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バランス

どうもひとつの事に集中できなくて、複数の本を並行して読んだり、2枚の絵を並行して描いたり、刺繍をするときもずっと複数の図案を並行して刺していました。

興味があちこちに向いてしまうからなのですが、大人になって、それが私の自分自身のバランスの取り方なんだとやっと気がつきました。

ひとつの事に集中するよりも、愛を分散させる方が自分が穏やかでいられて、物事もスムーズに進むのです。きっとこれが自分なりのバランスの取り方なのです。

手織りもそうでした。

手織りに関しては、ずっと、リジット織り機という卓上の織り機の技法を先生のところで教えてもらっています。とても素敵な先生なので年々教室に来る人が増えて、近年なかなかレッスンの予約が取れなくなってしまいました。それに加えてコロナ禍で1回のレッスンの人数を少なくせざるを得なくなり、ますます予約が取りにくくなっていました。

そんな時に、なんとなく気になっていた「さをり織り」の教室を見つけました。

そこで私は、いままでの手織り教室に頻繁に行けない分、さをり織りも並行して勉強してみようと思ったのです。

今まで習ってきた織り方は、最初にきっちりとデザインを考え、それに沿ってきっちり丁寧に織るという織り方でした。

一方、さをり織りはとても自由で心が赴くままに織る感じで、失敗したところがあってもそれすらも味わいだったり、面白味として捉えるという自由さがありました。
音楽でいうならば、ジャズのような感じです。

心を解放させて自由気ままに織るというのは、違う脳みそ…ずっと稼働させていなかった脳みそを使う感じで、これまた新しい楽しさでした。

多分、私はそういう即興的なものとか閃きに沿ったものとかちょっと風変わりなものが好きだったように思うのですが、歳を重ねる間に無難なものとか目立ちにくいものを自然と選択するようになっていたんだと思うのです。

大人になるまでの間に、やはり、頭で考えがちな人間になってしまったんだと思うし、考えぐせというか出来上がった思考パターンのようなものが無意識に発動されるようで、自由気ままに織ると言うことが今はまだちょっと上手くできません。
試行錯誤しています。
試行錯誤してるってことは考えて織っていて、心で織っていないってことなんですね。きっと。笑

さをり織りをしている時は、すごく心が解放される感じがあるし、始めてみてすごく良かったと思っています。

熟考して織るというのと、織りながら湧いてくる気持ちに従って織るという事、両方ともやってみたいと思いました。

2つの違う織り方を同時にやっていくことが、私自身のバランスを取るような気がするし、なんだかとてもプラスになっていくような気がするし、新しい私になれるような気もします。

色々学びたくて、魂は燃えています。(大げさ!笑)

さをり織りを始めてみたら、また、不思議なご縁がひとつ、またひとつと現れています。手織りに関係なく知り合った人の向こうに、実は手織りに関係する人が繋がっているという不思議なことが続いているのです。

今後の展開が楽しみです。


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