腰痛の原因になる、仙腸関節の位置・動きの改善
7章
産後の骨盤の歪みに対するセルフケア
歪みとは具体的に何なのかを解説
骨盤の歪みが原因で困ることの一つに、腰痛があります。腰痛の原因は様々ですが、その中に骨盤の関節が関係しているケースもあります。ただし、骨盤が腰痛の原因だとはっきり診断されることは少ないです。これは、骨盤の関節が腰痛の原因だという明確な根拠を示すのが難しいためです。
現在、骨盤の関節の異常を調べる方法はいくつかありますが、それが目に見えるものではなく、検査を行う人の感覚であり客観性に欠けるという事が理由です。そのため、骨盤が原因で腰痛と診断することは病院などの医療機関ではあまりありませんが、整体などでは骨盤矯正など様々なところで骨盤をうたっています。
ただ、実際は医療機関を受診してみないと腰痛の原因が例えば内臓であったりガンであったりした場合に見逃してしまうので、基本的にはまず整形外科を受診して診断してもらうことをお勧めします。それでも、自分で骨盤が原因の腰痛かをある程度見当を付けるにはどうしたら良いのでしょうか。骨盤が原因の腰痛にはいくつかの特徴があります。
①腰痛の範囲が、尾てい骨から股関節までのおしりの周囲の部分であること。(背骨の腰の部分ではない。)
②痛みが産後など骨盤にゆるみが出るような出来事をきっかけとして始まっている。
③痛みの感じ方が鋭い痛みとして感じる。(筋肉痛のように鈍い痛みではない。)
このような条件で腰痛がある方や、特に産後など骨盤に問題が生じやすいことがあった方は、骨盤の関節に着目することで腰痛も良くなる可能性があります。骨盤で腰痛が出る場合、骨盤の中でも後ろ側にある関節(仙腸関節)に問題があります。
個々の関節は、骨盤の真後ろにある仙骨という関節と、先に説明した腸骨との間の関節で、それぞれが前に傾いたり後ろへ傾いたりという動きをします。この部分に硬さがあって関節が動かないと股関節の曲がり方に硬さを感じるので、例えば靴下を履きづらいという症状として感じます。
また、骨盤のこの関節に問題がある場合は前屈など腰を曲げる動きも硬さが生じるので、脚を延ばした状態で身体を前傾する動きの悪さにも表れてきます。この関節を仙骨と腸骨の関節で「仙腸関節」と言います。仙腸関節が原因で左右の歪みが起こる場合、どちらかの腸骨が仙骨に対してずれているという事になります。
腸骨の位置が上に合ったり下に合ったり、または後ろへの傾きが大きかったりという状態ですが、腸骨の前傾と後傾に関してはすでに述べた通りチェック法と改善方法があるのでそちらを読んでください。
ここでは仙骨の動きに注目してチェック法と改善法を紹介します。
記事は書籍「自分でできるセルフリハビリ」(著者:勝井洋)より抜粋
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