ウマ娘 新時代の扉 感想

※ネタバレありです注意してください

前置き

幼少期から親が競馬を見ていたのもあって、競馬の観戦歴は25年くらいになります。
父親に競馬新聞を見せられ、自分がダービーでジャングルポケットを選び
父親がその馬券を買い喜んでいたなどエピソードもあり、
ジャングルポケットはかなり好きな馬の一頭です。
ウマ娘はキタサンブラック完凸に20万入れて金が持たないと目が覚めて
引退したプレイヤーです。
アニメは1-3期RTTT全部見てます
序盤は結構褒めてますが、中盤から酷評してます。基本的には面白くなかったし不快だったというスタンスで感想を書いてます。

以後ネタバレ注意。












プロローグ~

フジキセキの弥生賞を観て、最強になりたいというジャングルポケット
スポ根ものとして良い導入です。
テイエムオペラオーの古場王道完全制覇
特に2000有馬記念のテイエムオペラオーが勝ったレースはすごすぎるから
そうなるのにも説得力がある。
思わずここで涙ぐんでしまったくらいには良かった。
最高か!?作画も演出も良かった。

物語序盤~皐月賞

ラジオたんぱ杯
ジャングルポケットとアグネスタキオンがメインで描かれていて
導入もあったのでざっくりと2001ジャパンカップまでだというのは認識。
ジャングルポケットとアグネスタキオンのライバル構図も違和感なく作られており、質が高い。
皐月賞で引退するタキオンに対して、何かを感じ続けてダービーで一段階、
その後の札幌記念、菊花賞の敗北を経てジャパンカップで物語に決着をつけるというのはなんとなく想像がついた。

皐月賞
弥生賞→皐月賞の流れはとても良かった。
アグネスタキオンのいつの間にか先頭にいる感。
前目に位置を取っているのに、差が広がっていく絶望。

自分には続けられないアグネスタキオンの速さへの探究心をどうにかライバルに残そうとする描写。
ストーリーラインをしっかり作ろうという意図が見えていて良かった。
皐月賞で限界を迎える描写も弥生賞から暗示されていて好感触。
ただ作戦とかに一切言及せずに末脚が凄いとか皐月賞で故障することばかりに囚われていてレース描写はあまり良くないなという印象。

ダンツフレームについて
ダンツフレームが結構主要キャラっぽく書かれていたのもあり
ダンツフレームの宝塚記念までかける尺なんて絶対無いよなぁ?
ここでダンツフレーム描写しないと出番なくね?とは薄々感じていたし、
このままじゃ史実のレース的にキャラクターとしての役割もない。
タキオンとジャングルポケット両方の2着になったダンツフレームが、
タキオンに直接勝てなかったコンプレックスを解消するのかな?
なんてことをこのとき考えていた。

日本ダービー

アグネスタキオンに勝ち逃げされ、それに対してフラストレーションを貯めるジャングルポケット。
そしてアグネスタキオンと同じような境遇を持つフジキセキのドラマパートは非常に良かった。
最強に囚われるが故見えていなかった、アグネスタキオンのメッセージ。
ワクワクして日本ダービーを迎えた。
アグネスタキオンの自分の中では割り切っているものの、想像のその先の走りを自分ができなきゃ意味ないと感じ始める描写も良かったね。
ここでテーマは"本能"とかそんな感じかなって思い始めた。

ドラマパートは良いもののレース描写が安っぽい。

寄りでエフェクト頼りで映画作品にしては動かない絵。
構図が寄りばかりで状況が掴みづらい。末脚があるから一辺倒の戦略。
共同通信杯で東京の実績あるからもっとまともにレース描写できたんじゃないの?って感想。

ジャングルポケットが吠えるシーンが特に描写が足りないと思う。
ただ史実にそれがあるから"競馬の史実分かってる"感の演出に感じた。
タキオンがいないダービーに対する悔しさの叫びなのか?自分を最強と思えた叫びだったのか?あの叫びに意図はあったの?どう叫ばせるんだろうって身構えてた自分が何も感じられなかったけど皆は何か感じられた?
「叫んでるね?嬉しいんじゃない?」みたいなセリフがあったけどそんな解像度で作る側が叫ばせてねえか?
ただの勝ったぞの叫びなら一回で良くね?何回も叫ばせたのは何?
このあたりから序盤まではしっかり作れたけど、スケジュールきつい中無理やり完成に持っていく"間に合せ"で作ってないかこのアニメと思い始めた。

夏合宿~ジャパンカップ直前まで

嫌な予感があたった。
ダンツフレームも特に何もなく終わるし、マンハッタンカフェの菊花賞もサラッと終わる。それに付随して必要ないギャグパート。
作画を崩しているシーンが多すぎて、人気だった"ぼざろ"でも観てオタクはこういうのが好きなんやろで雑に作った?ってパート多すぎ。

ダンツフレームについて
ダンツフレームの「私は才能がないから、でも走るのが好き」ほぼすべてのウマ娘に共通するようなことしか言わないし。
これは一応皐月賞のアグネスタキオンもダービーのジャングルポケットも怪物だよって事を伝えたってことなのかも知れんけど。肝心のジャングルポケットに伝わってないし、時系列的には菊花賞とジャパンカップの間に持ってきて、ジャングルポケットの自分の幻想を打ち破る糧の一つにすればよくね?あまりにちょい役にし過ぎ。ダンツフレーム出す意味なくね?アプリでキャラ売るためだけ出演?

マンハッタンカフェについて
イマジナリーフレンドの話する意味あった?本当は菊花賞とかでしっかりジャングルポケットが勝ちきれない描写があって、マンハッタンカフェが自分の幻想にあと一歩まで迫るみたいな初期構想だったんじゃないの?
そこでマンハッタンカフェがタキオン以外ではダービーのジャングルポケットにそれを感じたのに今の貴方には感じないとかそういう話になるんじゃないの?
納期が間に合わなくなってジャンポケのブレーキかける演出だけになったんですかね????

ジャパンカップ~エンディング

クソクソクソクソ、クソオブクソ
これまではなんとか納期がやばくてとか、突っ込みどころはあるけど。
ジャングルポケットだけの物語としてみれば見れるなって思いながら観ていたのでだけど。とあるワンカットで全てが終わった。

とにかくクソなワンシーン

ジャングルポケットが左に目線を送っているのにもかかわらず、進路右手側に観客席のある東京競馬場でアグネスタキオンと視線を合わせるシーン。

観てて気づかなかったん?これを直さないの致命的すぎでしょ。一気に冷めた、ギリギリジャングルポケットの物語として楽しめるしウマ娘好きなら見に行って良いんじゃない?くらいの感想だったのが一気に終わった。

この違和感一個で終わりだよ。位置関係も分かってない、とはいえ自分の解釈で見逃してるところがあったかも知れない。そう言い聞かせながら観ていたよ。このワンシーンで終わり。雑に作ってるの確定。

ここでジャングルポケットは内ラチ見てるだけだよ。目もあってないのに突然走り始めるよ。きっかけがミスってんだよね

最後に

ギリギリまでポジティブな意見で悪くはないんじゃない?ウマ娘でジャングルポケットとアグネスタキオンの物語を見に行くにはいい映画だと思う。って感想を書こうと思ってた。
ワンシーンで終わりでしたね。最後のライブはウマ娘だから入れなきゃいけないお家芸だからどうでもいいし。あのワンシーンで俺は全てを諦めたし、サイゲームスピクチャーズの作るアニメにはもう期待することはないなと思う。
競馬史に残る最高のドラマであるトウカイテイオーはもうやっちゃったし、期待できるようなものはもう作れないでしょ。劇場公開のアニメでこれなんだからもう期待することは無いです。
いつかユーザー評価がとんでもなく高い話題作を作ったとなれば全く期待せずに見に行こうと思います。

自分で見られていないのですが、ジャングルポケットの姿はアグネスタキオンの瞳に写ったジャングルポケットだから髪飾りの位置も反転していて鏡の状態になっているためと教えていただきました。
納得です、失礼致しました…

総評の変化として、脚本に少し疑問はあれどジャングルポケットの物語としては良かったと思います。
ウマ娘が好きな人は見に行っても良いと思えます!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?