Jリーグレビュー 広島(A)

2020年シーズン開幕節、広島vs鹿島

鹿島はこのオフに大量補強を行い、新チームとして始動したばかり。
今季公式戦は既にACLプレーオフ、ルヴァンカップと無得点で連敗し、リーグ開幕戦といえども3試合目となる。そろそろ結果が求められる時期である。

フォーメーションは伝統的な4-4-2
GKスンテ 左SB永戸、CB町田、関川右SB広瀬、ボランチ三竿、レオシルバ、左に和泉、右にファンアラーノ、2トップに土井、エベラルド

キックオフから暫くはアウェーの鹿島ペース、圧倒的ともいえる内容だった。特にファンアラーノが想定以上にハマっている。運動量あるし、ボール捌くし、昨年までそこにいたセルジーニョを上回る存在感を示す。

今季から取り組む両SBが高い位置をとり、ボールポゼッション時はボランチがCBの間に落ちる、いわゆる今流行りのスタイルも見てすぐわかった。このスタイルはリバプールも採用している。特に永戸はかなり高い位置にいた。去年のJ1アシスト王、このスタイルがハマれば、それこそアレクサンダーアーノルドやロバートソン並みにアシストを量産するSBになれるだろう。

が、キャプテン三竿の不用意なロストからまさかの失点。
システムやチームワークの醸成とか抜きに、単純にミスだと思う。もちろん、圧倒されながらも辛抱強く耐え、集中力切らさずに虎視眈々とチャンスを狙っていた広島の強かさは確かだけども。

ここから明らかに歯車が狂い始める。

鹿島の新スタイルに慣れた広島、好発進なのに先制点を奪われ動揺する鹿島という構図が明確になる。

拍車をかけるようにわずか数分後に、今度はその新スタイルを攻略される形で2失点目。高い位置をとった永戸の裏を狙われ、CBが引っ張られ、ボランチも間に合わずペナルティエリア内で数的不利に。
3失点目も名古のロストからで、これも両SBが戻って来れずショートカウンターを食らった形。

問題は明確で新スタイルが醸成されていないこと。
両SBが上がったときにリスクヘッジ、つまりボランチとCBのケア範囲と役割がまだまだなんだと思う。
リバプールはこれが完璧。そもそもCBの能力が高いというのもあるけども、ヘンダーソンとファビーニョの守備力と運動量があってこそ。あとアリソンの守備範囲も貢献している。
レオシルバと三竿にそれができるかがカギ。

ファンアラーノは本当にアタリブラジル人かもしれない。セルジ、レアンドロより圧倒的に運動量が多いし球離れも早い。流れに溶け込んでいる感があある。一方、ややスタイルが被る土居が消えかかっているように見えた。ゲームメイクはファンアラーノに任せ、今期の土井はシャドーとしてゴールを取る役割を強めるべきかと思う。

ルーキー荒木は短い時間ながら存在感があった。1点とればだいぶハマるんじゃないかな、交代切り札として使えそうな印象。本山みたいになれそうな予感がする。
上田はやっぱり柳沢化しつつある。

コロナ中断は鹿島にとっては良い期間になったであろう。
ハマれば強いと思う。リーグ再開が楽しみ。

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