なぜ作るのか?ブランドが生まれる原点vol1 スターバックス

ブランド事例で必ずといっていいほど使われるのがスターバックスですが、スターバックスがなぜ誕生したかご存知でしょうか?

スターバックスがまだコーヒー豆の小売会社だった1983年、創業者のシュルツさんが仕入れの仕事でイタリアのミラノに出張した時にイタリアのバールを経験したことが創業のきっかけだそうです。

仕事場でもなく、家庭でもない、リラックスできるカフェがビジネスマンにこそ必要な場所ではないか?と感じ、その時のバリスタの接客にいたく感銘を受けたシュルツさんはその体験をもとにスターバックスのサービスを誕生させたそうです。

リラックスできるという点から、スターバックスの店舗レイアウト、カラー、ソファの高さまでよく研究されています。
またバリスタに感銘を受けたという体験から、スタッフという人的資源はスターバックスの欠かせない要素として、育成に相当な手間ひまをかけています。

実現したい提供価値は第3の場所。第3の場所としての居心地はバリスタや店舗の雰囲気によって実現する、その品質保持のためにコントロールできないフランチャイズ方式をとらず、空港などの一部例外を除いて直営で展開しています。

直営方式はフランチャイズに比べて間違いなく大きなコストがかかります。
フランチャイズならば建物、土地はオーナー持ちで、従業員もオーナーが雇用します。
しかしフランチャイズになれば、利益を追求するオーナーが客数の回転率を考え店舗が慌ただしい雰囲気になり、いつ辞めるかわからないスタッフに教育という投資はしなくなります。
となると、スターバックスのリラックスできる第3の場所という提供価値は
造られないという事になります。

スターバックスが株式公開をする時、多くの投資家は直営方式に反対しフランチャイズ方式にするようシュルツさんに反論したそうです。負担も大きく出店スピードも鈍る直営方式はROAが低下する。というのが理由ですが、シュルツさんは一時的に不利だとしても絶対に直営方式でしか展開をしないと反応したそうです。

結果的に直営で店舗展開をして品質を守ったことが、他社には真似のできない競争優位性になりました。

時間とお金をかけてじっくりと直営店を育て上げるなどということは誰も真似をしたくない事かもしれません。

何のためにやるか?動機というのはとても大切な原点ですね。
個人でも企業でも、こうした動機(ミッション)が原動力となると物事を進めていくのに芯となりいつでもその原点に立ち返り進んでいけるように思います。

今回はスターバックスでしたが、次は中小企業のブランドにまつわるいろいろな事例を紹介していきます。


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