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音楽教室で音楽理論を勉強するんだったら何をやりたいかを見極めて。

「音楽理論を勉強したい」と言われても「よーし、やろう!」とはすぐに言えないです。
理由は習得に時間がかかるから。

特に音楽教室だと週に1回あるかないかで、その中で理解まで行くとなるとなかなか厳しい。
音大や音楽の専門学校でさえ週に複数回授業があり、それで2年以上勉強するカリキュラムになっていて、それでさらに他の楽器の授業やなんやかんやで実践して音楽理論を使っているんだから分かっていくと思ってます。

音楽理論を自ら勉強していくんならいいんですが、やっぱ進まないんですよ。大きい音で楽器演奏できる部屋があるのに、演奏できない&分からないから「やーめた」ってなりがちなんです。

じゃ、どういうやり方がいいかって事です。

まずは知りたいことが何かを知っておこう

自分の目的に合わせたやつを選んで、そこから初めて行くのが1番いいと思ってます。下記の中から知りたいのはどれ?

①音楽理論の基礎からやりたい「王道型
②アドリブを含めて伴奏に合わせて演奏できる「メロディー型
③作曲やハーモニーなどコードの流れを勉強する「コード型
④楽器で演奏する「実践型

あれもこれも全部知りたいってのは素晴らしいことなんですが、前述の通り時間をかけないと無理です。じゃ、何をやればいいのって事で、4つのパターンに分けてみます。

1:王道型

音楽の演奏については完全無視。音楽用語に必要なインターバルを中心に、メジャースケールや3種類のマイナースケール、コード(和音)の構成などなど、音楽用語に関係することを知りたいタイプです。

やはり音楽用語が分からないと色々と分からないので、それぞれがどういう意味になっているか知ることです。

考えることがメインなので、メリットは音楽の基礎が分かるようになることですが、デメリットは自分の演奏に活かすことが出来ないことです。あとはやたらと理解するまで時間がかかることです。

時間がかかるので、自習できる人に向いている方法です。

2:メロディー型

既存のコード進行を分析してそれに合うメロディーを作れるようにすることです。アドリブをやってみたいとかはこのタイプですね。

既存曲のコード進行に合うスケールを理解し、演奏出来ることが目的です。「ここからここまではこのスケールを使って演奏するから、こういうメロディーの形がいいよね」とか。

メリットはアドリブ出来るようになることや、メロディーを作る方法を知ることが出来ることです。デメリットは曲のアナライズ(分析)を自分で出来るようになるまで時間がかかることです。

とりあえず難しいことは人に聞いて、「これやっとけば大丈夫」でどんどん進める人に向いています。

3:コード型

コードそのものを勉強するのは「王道型」で、コードを組み合わせってのが「コード型」です。

当たり前なんですけど、コードって1つだけじゃ曲にならないです。トニックとサブドミナントとドミナントやらの組み合わせで曲が出来ていくんで。そこにテンションなんか足したりしてオシャレサウンドが出来たりするわけです。

II-Vとか曲のハーモニーの流れを理解するアナライズ(分析)とかが重要になります。このコード進行のアナライズをすることがコード型の目的になります。

メリットはコード進行を覚えやすくなることや、作曲能力が身につくことなどです。デメリットは難しい事かな。

自分でメロディーを作れるから、もっと面白くなる方法を教えてくれっていう人に向いています。

4:実践型

これは楽器を使ってやることですね。ピアノやギターなどスケールのポジションなどを覚えて、実際に曲に合わせて演奏してみることです。

他のタイプは演奏しない座学を考えているので、実際に演奏しながらやるのは音楽教室なら一般的ですね。

ただ、音楽理論の話が目的なんで、複雑な演奏技術の話にならないようにしなきゃいけないですが。

とりあえず楽器演奏技術は大丈夫なので、演奏技術と理論が結びつく方法が知りたい人に向いている方法です。

同時にやる「ハイブリッド型」は避けたい

上記の中から何が目標なのかを明確にするって重要なんですよ。あれもこれも知りたいって結局中途半端で終わるんですよ。

だから「メロディーとコードを両方知りたい」っていうハイブリッドな感じは止めたほうがいいと思ってます。教えていても時間が足りないんですよ。

どんなコードでもインターバルでも数秒で導き出せるんだったらハイブリッド型でもいいんですけどね。でもそれってなかなか厳しいです。

やりたいことがメロディー型なのにコード型を知りたくなる気持ちは分かります。それ知らなきゃ出来ないような気がするから。

でも、そこは敢えて「どっちか捨ててくれ」って思ってます。やりたいこと・知りたいことに特化してくれって思います。

「そういうもん」ってのが必要

音楽理論ってAをやりたいけど、その為にはBの知識が必要で、Bを身につけるにはCの知識が必要で、Cを身につけるにはAが必要という感じになっちゃいます。で、結局分からなくなっちゃうから。

やっぱ音楽理論って後付けの理屈だからこうなっちゃうんですよね。

疑問が湧いたら質問すればいいんですけど、「そういうもんです」っていう回答も受け入れてくれるといいんですよね。

代表的な質問は「#と♭ってなんであるんですか?」とか。

答えてもいいんですけど、すぐ時間が過ぎるよ?理論を勉強していくとだんだん分かるから。むしろ2つあった方が超わかりやすいから。

そのパズルみたいなのがハマる感覚も音楽理論を勉強する醍醐味みたいなもんです。

タイプが分かればこうする

王道型ならじっくり腰を据えてやるよ。アドリブやコード進行についてやるんじゃなくて、まずはインターバルとコードトーンの徹底的理解から。

本当にたくさん簡単な計算問題をやる感覚が一番近い。すげー大事だけど、すげー大変。本当に近道はなく、地道なやり方。ちなみに、ミュージシャンはこういうのをたくさんやってるから本当にすぐ分かるようになってます。

メロディー型ならスケールを教わったらどんどん演奏したり、アドリブしたり、メロディーを作ること。失敗を恐れないこと。

コードトーンとか、使ってはいけない音とか考えるんじゃなくて、「ここからここまでこのスケールでいい!」って感覚でどんどん演奏できればいい。フレーズをどんどん演奏すればいい。

コード型なら演奏はおいといて、たくさんの曲を分析し、どういう成り立ちになっているかを考える。

これも1~2曲じゃ無理。10曲以上やればある程度法則は見える。20~30曲も分析すればだいたい分かるようになる。ひたすら分析あるのみ。

実践型はリズムに気をつけて理論を落とし込めるかどうか。理論を勉強すると音のことばかり考えてリズムが疎かになりがちなんですよ。「演奏中にロストする」ってやつです。

勉強したことも音楽にノレていなかったら意味がないんですよ。ちゃんとリズムと音の関係を理解すること。

切り替えはいつ?

やっぱタイプって切り替えたくなるんですよ。「今日はメロディー型、次はコード型」って感じに。

本当は避けたいんだけど、音楽教室なら仕方ないかなとも思うやつです。

だからオススメは「それぞれ3曲以上やってから変える」です。メロディー型を3曲やって、同じくコード型を3曲やってから変えるって感じに。もちろん曲数は多いほうがいいんですが。

1曲で変えるのは中途半端です。複数曲やってから変えるほうがいいんじゃないかなと思います。

そして「出来るようになるまでやってから変える」もダメです。出来るようになるまでやるって終わりがないです。理解するまでやるんじゃなくて、たくさん種類をやる方が大事です。

だから音楽理論を勉強したいはちゃんと相談して

音楽理論は終わりない勉強になるので、自分の目的を理解して進んでいったほうがいいです。

「メロディーやりたいのでコードは今は捨ててます。ここは何スケールで演奏すればいいですか?」くらいの方が結果的に早いんじゃないかと思ってます。後でコード型でもう一度やればいいので。

音楽理論も直ぐに結果は出ません。ある程度熟練するまでやり続ける事が大事なんです。するとパズルがカチッとはまる瞬間が来るから。


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