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母の日

結婚してまもない頃、私は義母と義妹と3人でイギリスに気ままな旅をしに行ったことがあります。
(家族で仲良しなのでいちいち義理の…と記すのも面倒なので、以下母と妹にします)

当時、オットは国内外の出張が多くて留守がちだったので、急遽、妹と母の旅に私もお供することになったのです。

妹はイギリスに留学していたことがあり、その後日本に戻って日本の大学を卒業したタイミングで卒業旅行というかイギリス時代の思い出の地とホストファミリーを再訪するという旅を予定しており、ならば!と母と私がついて行きました。

私も母も妹も英文科卒ということもあって、妹の運転する車でホテルも行き当たりばったりで、B&Bに泊まりながら英文学ゆかりの地を訪ねたりしたとても楽しい旅でした。

当時の私は結婚して1年ぐらいで、義理の母と妹と3人であてのない旅をするなんて、今思えば、まあ、なかなかないシチュエーションですよね。笑

2週間ぐらい寝食をともにしたので、もう、私もかっこつけたり取り繕う必要もなくなってしまい、それ以来、ずっと素のままでいられる関係になりました。
(それ以来、気を使わなすぎる嫁と化したわけなんですが…苦笑)


その母が、少し前に空に帰りました。


2年ぐらい前に癌が見つかり、手術をして闘病していたのですが、昨年、癌の再発が見つかりました。

私は庭続きの隣同士に住んでいるので病院の付き添いや日常のあれこれを見守りながらずっと過ごしていました。

今年に入ってから、少しずつ体調がすぐれなくなっていきました。母の願いは出来るだけ家で過ごしたいということでした。

何度も家での看護が不安になったのですが、コロナ禍なので、入院してしまったら会えなくなってしまうので、できる限り家にいられるように…となんとか妹と頑張って、母は最後まで家で過ごすことができました。

母の気持ちを尊重するあまり、ヘルパーさんや訪問診療の先生や看護師さんをお願いすることがギリギリになってしまったのですが、絶妙なタイミングでご縁が繋がって、母を家で看取ることができました。

連休間近だったので、妹も姪っ子ちゃんを連れて実家に泊まり込んでくれたので、2人でできる限りのことをすることができました。

実は、私は実父も家で看取った経験があって、父がそんな経験を与えてくれていたので、今回もなんとか踏ん張って、母の願いを叶えてあげることが出来たのだと思います。

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葬儀が終わった後、私は妹から陶器の人形を手渡されました。母が大事にしていたリヤドロのお人形のひとつです。妹と私でひとつずつもらうことにしました。

妹は母がハワイで買ったものを…私は、母がイギリスで買ったものをもらいました。イギリスは私にとっても母と妹との思い出の残る土地なので妹の計らいはとても嬉しかったです。

母との最後の日々は、妹と私と母とで二人三脚をしたかのような日々でした。

まだ、母がいないことに実感がわかないまま母の日を迎えています。




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