見出し画像

これ観ました! 芝居見物レポート 七月@歌舞伎座 昼の部

菊宴月白浪 忠臣蔵後日譚

歌舞伎座新開場十周年 七月大歌舞伎
三代猿之助四十八撰の内

通し狂言 😊スペクタクル・四世南北作・パロディ・ホラー・32年ぶり再演
観劇日 2023年7月15日

サプライズ付きの大凧の往復宙乗り、大屋根の上の立ち回り、舞台上方を漂う「ふわふわ」、花火に紙吹雪、呪術にあやかしと、スペクタクルな要素を詰め込みながらも、テンポよく物語が進む通し狂言。

四世鶴屋南北が文政4(1821)年に初演しその後長らく上演されませんでしたが、昭和59(1984)年に猿翁(当時猿之助)が復活上演。2度の再演後、今回は実に32年ぶりに、さらに磨きをかけての再演です。

『仮名手本忠臣蔵』の後日譚として、四世南北らしい錯綜した人間関係にホラー要素も含みながらお家騒動が繰り広げられます。歌舞伎好きの人には、パロディ探しも一興。『仮名手本忠臣蔵』のさまざまな人気場面をあえて違う役に演じさせています。この人にここでこれを言わせてしまった場合落ちはどうするのかと思っていたら、後できっちり回収していたり。もちろん、パロディがわからなくても楽しめます。そこが優れている点。

今回初宙乗りをこなした中車は全編通して大奮闘。若手の歌之助が、誠実な人柄から一転し悪の道に堕ちていく役を熱演。壱太郎が彩りを添えつつ、笑也、青虎、TBS系日曜劇場『VIVANT』に出演中の猿弥と出演予定の笑三郎など澤瀉屋一門がガッチリと脇を固め、飽きさせないエンターテインメントに仕上がっています。(2023年7月16日)

※澤瀉屋」の「瀉」のつくりは、正しくは“わかんむり”です。

(参考文献:公演筋書)
😊=推しポイント

©Katsuma Kineya

トップページに戻る


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?