秋の風



街の中を吹く風に

金木犀の香りを感じ始めると

空は高く澄み渡っている


心は独り

どことなく隙間を感じて

街の中を行けば

高く澄み渡った空に

涙が溢れる


長くなった夜に

月が満足そうに輝くと

鈴虫たちが音楽を奏でる


月明かりに照らされたきみの横顔に

目が、奪われる

可愛いね、なんて

ほんの簡単な一言は、

口に出すのが難しい


木々の葉っぱに

鮮やかな紅色がのると

流れる川は彩を増す


時はいつだって流れ続けている

絶え間ない川のように

もう戻ることもできずに





感じるのは、秋の訪れ




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