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はつハルらくご

関西では、お正月、サンケイホールの一門会、京都文芸、近江八幡と、年明け恒例の会のチラシができてくるのを目にすると、

ああ、また新年を迎えられるんやな、

ああ、その前に島之内寄席を6日間、

ぼちぼち新作落語(干支シリーズ)作らな、という思うてる今です。

落語家になって、早28年、せやから来年は3回目の卯年を迎えますな。


思い起こすと、
全国の方に落語を聞いてもらえるきっかけとなった「ちりとてちん」ーー、僕にとって間違いなく転機でした。あの頃、ブームに乗っかりいただける仕事を全国各地、分不相応とも思いながら、毎日をひとつひとつ精一杯過ごしておりました。


そこからも15年ほど経ち、変わらず精一杯過ごしておりますが、そんな頃をふと思い出すこの頃でもあります。

年が明けたら、僕も52歳を迎えます。

このタイミングで、東京でも“恒例の”会として、年明けに落語会をと思いました。

「落語家の正月は、12月13日。事始め(ことはじめ)というてな、琴の弦の数が十三本やろ、せやから、ことはじめは十三日。

ほんまの正月は、芸人は仕事。お客さんらが正月気分を味わうんや」

と12月13日、大師匠・桂米朝の家で、酔っ払った先輩たちから、何べんも聞いた。

しかし年明け、元日も米朝師匠のとこへ「あけましておめでとうございます」と新年の挨拶に集まる。


結局、米朝宅で、またどんちゃん騒ぎw


「落語家の正月、こないだやったとこやんか…」ツッコミ入れたくなるでしょうが、とにかく集まって飲みたい仲良し一門ってことで。

二十年前の私の正月は、こんなんでした。

近年の事始めは大勢集まることがなくなりましたが、元日から寄席やホールでお仕事させていただく機会が増えました。

高座でしゃべりながら「お客さんもお正月を楽しんではるなあ」と感じます。
大晦日とは一日しか違わないのに、特別幸せそうな空気が漂う。

東京でもお正月にこんな空気の漂ってる時期に会を開きたいと、覚えてもらいやすく「はつハルらくご」と名づけた。

今まで東京は、春に国立演芸場での独演会、夏にお江戸日本橋亭でのひとり会、昨年から始めた渋谷での三人会、冬には年末や正月に会を開催しておりました。
来年からは初春の深川で、恒例となる会ができる、ワクワクしますわ。
年によっては会場は変わるかもしれませんが、できるだけ続けていきたいです。

お笑いとお正月って相性いいでしょう?特に落語は。

自分ではたとえ着られへんでも、和服・着物を目にするだけで和の気分になるでしょう。
そこに、恩田えりさんの三味線、そして太鼓や笛も鳴ってて。


開口一番、トップバッターが春風亭いっ休さん。正月のスタートが「いっきゅうさーん」ですよ!そして私が二席。


2023年、いい一年のスタートとなるような噺を準備しております。

ゲストは寒空はだか先生、

大好きなんですよ、はだかさん。本音は、客席まわって聞いてたい…。

そして、他にもゲストが。ただ、今はまだ内緒です。


年賀状の当たりくじみたいなもんです。初詣のおみくじか。お越しにならないとわかりませんってヤツで…。

関西らしくもりもりてんこ盛りな会、新作もやりますし、当日どんな感じになるのか、ワクワクしてきました。

今度が第一回目!

見にきて応援よろしくお願いします。

1月8日、どうぞお楽しみに。


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