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マイ・フェア・レディおチョロ

チョロははじめの頃、体がとても黄ばんで汚れていて、臭いもかなりあった。
とくに臭いは名古屋のシェルターから引き取って1〜2ヶ月くらいは消えなかった。

目ヤニや耳クソもかなりあり、大切に保護されていたとはいえ沢山の猫たちを限られた予算でかつ少人数のスタッフで世話しなければならないシェルターでは、どうしても完璧な衛生環境の維持は難しいんだろうと思う。
下半身不随だから汚れた床を擦って歩くことになるし、そうなると細菌にも感染しやすい。

そして排泄の介助が必要なチョロは、おそらく時々、スタッフさんが忙しくて手が回らないとき影でオシッコを漏らしていたんだろう。
だからチョロのお尻は当初どこまでが毛並みの柄か分からないほど茶色く黄ばんでた。
どれだけシャンプーしても全然落ちない汚れ。

チョロが通りかかると強い尿の臭いがいつもして、それは部屋中にすぐ広がった。
三太はチョロのお尻が気になって仕方ない様子だった。

チョロ本人はそんな自覚はまったくない様子で、新しい家を好奇心いっぱいに走り回っていた。それが少し切なくて、可愛かった。

長期でついてしまった黄ばみと臭いは、時間をかけてゆっくり落としていくしかない。

床が臭っても、クッションやソファが汚れても、何度も何度も掃除して洗濯して、綺麗な環境を維持して、汚れてるからといって柵に入れたりせずにチョロに不自由はさせないように過ごそうとオカンと話して決めた。

そして現在、チョロはふわふわの真っ白いお尻になった。もうあの臭いはない。

目ヤニはまだ少しでるが、耳クソはだいぶ改善した。

なにより、チョロからほのかに甘い香水のような匂いがするようになった。
きっと、ホントはすごくいい香りのニャンコなんだろう。ホントにとてもいい香りで、私は毎日吸っている。

相変わらずヤンチャで暴君で戦闘民族だけど、見た目はちゃくちゃくと愛らしくなっているチョロ。

マイ・フェア・レディとなる日は来るだろうか。


今回はここまで。ではまた。

いただきましたサポートは保護猫ちゃんの支援に全額寄付させていただきます。幸せになる命が少しでも増えますように。