機を見てもりを観ろ。詩人「もり」について

私のライブをみたことのある人に、絶対もりくんを観てほしい。"私のライブをみたことのある人に"である。

もりくんは朗読をする詩人である。
私の中ではもう「知る人ぞ知る」みたいな感じの存在になっているが、知ってる人はとっくに知ってるのである。
もりくんの世界は、Jポップだと思っている。それはもうNHK教育テレビの帯番組のようなポップネスである。喋ってみると、さわやかな同世代の男子である。
でも、ドブネズミっぽい暗さも、あわせもっている。
私は自分の表現でその2つを同時に成立させることはできないし、多くの人はどちらかに寄るのではないか。
だが、もりくんは同時に成しているように思う。

この触感…、何かに似ている…

なんだろう…国語の教科書とかで超ドープなものにふれたときのような………

あ!!!
谷川俊太郎だ!!!!

そう!!!谷川俊太郎的な良さがあるんだ。

もりくんが普段なにをしているのかは知らない。(朝起きてタバコ3本くらい吸うことで「世界に自分のチューニングをあわせてる(本人談)」ということだけを知っている)
ただ、もりくんには長生きしてほしいと思っている。
でも彼のパフォーマンスを観ていると、「明日にでも死んじゃうんじゃないか」と不安になることがあるのだ。私だけだろうか。

https://www.youtube.com/watch?v=FMYkIusvCIs&t=11707s

↑の動画の、57:30と、3:18:50と、4:46:38からもりくん。(ちなみに私も2回出てくる)

この3つのパフォーマンスはあんまり死を感じさせないけど、先日みたとあるステージでは「もりくんが明日死んじゃったりしませんように」と思った。

てか喋りが明瞭で、何を言っているかスッと入ってくる、これも、もりくんの強みよね。


もりくんは世界に対してとても優しいまなざしを持っているように思うが、ファイターでもある。闘う。さわやか青年だけど、心の内ではマグマが燃えてる。

そう思わされたのは、忘れもしない「KOTOBA Slam Japan 2021全国大会」のときだった。前述した動画の大会で、私ももりくんも出場していたのだ。
会場の最寄り駅で電車を降りて、出口はどこだろうとウロウロしていると、もりくんにバッタリ会った。「もりくん!お疲れ、」と何か話しかけようとしたが、
「おーさゆゆ!あとでね!」
とだけ言い残し、颯爽と去っていった。その目が信じられないくらいギラギラしていたのだ。完全に、試合に向けて精神状態を整えていくアスリートのそれだった。私は全国大会というものに出られて正直うわついていたが、もりくんはしっかり地に足つけて「勝つ」つもりでいたのだった、駅のホームの時点で。

このひとは芸事に対して真摯だ。信頼できる。

そう思い、もりくんにカバーをお願いした片山さゆ里の曲は「歴史」である。

これは私にとって「名刺がわり」枠の曲で、「擦りまくったネタ」で「人生のサビ」である。どちらかというと、ポップよりはドブネズミ寄りの曲。それを、もりくんの持つ天然ポップネスでどんなふうにあのリリックが変わるのか、観てみたい。
よろしくお願いします!

「解釈と上演」、まだお席ございます。最高の夜になることをお約束します!
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でも、この日に来られない人も、いつかどこかでもりくんを観てほしいな。こんなこと私が言わなくてもみんな知ってると思うのですが、活字じゃなくステージのもりくんはマジで最高だから!


次回予告:
3/2(木)更新
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