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ウウウルトラCの感想

※このnoteでは成人向けBLゲームの内容について言及しています。

古書店街の橋姫にどハマりしたので同じADELTA作品である「ウウウルトラC」もプレイしました。感想放置しちゃったので書き上げるまでに間が空いてしまいましたが……。


昭和45年3月。
東京は祖師谷に住む正太郎は恋人・狐塚君と二人暮らし。
世間では人の怪獣化が感染症として認知され、
受け入れを促す一方で不穏な空気が漂っていた。
正太郎は正義に憧れるその一人。
しかし、怪獣の血を浴びたことにより日常は一変する。

怪獣、
ヒーロー、
巨大ロボット、
3人の主人公たち。
昭和の遺物を巡るアバンギャルドな特撮ドラマ。

https://adeltaz1.wixsite.com/uuultrac/blank-6


明治・大正〜昭和(と言っても広いが)の雰囲気が好きなので昭和45年を舞台にしたこの作品も結構気になってはいました。
とりあえずプレイ前に名前くらい見ておくかと登場人物紹介のページを見たのですが、

……………………。

意地悪そうなつり目、黒髪、帝大法学部卒、初恋の子に一途。
明らかに自分の好きそうな奴がいました。
ここまで分かりやすいトラップに引っかかるわけないだろ!と思いながらプレイしていましたが、残念ながら第一話の登場シーンで既におもしれー男なので早々に敗北することとなります。


第一話/明正

最初から最後までずっと可愛かった。正ちゃんさん小柄だけど男前だし結構フィジカル強くてパワー系の力持ちで好き。序盤で明くんに飛び蹴りしたところで声上げて笑ってしまった。
ウウウルトラCは人の怪獣化が感染症として蔓延している世界が舞台なんですが、怪獣の体液を浴びることで感染し怪獣になります(お察しください)。それを踏まえて、怪獣の血を思いっきり浴びて感染しちゃったかも!?になった主人公が彼氏に言ったのが

……一緒に感染してほしい

だったのでスケベすぎてひっくり返った。正ちゃんあの見た目でスケベに積極的なの本当に良いと思います。

第二話/鈴史

自分のツイートを見返すと1話あたりでは「史郎くん」「蝶番くん」呼びだったのが途中から完全に「蝶番史郎」呼びになっていたので限界を感じました。こいつはとにかくおもしれ〜〜男なので出てくるだけで嬉しいし、初恋の子に一途で純潔を守り通していたとか本当に勘弁して欲しい。好きになっちゃうから。
ベルちゃんがずっと美しくて……出てくるたびに綺麗だ…ベル……って呻いていました(誰)。
蝶番史郎、1話では悪役だった割に2話では結構王道で真っ当な主人公やっていたと思います。何だかんだ初恋の子を一途に想い幸せを願い最後まで守り抜くかっこいいヒーローでした。性格も態度も悪いけど。
何というか蝶番史郎があまりにも好きなタイプの受過ぎたんですが、エンディング流れる前のラストの台詞が

貴様は一生許さない……!

だったのでコレコレコレコレ!!!になって手叩いて喜びました。ボーイズラブのサビか????こういうのでいいんですよ、こういうので。

第三話/夜十

一周目やってた時はあまりの空気の重さに胃もたれしましたが(清涼剤としてタロウがいて助かりました)、夜美や十郎の真意を分かった上でやる二周目はどちらにも感情移入してしまうのでそれはそれでしんどかったです。そりゃ夜美からしたら人間(十郎)は人間と番って幸せになりなよ…になるだろうし、それでも十郎が夜美に惹かれるのはもうどうしようもないし……それでも終わりはハッピーエンドで良かったです。
ヒーローであった十郎がヒーローを辞めてただの一市民として夜美と生きていくという終わり方が好きなんですが、ラストの

エキストラになるには声を潜めるだけでいい。君にだけ聞こえる、小さな声で。

がめちゃくちゃ好きです。こんないい文章ある?????あと後日譚の青い花もヤバかった。

ADELTA作品って主人公があんまり優等生でも真っ当でもなく、必ずしも大成するわけでもないんですが、この手の小市民的な幸福への肯定が根底にあってそこが好きだなと思います。どんな奴でもその人なりに幸せになれるし、どんな奴でもそいつの人生はそいつが主人公だというのは、どの作品でも共通するテーマのひとつなのではないかなと思います。

総評

正直蝶番史郎の存在だけで1000%元が取れましたが、お話自体もドライブ感があって面白かったし世界観も好きでした。あと絵が前作前々作と比較して目に見えてレベルアップしてて凄い。
世代的にしゃーなしとは言え元ネタとなった特撮は基本分からなかったけど(ベルク・カッツェとウルトラマンタロウかな…?くらいしか分からなかったです。というかガッチャマンも昔ZIPでやってたやつしか知らない)。
3カプとも三者三様の萌えと燃えがありますし、年下攻ラブラブバカップル、幼なじみオネエ攻(Sっ気あり)×ハイスペックツンデレ受、愛の重い人外×愛の重いヤンデレと、BL好きならどれかひとつは刺さるところあるんじゃないでしょうか。

橋姫以上にウルCは特にここは文章で魅せよう、ここはスチルに任せよう、音楽で伝えようみたいなのがいい塩梅で上手くまとまってるな〜と思ったし、橋姫は(それにしてもスチル多いけど)文章の比重が高いので文学作品っぽく仕上がってたのに対して、ウルCは特撮モチーフなのもあってかもうちょっとテレビ的動画的な仕上がりになっていたと思います。
というか序盤から正気ではない量(1400枚以上???あるらしい)のスチルが洪水のように流れてくるのでほぼ動画です。立ち絵が表示されている時間より明らかにスチルが表示されている時間の方が長い。

毎度のことながら音楽が今回もめちゃくちゃ良い!二話EDの「Übel」が好きすぎて普通にサントラも買ってしまった。あと「ハードボイルドな雨」「タロウのジャズ」「一枚上手」「夜美のヒールテーマ」「夜美の救難信号」あたりも好きだし、明くんのヒーローサイレンはどっちもかっこいいです!!「ウルトラミューテッド」は曲調はピコピコしたボカロっぽい印象の曲だけど、本編の内容を思い出して限界になる。あと無頼のヒールテーマも好きなんですが、脇キャラのおっさんの登場シーンに流れる曲としては力入りすぎだろう(褒めてる)と思います。

カップリングものというよりは良くも悪くも群像劇的な印象が強いので、サブキャラや世界観含めて好きになれないとちょっとキツイのと、一人の主人公に腰を据えたい感情はちょっとあったかも。
あと話が割と難解なのはそれはそうだと思います。伏線とか振り返ってみれば重要な設定がここ大事ですよ!!という目配せなくサラっと出てくるので、一周しただけだと分かりにくいのは確かだと思います。自分も察しがいい方ではないので……その分設定理解した上での二周目だと全部ちゃんと情報出してたし、ここ伏線だったんだ〜〜!!という面白さはありますが。でもちょっと副読本読まないと分かりにくいかな……。
視点が違う面白さはあれど結末が同じ話を三周するのは間違いないので、個人的には主人公一人で攻略対象によって結末が異なる仕様(総受ゲー、総攻ゲー)の方が好みかな〜と思いました。攻略対象によって主人公がどう変わるかが楽しみのひとつでもあるので。

色々書きましたがプレイしてて楽しかったし素直に買って良かったです!!延期になった大穢も秋発売らしいですが早くやりたいですね。8月10日体験版公開とのことなので楽しみ!!

大穢は大穢でどう見ても新橋さんが好きそうなので、我ながら好みの受が分かりやすいなと思っています。今のところ全てのADELTA作品で二番目のカプ(銀空、川玉、鈴史)が刺さってるのですがこいつもまた二番目なのでウケています。

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