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太文字

話しかけられている言葉が、大きな太文字で映像として見えた事ってありますか?

私は一度あって、その感覚は一度しかないのですが、ちょっと雷に撃たれたような衝撃でした。

これまた、手織りに関する話なのですが、私が手伝っている美術館の仕事で知り合った染織の先生との間で起きた事です。

その先生は静かで穏やかな感じの女性で、何年か顔を合わせていたのですがプライベートの話はしたことがないままでした。
何年かお会いするうちに、だんだんと話が弾むようになり、私が染織に興味があることに気づいた先生は、だんだんと色々な話をしてくれるようになりました。

3年前に会った時、先生がどうやって今の先生になっていったかを話してくれました。

その時、先生が話している言葉が太文字で、なおかつ、かなり大きなフォントで視覚化されて見えたのです。

「はい、ここテストにでますよ!」みたいな感じでしょうか。笑

先生は今はお着物を織っているのですが、話を聞いていると、美大にも行っておらず、専門的に誰かに習った訳でもなく、なんと、独学と努力と行動力で今に至っていたのです。

その行動力の賜物のようなストーリーの中で、私に必要なメッセージが、多分あの日、大きな太文字となって私に降ってきたのではないかな…と、今思っています。

物静かで穏やかな佇まいとは裏腹な、魂の熱さ!

牧場で紡ぎのデモンストレーションのバイトをして手紡ぎを習得したことや、まず、高機を買ってしまって独学で織れるようになった話、インドに2回、そしてグァテマラにも織りの勉強に行っている話などを聞いて、その時なんだかすごく感動?感銘?とにかく得体のしれないパワーをもらったように記憶しています。
(だって、見た目からはインドとか絶対に無縁な感じの先生なのに、2回もすごくサバイバルな旅をしていたのです!人は見た目によらないものです…)

去年、今年とコロナ禍で美術館の仕事がなくなってしまい、先生にも2019年以来会えていません。

ご縁があれば、必ずまた会えると思って2019年にお会いした時も連絡先も聞かなかったので、私は時々、先生の事を思い出してはあの太文字のことを考えています。

先生、その後もお元気ですか?

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