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ばくぜんの罠

「なんちゅうか、働いてないと罪悪感にさいなまれるし、お金稼げないし、生活に意義が見えなくなるし、頑張ること見つけられないし、意外にもつらい。けど、働き出したら働き出したで『なーに甘いことぬかしてたねん、昔の俺』ってくらい大変でつらいと思うし、人生ってサボってても、しっかりやっても『つらい』を基本ステータスに置くしかない気がする。はあ嫌だ。でも本当のところ、そんな屁理屈どうでもよくて、しっかりやりたい、ってだけだ。しっかりできない今が嫌だ。しっかりしたいよう!……しっかりってなんだ?」

6ヶ月間ニート生活も後半に入った。調子が出ない現状の悩みを一気呵成に書き連ねたら、こんな情けないのが出てきてしまい、困惑する。とりあえず僕はしっかりしたいようだ。なんか、こう、日々に握りごたえがある感じがイメージする「しっかり」なんだけど、どうしたら実現できるものか。にっちもさっちもいかない。

しかし國分功一郎さんの『哲学の先生と人生の話をしよう』をここ数日、読み返していたら、金言、いや金思考に出くわしまくりで、ようやく一歩前に進めそうな気がしている。恋愛を主とした人間関係の悩みから仕事、勉強の悩みまで、國分さんが尋常じゃないほど精緻で深い相談文のテキスト読み取りを行い、その上で哲学を通して編み出された回答はどれも人生論の域、というすごい本です。しかもお悩み相談の形だからか、濃厚な内容なのにすごくわかりやすい!

もう僕は、自意識のお悩みへの、グサッとぶっ刺すようなお答えや、「自分に嘘をつくとはどんな状態か」というお悩みに対する示唆深いお答えなど、國分さんの文章にめろめろなわけですが、とりあえず一番、今の自分に役立った部分を引用します。

どんな悩み(問題)も一般的・抽象的である限りは解決しないのです。いかなる問題も個々の具体的状況の中にあります。そして個々の具体的状況を分析すると、必ず突破口が見えてくるのです。

まとめると「なんとなく今の仕事に不満がある」というお悩みに対して、國分さんが最初に書かれているのが、この一般性の罠。まさに僕も漠然と悩んで、この罠に最近かかっていたので、自分の問題を見直すことができました。(詳細ははぶくが、主に「働く」ことと「人間関係」に関する悩みだとわかった)

また仕事に対するモチベーションについては

僕の経験では、人間の気持ちとか意気込みというのは、情報が入って理解が深まると変わります。「気持ち」「意気込み」などと言うと、心の底からわき出てくるもののように思われてしまいますが、人間の心には、ただ単にこれまで収集した情報が入っているだけです。別に無限の泉でも何でもないんです。

と書かれています。國分さんの経験論とはいえ、この考え方もすごく面白いし、僕個人としても共感できるな〜と思った。知れば知るほど、ものごとって楽しくなる。

またこのお悩み相談の最後に書かれた國分さんの仕事観が以下。

(仕事とは)生きるためのお金を稼ぐ行為ですね。生きるためのお金を稼ぐ行為がとても大変で、いつもおもしろい訳じゃないのはあたりまえじゃないですかね。(中略)でも、やっぱり面白くする方法はあって、調べて情報を仕入れて理解することです。そうじゃないと一般的で抽象的な「理想」に振り回される人生になるでしょう。

まぁ働き始めないと何もわからないのだけれど、就職をする企業の業界や、仕事のkindle本を数冊買ってみた。内定の一年後に業界研究をするという訳のわからない状況だが、とりあえず読んでみる。

ですます調が混ざってしまった。

せっかく旅行してるのに、寝床で音楽聞いて本読んでる時間がもしかしたら一番幸せだ……。

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