手のひらの中の種
家にいるようになって3週間。
パートタイマーで文化財に関わる仕事をしているので、仕事はお休みになり家にいます。
例年、5月はいつもの仕事はお休みさせてもらい美術館の仕事のお手伝いをするのですが、今年はそれもなくなりました。
今携わっている仕事はどれも何となく誘われて始めたもので、8年ぐらいやっていますが、その前はずっと家にいました。
手を動かすことが好きで、家にいた時に何をしていたかというと刺繍をしたりミシンをかけたりしていました。クロスステッチを始めたきっかけは、多分ネットで海外の素敵な作品を目にした時に一瞬にして心を奪われたからだったと思います。
ちょうど、長男が小学生になった頃だったので、ちょっと気持ちに余裕ができたこともあると思います。それからくる日もくる日も刺繍をしていました。
かれこれ、15〜6年前の話です。
今では、子供たちも大きくなり、少し仕事もするようになり、昼でも夜でも自由に出かけられるようになって他のことが忙しかったり、手先の細かいものがよく見えなくなって、ここ数年は全く刺繍をしなくなっていました。
そうした中、再びずっと家にいる日々がはじまりました。
糸もリネンもやりたいチャートの在庫もたくさんあるし、手元がよく見える眼鏡も作ったので、久しぶりに針と糸を手にしました。
やっぱり、楽しい。
一日中、針を持っていられます。
やっぱり、好きだったんだなぁ。
再び刺繍の世界に呼び戻されています。
今、大変な世の中にいて、不安になることも多いですが、手の中に針と糸があることがこんなにも心が落ち着くことに改めて気が付きました。時間を持て余すことのない日々でいられることもとてもありがたいことで、手仕事の神様に感謝の気持ちでいっぱいです。
昔耕しておいた土と蒔いておいた種に今助けられているような心持ちです。
日々、心が揺れたり失望することがありますが、そんな中でも手のひらの中に小さな楽しみや喜びがあることは明日に繋がることなんですね。
最近、Instagramで公開されていた Cross Stitch Lesson For Kidsというお子さん向けに作られたおうちのモチーフを刺しました。
可愛くて癒されました。
もう少し、Stay Home !
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