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CDの輪郭

こんなご時世なのに去年あたりからCDを買うことが少しずつ増えてきた。手元に届いたとき目に飛び込むパッケージのデザイン、手にとってわかる物質感、そして手に入れて終わりじゃない、むしろこれから始まるんだっていうワクワク感が格別だ。パソコンに曲をインポートしてる時間なんかは、じいちゃんにおもちゃ屋で64のソフト買ってもらって帰るときの車のなかみたい。狂おしいほどに胸膨らむ。早くマリオやりたい、マリオ動かしたい、はやくはやく、家につけ。いつの間にか、こんな待ち遠しい気持ちって滅多に出会わなくなっていた。時と場合によって、待つことはストレスを生み出すだけじゃあないんだ。

あとはCDのくっきりした輪郭も、大好きだ。ぼくだけかもしれないけど、モノとしても、音楽の集まりとしてもパッケージングされて輪郭があるってすごく心が満たされる。区切られて、作り上げられた、ここにあるものだけ。その感覚っていいなあと思う。近頃、輪郭がみえないことばかりだ。

もちろん全ての音楽をCDを買って聞いてるわけじゃないし、時代に逆らうつもりもない、むしろアップル・ミュージックとかバリバリ使っちゃってるんだけど、コツコツ欲しいCDは買っていけたらと思う。

先週はbloodthirsty butchersの「kocorono」を買って、今週ずっと聞いている。明後日にはclimb the mindの新譜が届く。今度の音楽にはどんな心象風景を作られてしまうのだろう。待ち遠しい。



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