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小説執筆に役立つテキスト入力ショートカット

パソコンでのテキスト入力の方法について基本的な内容をまとめます。知ってる人にとっては「今更そんなことを!?」という内容ですが、意外に知らない人も少なくない様子で、記事にまとめました。初歩的すぎて類似記事は少ないと思います。
ご利用のエディタによっては動作が異なることがあります。記事内容は貸し本棚のエディタによる小説執筆を前提としていますが、他のテキストエディタでもほとんど同じ動作を期待できます。

小説執筆は線的なものではなく、エピソードや段落単位、行単位、単語単位で移動や切り貼りを行うことがあります。そういった作業において、マウスを触ったり、カーソルキーを何百回とカチカチやっていませんか?

パソコンのテキスト入力には多彩なカーソル移動、文字列選択方法があり、これらを使いこなすことで、執筆速度を向上させることが期待できます。
知ってる人は知っている、知らない人も意外と手癖で使っているような知識です。


カーソルの移動

カーソル移動については、WindowsとMacで動作が異なります。同一の動作を実行するために異なる入力方法が必要だったり、そもそも実現できない動作もあります。

Windows

home: カーソルを行頭に移動。
end: カーソルを行末に移動。
ctrl + home: カーソルを全文の先頭に移動。
ctrl + end: カーソルを全文の末尾に移動。
ctrl + ↑: カーソルを前の段落に移動。
ctrl + ↓: カーソルを次の段落に移動。
ctrl + →: カーソルを一単語次へ。
ctrl + ←: カーソルを一単語前へ。

Windowsはとにかくhome/endボタンが有能です。
page up/page downは貸し本棚ではカーソル移動せず、秀丸のようなエディタでは移動するなど、一定の動作を期待できません。また、Windowsではaltキーはメニューアクセス切り替え、ブラウザ上では戻る/進むを実行するので、テキスト編集中は触らないほうが良いです。

Mac

⌘ + ←: カーソルを行頭に移動。
⌘ + →: カーソルを行末に移動。
⌘ + ↑: カーソルを全文の先頭に移動。
⌘ + ↓: カーソルを全文の末尾に移動。
option + ↑: カーソルを文頭に移動(カーソルが文頭にいる場合は前の段落の文頭に移動)。
option + ↓: カーソルを文末に移動(カーソルが文末にいる場合は次の段落の文末に移動)。
option + →: カーソルを一単語次へ。
option + ←: カーソルを一単語前へ。

Macではhome/endボタンでページスクロールしてしまうので、このキーはカーソル移動には使いません。
また、MacではWindowsとは異なり、altキーにあたるoptionキーを多用します。

Windows/Macいずれの場合でも、vsCodeでは「日本語の単語選択」が正常に動作しません(日本語すべてを一単語と見なし、行頭、行末に移動します)。vsCodeはその他の挙動も標準と異なっているため、日本語編集には向いていません。

テキスト選択

テキスト選択においてもWindowsとMacで動作が異なります。

Windows

shift + home: カーソル位置から行頭まで選択。
shift + end: カーソル位置から行末まで選択。
ctrl + shift + home: カーソル位置から全文の先頭まで選択。
cltr + shift + end: カーソル位置から全文の末尾まで選択。
ctrl + shift + ←: カーソル位置から前へ一単語選択。
ctrl + shift + →: カーソル位置から後ろへ一単語選択。
ctrl + shift + ↑: カーソル位置から前へ一段落選択。
ctrl + shift + ↓: カーソル位置から後ろへ一段落へ選択。

Windowsでは有能なhome/endキーを多用します。
実際の執筆においては、単語移動→単語連続選択の操作が非常に多くなると思います。この選択操作に慣れると、カット&ペーストが楽になります。

Mac

⌘ + shift + ←: カーソル位置から行頭まで選択。
⌘ + shift + →: カーソル位置から行末まで選択。
⌘ + shift + ↑(shift + home): カーソル位置から全文の先頭まで選択。
⌘ + shift + ↓(shift + end): カーソル位置から全文の末尾まで選択。
option + shift + ←: カーソル位置から前へ一単語選択。
option + shift + →: カーソル位置から後ろへ一単語選択。
option + shift + ↑: カーソル位置から前へ一段落選択。
option + shift + ↓: カーソル位置から後ろへ一段落選択。

Macではテキスト選択時にhome/endを使うことができますが、⌘ + shift + 矢印に慣れると逆に使いにくいかもしれません。

Mac限定特殊入力

Macにはこれ以外に、かなり特殊なテキスト入力のショートカットキーがあります。Emacsに準じたショートカットキーです。

カーソル移動

ctrl + F: カーソルを右へ移動。
ctrl + B: カーソルを左へ移動。
ctrl + P: カーソルを上へ移動。
ctrl + N: カーソルを下へ移動。

これらの移動ショートカットは、ホームポジションから手を動かしたくない場合に使えます。karabinerで⌘+HJKLをvim式にすることもできますが、これは驚くべきことにデフォルトの動作です。

カーソルジャンプ

ctrl + A: カーソルを行頭に移動。
ctrl + E: カーソルを行末に移動。

terminalでも使えるカーソルジャンプは、通常のテキスト編集でも使えます。shiftを絡めると、テキスト選択も可能です。矢印キーをあまり触りたくない人に有用です。

テキスト削除

ctrl + D: カーソル右側の文字を削除。
ctrl + H: カーソル左側の文字を削除。
ctrl + K: カーソル位置から段落末まで削除。
ctrl + Y: 上記(ctrl + K)で削除した行を貼り付け。
option + delete: カーソル位置から後ろへ一単語削除。

通常のショートカットで一段落を削除するとき、
⌘ + ←
↑ x 数回
option + shift + ↓ x 数回
delete
という複雑な入力を、
ctrl + A
ctrl + K
という単純な入力(ctrlキーは押しっぱなし)にすることができます。

ある段落を3行下に移動させる場合は、
ctrl + A
ctrl + K
ctrl + D
ctrl + N x 3
ctrl + Y
enter
という操作になります(ctrl押しっぱなし)。
複雑に感じますが、慣れると通常のカット&ペーストより高速に入力でき、ホームポジションが崩れません。
このctrl + Kで削除された文字列は通常のカット、コピーと異なり、クリップボード上には存在しません。

変換

ctrl + J(F6): 全角ひらがな変換
ctrl + K(F7): 全角カタカナ変換
ctrl + C(F8): 半角カタカナ変換
ctrl + A(F9): 全角英数変換
ctrl + S(F10): 半角英数変換

執筆時はとくにctrl + KとCtrl + Aを多用すると思います。Macは純正キーボードの場合、ファンクションキーが等間隔で並んでいて、F7を探して指が迷うことがあるので、これを知っておくと便利です。

記号入力

Z + H: 「←」を入力。
Z + J: 「↓」を入力。
Z + K: 「↑」を入力。
Z + L: 「→」を入力。
option + ;: 「…」を入力。

矢印はともかく三点リーダーは頻出することが考えられます。矢印はvim式なので、左手小指でZを押さえて、ホームポジションの右手で上下左右をコントロールできます。他にもダッシュ文字入力などもありますが、「―」ではない文字が出てくるので推奨しません。

アプリの場合はこれ以外にも更に複雑な機能(ctrl + Oで空行挿入など)がありますが、ブラウザ上では使えないので割愛します。

貸し本棚のエディタ

貸し本棚のエディタはこういったデフォルトのテキスト入力動作を阻害しないために、プレーンなテキストボックスを使用しています。軽量で膨大なテキスト量の編集にも耐える仕様です。

貸し本棚のエディタで単語選択を行い、ctrl + 1を入力することで、ルビ文字の入力ができます。任意に保存する場合もctrl + S/⌘ + Sで保存が実行されます(通常は自動保存任せでも大丈夫です)。

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