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しゃべるのりもの

お久しぶりでごんす。

相変わらず、山奥で開拓したりしているんですが。書こうと思えば書くことはあるけど、どうしても伝えなければならないということもないな、と。アンビバレントですね。アンビバレントって単語はあるけど、アンは否定語だろうから、そもそものビバレントっていう状態があるのかとか、まぁ、そのぐらいの話って、どうしても伝えなければならないわけじゃないじゃないですか。そんな感じ。

最近、聞いた話で面白いなと思ったのは、「人間は微生物の乗り物」説。生命って、最初にどう誕生したかは知らんけど、まぁ、はじめは微生物じゃないですか。単細胞生物。で、それらが組み合わさった多細胞生物の最も原始的なものは、チューブワームみたいなやつ。海底の、なんか熱い水(お湯)が出てくる近くにいる、ピンクのホースみたいなやつ。腸だけの生き物です。

っていうか、動物なんて、腸にいろいろなものが付随したものですから。ドーナツとマグカップは同じ形、というトポロジー的にいえば、動物はすべてパイプですから。人間もドーナツもパイプも同じです。パイプに手足がついたり、手足をコントロールする頭がついたり、そのパイプが群れるために音声を発したりしているわけで。基本は、腸です。その最もシンプルなのが、チューブワーム。

で、その中に、腸内細菌のように、微生物が住んでいるわけです。多細胞生物のチューブワームだけど、単細胞生物の住処でもあるわけです。人間の腸内って安定的に39度だかそこらで、湿度も一定の環境で、外敵も来ない。ぬくぬくとしたVR空間みたいなものですよね、微生物にとっては。すると、そもそも多細胞生物は、微生物が自分たちの環境、究極的に安定した環境をつくるためにつくった乗り物である、という考え方もできる、って話。

まぁ、僕は微生物じゃなくて、乗り物側ですから、アイデンティティ的にはぐんにゃりするし、もろ手を挙げてそうだね!なんてのは言いづらいですけど。いわんとすることはわかるし、一理も、まぁ八十五理ぐらいはあると思う。人間が小麦を育てているのではなく、小麦に育てさせられている、小麦の奴隷である、という話と似ているなと思います。

ただ、乗り物がどう思おうと、実際、乗り物と言われても否定はできない。腸内細菌が変わると性格も変わる、だから精神治療で、安定した精神の人の腸内細菌を移植する、糞便移植なんていうのもあるわけで。そうなると、これも「人間(ってか動物)は微生物の乗り物説」を裏打ちするわけです。お客が変われば乗り物の挙動も変わる、ってことです。

そして、乗り物の側は、当然、そんなことを思えないわけです。人間がコンピューターの中にAIの人格的なものを作って、AIが何かを思おうとも、それは作り手の人間様には関係のないレベルの話であって。微生物がどう思って、この乗り物を作っていようと、それは乗り物には理解できない話なんでしょうね、レベルが違うから。

ちょっと、というか話を変えますけど。閑話休題。自給自足に興味のある知り合いから「どれが食べられる草なのか知りたい」って話を振られて。雑談がてら、マジレスしたんですが。僕は「食べられるのが、食べられる草」という、身も蓋もない答えをしたんですよ。

というのは、ヤギ理論でして。ヤギ理論というのは、何回か書いたと思いますけど。ヤギって、草ばっかり食べているのに筋肉もりもりなんですよ。圧倒的たんぱく質不足のヴィーガンなのに、筋肉質の健康体なんですね。なぜかというと、ヤギは草を食べているのではなく、草を食べて増えた微生物を腸内で吸収しているからです。なので、本当の草食動物は微生物で、ヤギは、微生物を体内で畜産して、それを食している肉食動物だといえるわけです。

先ほどの「微生物の乗り物」説でいえば、微生物は自らが分裂して、それをヤギ型の乗り物に捧げることで、住居(乗り物)を確保しているわけです。高い家賃のために働く都会の社畜みたいなものです。

で、人間は雑食動物ですから、ヤギほどではなくても、似たようなことをやっていると思うんですよ。たとえば、ワカメなどの海藻を消化吸収できるのは日本人だけ、という、まぁウソかホントか知らんけどの話はありますが。これも本当だとしたら、日本人に特有の、ワカメを分解する腸内細菌がある、ってことだと思います。だから、ワカメうどんが好物の日本人の糞便を移植したら、誰でもワカメを消化吸収できるようになるとは思っているんですけれども。

なので、先ほどの「何が食べられる草か」というのは、僕は、毒が無い限り、なんでもいいんですけど、草を食べていれば、その草を分解する微生物が腸内で繁殖すると思います。その草には、そもそも、分解する微生物はついているはずですから。で、それを繰り返していれば、その草を「食べられる」ようになる。つまり、特定の草を分解して増える微生物を吸収できるようになる。そうやって「食べられる草」ができると思っています。

パンダが笹を食うのと同じです。パンダも、あいつ、クマですからね。最近、ハンターが不足しているとかで話題のクマですからね。ちょっと模様が特殊なクマですよ。で、あいつ、どんな事情があったのか知らんけど、笹しかないようなところに追いやられて、しかたなく笹ばっかり食って、頑張って、笹を消化する腸内細菌を増やしてきたわけです。

ということで、ヤギとかパンダを見習えば、まぁ何を食っても、しばらく続ければ、それなりに何かを食って生きられるんじゃないのかな、とか思うわけです。微生物ってのはヤベェなと思うのは、もう、プラスチックを分解する微生物なんてのも出てきているわけで。プラスチックが出てきて数十年ですよ。ま、微生物にとっては何十万年スケールの話かもしれないから、そのあいだに技術発展(遺伝子操作)してプラスチックを分解しているんでしょうけど。

だからね、プラスチックの海洋汚染とかも、そりゃもちろん無いほうが良いけど、何百年も何千年もそのままとか、そりゃ無いだろうと思います。微生物が分解すると思います。だから捨てていいってわけじゃないんですけど。

で、そんな腸内細菌がいたら、この乗り物は、プラスチックで動くという、未来のデロリアンみたいなことにもなるわけです。なんだろうね、大人が子供に、好き嫌いせずに食べなさいとか言うのも、ひょっとしたら、なんでも分解できるほうがいいよってことかもしれないし、また、そういう腸内細菌からの指令を受けて、この乗り物の口唇がぺろぺろと動き、別の乗り物を動かしているのかもしれないな、なんて思うわけです。はい。またね。


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