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カトー少年#1

自分の人生の出来事を思い出して再現した完全ノンフィクションストーリーとそれに対して“もしもこうだったら・・もしもこうしてたら・・こうなってただろうな” の完全妄想フィクションストーリー






《完全ノンフィクションストーリー》

【メロン】

ー28年前ー

「うるさいよー!!静かにしなさい!!」

二階の子供部屋ではしゃぐカトー少年の耳にはっきり聞こえた母ちゃんの声

静まることなくはしゃぎ続けるカトー少年

というのも

明日は日曜日、父ちゃんの気まぐれで家族みんなで健康ランドにいくことが決まったからだ

たまに行く健康ランドにはお風呂はもちろんゲームセンターや映画館、焼肉屋やスポーツジム。色々楽しめる施設が盛りだくさん。

毎回行った時は楽しい思い出しかなかった

そりゃ、はしゃぐでしょ。楽しみだもん

とはいえ、わざわざ二階の子供部屋に行って1人ではしゃぐわけはない

カトー少年には2歳離れた兄貴がいる

兄のことは“あんちゃん”と呼んでいる

あんちゃんとはいつも一緒。仲良し。

なおさらはしゃぐ

「あんちゃん!!俺バク転できるぜ!!」

「お!やってみろよ!!」

テンションの上がったカトー少年は暴れまわってグシャグシャになった布団の上に立つ

「早くやれよ!できるんだろ?」

「で、できるし!!ちょっと待って!」

本当は出来たことないバク転をテンションと柔らかい布団の安心感だけでやってしまった

「よっ!!!いてっ!!」

「大丈夫か!?」

失敗して少し変な体勢になったカトー少年にあんちゃんは少し焦って声をかけた

「・・・へへ、出来なかった」

「なんだよぉ!!」

「ハハハハハ!!」

「ハハハハハ!!」

2人は仲良し。怪我もなく笑い出したカトー少年を見てあんちゃんも一緒に笑った

その時

立ち上がろうとしたカトー少年の足に布団が絡まりカトー少年はフラついた

「あぶない!!」

あんちゃんの声と同時にカトー少年は

テレビの角に頭をぶつけた

「おい!大丈夫か!?」

あんちゃんはカトー少年を抱き寄せぶつけた頭を撫でてくれた

「いってぇぇ・・・ハハハハハ」

またも笑うカトー少年

それを見てあんちゃんも笑おうとした

でも笑えなかった

カトー少年がぶつけた頭からは血が流れていたからだ

「ち、血だ!!」

「え?血??」

あんちゃんの口から思わず出た言葉にカトー少年の顔は一気に青ざめ不安で涙が出てきた

「じょ、冗談だよ!!泣くなよ!!な?・・大丈夫だからさ・・・」

落ち着かせようと一生懸命に話しかけてくるあんちゃん

でもカトー少年は本格的に泣き始めた

あんちゃんの手はカトー少年の血で真っ赤

それを見てなんとか誤魔化そうとしていたあんちゃんの声も震え始め

言葉がなくなった

「どうしたの!?」

物音とカトー少年の泣き声を聞き母ちゃんと父ちゃんがドタバタと階段を駆け上がってきた

この時、カトー少年がテレビの角に頭をぶつけてからまだ数十秒しか経っていない

「何やってるの!?」

母ちゃんの大きな声にあんちゃんは一気に感情が溢れ出し、カトー少年よりも大きな声で泣き始めた

「ごめんなさぁぁい!!転んでテレビの角に・・・」

「お前がちゃんと見てねえからだろ!!」

あんちゃんは状況を説明し終わる前に父ちゃんにビンタされ怒られた

カトー少年はこの時あまりの緊張感で涙はとまり、顔を隠すようにあんちゃんの膝に顔を埋め黙り続けた

自分のせいで

あんちゃんが怒られてる

あんちゃんが悪いわけじゃないのに

・・・お兄ちゃんだから?

そしてカトー少年はすぐに病院に連れて行ってもらい何針か頭を縫うことになった

もちろん次の日の健康ランドはなくなり一日中メロンを包むアミアミみたいなのを被せられ家で過ごした

お父さんお母さんは別に怒っていないしいつも通り

というよりいつもより優しかった

あんちゃんに対しても

でもあんちゃんだけはずっと元気ない

どうしよう

『・・・・ふふ、お前メロンみたい』

あんちゃんが急にカトー少年を指差し笑いながらバカにしてきた

あんちゃんごめんなさい

カトー少年が

その言葉を言えずにいた

保育園年長さんの冬だった

(END)





・・・もしもバク転してなかったらどうなってたんだろう。






《妄想フィクションストーリー》

【メロン】

ー28年前ー

「うるさいよー!!静かにしなさい!!」

二階の子供部屋ではしゃぐカトー少年の耳にはっきり聞こえた母ちゃんの声

静まることなくはしゃぎ続けるカトー少年

というのも

明日は日曜日、父ちゃんの気まぐれで家族みんなで健康ランドにいくことが決まったからだ

たまに行く健康ランドにはお風呂はもちろんゲームセンターや映画館、焼肉屋やスポーツジム。色々楽しめる施設が盛りだくさん。

毎回行った時は楽しい思い出しかなかった

そりゃ、はしゃぐでしょ。楽しみだもん

とはいえ、わざわざ二階の子供部屋に行って1人ではしゃぐわけはない

カトー少年には2歳離れた兄貴がいる

兄のことは“あんちゃん”と呼んでいる

あんちゃんとはいつも一緒。仲良し。

なおさらはしゃぐ

「あんちゃん!!俺バク転できるぜ!!」

「お!やってみろよ!!」

テンションの上がったカトー少年は暴れまわってグシャグシャになった布団の上に立つ

「早くやれよ!できるんだろ?」

「いや、、でもやっぱり危ないからやめとくね」

「なんだよぉ!出来ねーなら最初から言うなよ!!」

急に冷静になったカトー少年を見てあんちゃんは少し不満そうな表情浮かべ黙り込んだ

「怪我したら危ないしね!歯磨きしよー!」

子供部屋を出たカトー少年は一階の洗面所に向かうため階段を降り始める

すると

子供部屋からあんちゃんの声

「嘘つき・・・」

カトー少年は立ち止まり、完全に確認出来なかったあんちゃんの声に耳をすます

「バク転できねーのに出来るとか言って!!結局やらねーってなんだよ!!嘘つきじゃねーか!!嘘つきは嫌いだ!!大嫌いだ!!!つまんねーんだよお前!!」

一言一句はっきりと聞き取れた

なんだか悔しくて悔しくて

カッとなった

「うるせーー!!」

カトー少年は子供部屋にいるあんちゃんのとこに駆け寄り蹴りをいれた

「いてーなー!!」

カトー少年に蹴られたあんちゃんはカトー少年の頭をはたいた

カトー少年は泣き出した

泣きながらあんちゃんに掴みかかった

バランスを崩したあんちゃんは

テレビの角に頭をぶつけた

カトー少年は唖然とした

頭を抑えるあんちゃん

「どうしたの!?」

騒がしい声と物音を聞いたお父さんとお母さんがドタバタと階段を駆け上がってきた

カトー少年の涙はすでに止まっていて呆然と立ち尽くす

「血出てるじゃん!?」

大声で発したお母さんのその一言にカトー少年の目にまた涙が溢れ出す

声も出さず指をくわえながら

何か誤魔化すような顔で

涙だけ溢れてる

「病院行くぞ」

冷静なお父さんがそう言って一階に降りた

その後、あんちゃんは病院で頭を何針か縫う事になった

もちろん次の日の健康ランドはなくなり一日中家で大人しくしていた

お父さんお母さんは怒っていない

いつも通り

あんちゃんも

いつも通り

むしろいつもより少し元気に思えた

あんちゃんごめん

なんだか・・・

ごめんなさい

その言葉をお父さんお母さんにも

あんちゃんにも

言えずにいた

保育園年長さんの冬だった

(END)








ん〜なんか嫌だなぁ。

バク転してた方でよかったかな。

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