一万円入りました

お店で1万円札で支払いをすると、
「1万円入りました!!」
と絶叫するところがしばしばある。

なぜあんなにも大声で言うのだろうかと前々から気になっていたのだが、
この度、判明した。

例えばの話だが、
学生の時に視力検査をして、
視力が低いと妙に劣等感を抱いたことはないだろうか。
あれはおかしな話で、
現代社会で視力が少々悪くても問題になることはない。
メガネやコンタクトレンズは進歩しているし、
ましてや生活していて遠くのものを見る機会なんてそうない。
それではなぜ視力の悪いことに劣等感を感じるかというと、
これは兵卒採用の名残りなのである。
徴兵されていた時代は、遠くの敵の動きをしっかり見る必要があり、
視力の高い人は優、低い人は劣、という評価だった。
この名残りのようなものがあり、
現代社会でも視力の低いことは劣っていることのような認識がある。

さぁ話戻って、「1万円入りました!!」だが、
あれも昔の名残りなのである。
何の名残りなのかと問うたれば、
「敵将!討ち取ったり!!」
の名残りなのである。

戦国時代、敵将の首を取るということは出世にかかわる。
俺が取ったのだ!と周りのやつらにアピールしなければならない。
またその雄たけびは、士気にも大きく影響を与え、
大将格を討ち取られた軍はボロボロになり敗走すること間違いなし。
討ち取った側は勢いに乗り、勝ち戦になること間違いなし。

つまり「1万円入りました!!」は
他のバイトの士気を上げること(「今日の俺らの労働は勝ち戦だぜ!」)と
「その1万円取ったのは、他じゃない俺なんだぜ!」というアピールすること
を意味していたのだ。

そう理解した上で、またお店に行った時は注意深く聞いてみてほしい。
絶叫する奴は必要以上に自慢げに言うているし、
他のバイトは鼓舞されたかの如く、嬉しそうに「1万円入ります!」と
復唱しているであろうから。

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