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「歌うように演奏する」を誤解してないか?

自分は曲を演奏する時に「歌うように」というのはよく言う。ただ単純に楽器を吹くのではなく、ちゃんと歌うように。

楽譜上では全く同じもの。でも、ただ吹いているのと歌うように吹くのでは全く違う。

曲を演奏していても平坦になってしまう」ってのは最も代表的な例ではあるんだけど、他にも「チューナーを見てピッチがずれないように」ってのもあるし、「4分音符の後に4分休符だから楽譜通りに吹きました」とか。

はい、全てどうでもいいです。こういう事を言ってる場合は典型的に歌うように演奏出来ていないです。楽譜を演奏しているだけです。間違えないように演奏しているだけです。

いや、たしかに間違えないってのも大事だし、楽譜通りに演奏するって大事ですよ。それでいいのならばそれでいいです。でも、そこからもう1段階上のレベルに行きたいじゃないですか。聞かせる演奏にしたいじゃないですか。カッコよく演奏したいじゃないですか。

だからそこで歌うように演奏するってのが大事です。

「歌うように」って何なの?

「歌うように演奏する」って大事なんですけど、これを言うと極端にベンド(ピッチの上げ下げ・しゃくり)が入り、気持ち悪いやりすぎ演奏になっちゃう事が多いです。

確かに平坦な演奏ではなくなる。けど、それって変なんですよ。「セクシー」と「スケベ」みたいに似て異なるものが出来上がってるんですよ。

つまり歌い方にも種類があるってことです。

ポップスの曲をやってるんだったらオペラ歌手のように歌っちゃダメなんですよ。その曲に合わせた歌い方ってのがあるんだから。

アップテンポの軽い曲なら鼻歌まじりにフンフ〜ン♪って感じのほうが大事だし、バラードで歌い上げるようならそう歌えばいい。

ボサノバなら淡々と歌うようにするし、ジャズなら途切れないスイング感で歌うようにする。ファンクなら歯切れよく歌うし。

歌うようにってのは「どのように」ってのも非常に重要なキーワードになります。

平坦だから歌うように吹くのじゃなく、ちゃんと曲調に合わせた歌い方が出来ていれば平坦でもいいんですよ。

歌うように演奏ってドラマチックに演奏しろって意味じゃないですから。

歌うように演奏してないなーと思う時

自分が歌うように演奏していないなと思う時の代表的なものとしては見た目「楽譜ガン見」とかもありますが、聞いているだけでも十分に分かります。

最も分かりやすいのが音の終わり方。音の終わり方は超重要。むしろ歌ってないとできない所。

どのくらい伸ばした?
ピッチはまっすぐ?落とす?上げる?
息は吐いて終わった?止めて終わった?

これらはすごく聞いています。メロディーフレーズとして認識されていると本当にスムーズに演奏出来ます。逆に言うと歌っている人にしか出来ない技。ただ単純に楽器を演奏する技術だけじゃ出来ないんですよ。

音を切るときもフワッと切って歌うメロディーなのにプツッと切ってみたりとか言語道断。フレーズの繋がりがちゃんとイメージ出来ているとピッチも真っ直ぐだけが正解じゃないと分かる。

ちゃんと音楽を聞いていること。好きな曲を演奏するのであれば、しっかりと原曲をイメージ出来ること。管楽器で演奏してもちゃんとボーカルの歌詞までイメージしている人は本当にフレーズの切り方とかちゃんと聞こえるから。

その後に自分の歌い方が出来ると思っています。

まずは読譜・運指

歌うように演奏するって大事なんですが、最初から追い求めたらダメですよ。ちゃんと技術が必要ですから。

「指(音)なんだっけ?」とか考えてると歌うように演奏なんて出来ません。安定して演奏できるようになってこそ考えれる様になる事だと思います。

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