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先日、美容院で読んだ「暮しの手帖 5世紀5号」に、佐藤雅彦さんの『考えの整とん』いうエッセイがあって、今回は「栞と山椒魚」というタイトルのものでした。

そのエッセイの情景がずっと頭の中に残っていて、ここ数日、なんとなくずっと栞のことが気になっていました。

そういえば、私は本を読むときに栞がないとなんとなく落ちつかないのです。

「栞」ってなんなんだろう?

 なんだか、かわいい漢字だけれど、どうしてこんなカタチの漢字なんだろう?

という素朴な疑問で検索してみました。

栞の由来を紐解いてみると、

・古くはキリスト教の聖職者が読んでいた聖書に僧衣の一部を挟んでいた。

・ヨーロッパでは活版印刷が普及した16世紀ごろ、袋綴じで売られることが多かった紙の本を切り開くために使われたペーパーナイフが栞の代用だった。(へぇ〜、そうなんだ!)

・日本は平安時代は巻物や書物に、竹や木を薄く削って作った夾算(きょうさん)と呼ばれる紙挟みを用いていた。また、江戸時代は紙縒(こより)や草花を挟んでいた。

漢字の成り立ちを見てみると、「干」という漢字を2つ並べて書く。これは上を平に削って揃えた2本の竿を表す象形文字。さらに、その下に「木」という字を組み合わせて山や森を歩くときに迷わないよう、道の途中にある木の枝を折り、削って目印にした様子を表す。

(なるほど!山道を歩くときの道標ということですね!)

その目印とする事が転じて、本をどこまで読んだかという目印だったり初心者のための手引書のことを「しおり」って言うのだそうです。

漢字の成り立ちの事は、TOKYO FMの「感じて漢字の世界」という番組のまとめ記事だったのですが、ちょっといいことが書いてあったので抜粋してメモしておきます。

木の枝を折り、削って作った道しるべは、自然に折れた枝と間違わないように手をかけた竿。自然に対峙する時に欠かせない謙虚さ、立ち止まる勇気、あらゆる状況を想像する力と惜しみない創意工夫。未来の自分を助けるのはあなた自身が作り出す栞なのです。

これって、日々の生活の中でもなんだか心に留めておきたい言葉でした。

あらためて、「栞」って素敵な漢字だったし、ちょっと心の中に栞を挟みこんだ気分です。


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