。

ROI 最大化のための戦略策定能力

これを用いて、自分の立ち位置を客観的に把握し、あるべき姿への羅針盤として活用しています。

チームアップや採用・個人の学習が圧倒的に進むように

作成した当初、概念としてはやや複雑である"U-map"が組織に浸透して意味のある形で運用に根付くのかはチャレンジがあると想定していました。
しかし、「使ってみたい」という声が想像以上に多く、今ではチームアップや採用・個人の学習など実際の運用に紐づく形で活用されています。
例えば以下のような形で会話されることも多く、先ほどの課題感を少なからず解消していると感じます。

(チームアップ)
"テーマが0-5の発明フェーズであるにも関わらず、5-10の標準化に強いメンバーが多かったため検証が進んでないかも。0-5発明フェーズに強いメンバーを入れることで検証速度を加速したい"

(チームアップ)
"0-5の発明フェーズのプロダクトが5-10の標準化に近づいてそう。そろそろ5-10の標準化メンバーと伴奏することでスムーズにスケール化していきたい"

(個人の学習)
"自分の強みは現状は0-5フェーズ×Orchestrationであるが、今後はもう少し後のフェーズのことも扱えるようになりたい。学習とチャレンジできるようにアサインを変えたい"

(採用)
"プロダクトポートフォリオを考えると0-5フェーズの発明を増やしていきたい。ここに強みを持った人を採用していきたい。"

上記を運用にするにあたって重要なことは、
・自分が現状どこに強みを持っており、役割期待として何が求められているか
・フェーズが変わると求められることも変わる。それに自分の進化を合わせていく
など外部の状況と自分のU-mapの状況を認識し、各自が自律的に変化・進化していける風土を醸成することです。
まだまだブラッシュアップする余地はあると思いますが、今後も組織ケイパビリティを最大化するために活用できればと思っています。

最後に:新規事業も既存事業も人の得意なことを組み合わせることで、両立できる

冒頭で申し上げた「初期フェーズに在籍した人は合わなくなっていく、また組織が大きくなっていくとイノベーションが起きづらくなる」について解釈すると、「フェーズが変わると探索フェーズがゼロになって全てが深化すべきフェーズになっていく」と、やや強調されている表現だと思っています。
ただ、実際は、探索にあるものと深化させるべきものは両立すべきで、それによって、
・深化によって効率性を得る
・探索によって新しいタネを得る
の両どりができると考えています。
Ubieの組織もフェーズ自体は大きく変わり、効率性も求められますが、探索との両立を図り、進化し続けられる組織にしていきたいです。

「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く

そして、医療にはまだまだ解決すべき課題があるので探索→深化の成長がなくなることはありません!
我々と一緒に探索から深化まで一緒に医療インフラを作っていきましょう!
ちなみには、プロダクト開発に従事してますが、組織開発も最高に楽しくて、今回のブログを書くに至ってます!
ご興味ある方はプロダクトでも組織でもなんでも話しましょう!

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