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ジャニーズ問題に思う、いろいろな情けなさ

ジャニーズの性的虐待のニュース。これが大事(おおごと)になりそうなのは、ぶっちゃけ、海外に知られて、そうなるとジャニーズ系の俳優が出ている映画とかドラマが海外のプラットフォームでは配信できなくなる(抗議が来るから)、という状況であって、これが、ことが国内であれば、今までと同じように、みんな薄々、知っているけど、知らないふりをするというか、そういう状態が続いていたんでしょうね。

もちろん、そういう問題が無くなってクリーンになるのが良いに決まっていますが。一方で、外国からの圧力が無いと変わらない、そのことが、しょうもないなという思いも感じる。これ、どこまでみんなが意識的に思っているか分からないけど、文化的な侵略の一つでもあると思うんですよ。世界ではそうだから、この場合の「世界」とは欧米のことを指しますが、その価値観はどこまでも正しい、という前提がある。

性の問題というのは、個人的であり、そしてグラデーションであり、また、その性質上、秘匿されているものであり。だから、難しいものです。どこで線引きをするか。一つは、法律ですよね。というか、法律しか無いです。法治国家にならざるを得ないんですから。となると、今度は性的合意とか、夫婦間であれど合意がないといけないとか、そうなるわけですが。じゃあ、現実問題、初夜に書類を交わすのかという話になりかねないわけですよ。生物としての人間と、現代社会が想定する「自立した合法的な個人」との乖離がどんどん広がるわけです。

性的マイノリティの話も、これは、男女というカテゴライズがキツくなると、その反動で出てくるものだと思います。総じて、の話ですが。性的マイノリティが最も幅を利かせているアメリカは、裏を返せば、最もマニッシュであり、フェミニンである国でもあります。男といえばマッチョ、女といえばセクシー。その理想像が確固として存在する。そういうところほど、マイノリティの主張が出るでしょう。裏返しですよ。真面目な家庭ほど、グレた子供が出るようなやつです。

日本の性文化というのは、欧米との比較で言えば、かなりおおらかだったと思います。そもそも、風呂屋も江戸時代は混浴ですし。貞操とかいう概念も薄かった。男っぽい女とか、その逆とか、グラデーションを普通に受け入れていたと思うんですよ。ジャニーズが明るみになったような、小児男児性愛的な文化は、長年、ごく普通にあった。戦国武将とか、大体そうだし。もちろん、良くないことですよ。戦国時代に人殺しが当たり前でも、それは良くないことですからね。

ただ、もし日本の鎖国が続いていて、江戸時代の延長線上で日本文化が続いていたら、今も、そのような文化が続いていたことでしょう。繰り返すけど、僕は現代人だし、個人的に、そりゃ良くないと思いますけど、それは個人の感想でして、文化に良いも悪いもありません。そういう文化であっただろう、ということ。そしてジャニーズの問題の根っこには欧米の価値観があり、それに合わさなければならない、日本の国力の弱さがあること。そして、強いもの(ジャニーズ)に今まで何も言えなかった報道の情けなさもある、ということ。

だって実際、ジャニーズの話なんか、特に興味の無い僕だって、半ば一般常識的に、都市伝説的な感じではあるけど、知っていて、そりゃ周りの人は普通に知っているわけでしょう。まだ明るみに出ていないだけで、そういう問題も、山ほどあるわけでしょう。で、その問題が明るみに出るのが、欧米からのご注進であって、それもパワーバランス的に向こうが強いから、それを聞かざるを得ない、という状態で、やっと問題が明るみに出る。こう、二重にも三重にも情けない話である、という感じがします。はい。またあした。

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