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Twitterを始めた話

私はデジタルが苦手だ。学生のころはパソコンの授業が大嫌いだった。電源を入れることはできる。インターネットも使える。だが、ワードやパワーポイント、エクセルはかろうじてという具合で、携帯にいたっては、写メと電話とメールぐらいしか使ったことがなかった。そのころはまだSNSは普及しておらず、友人たちはmixiをやっていたが、私はそういうサービスがあると知っているだけで自分から使おうと思ったことはなかった。
また、人見知りで、人付き合いが苦手、人への関心も薄く、新しい関係を築くのも苦手だ。オタク友達はいても、その子たちとは微妙に好きな物がかぶっておらず、人と自分の好きなことばかりを話すということをしたことがなかった。
そんな私がTwitterを始める決意をした。
きっかけはとても単純なこと。
『身代わり伯爵の誓約』だ。

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私が少女小説にはまり始めたころに角川ビーンズ文庫がTwitterを開設した。ちょうど少女小説沼に落ち始めたころだったこともあり、私は毎日チェックした。当時のTwitterはまだツイートとリプ欄を分けていなかったこともあり、送られてきていたリプも見れた。そのリプを見て、その方のツイートを見て、別の方が話してるのを見るという、今思うとちょっとネットストーカーのようなことをしていた。
だが、あくまで「見る」だけで、その会話に参加しようともしたいとも思ったことはなかった。

そんな風にTwitterをチェックする毎日を過ごしているときに『身代わり伯爵の誓約』 が発売された。読んだ方はご存じかと思うが、この巻はシリーズの中でも人気が高く、感動とときめきに溢れていて、読んだ数日私はシアランから帰ってこれなかった。ちょっとした合間にシアランに思いをはせる日々。勉強の合間、お風呂、寝る前、バイトに行く途中の道にあるラーメン屋の前を通るときですら気持ちはシアランにあった。
もちろん、そんなシリーズの中でも屈指の巻が出たのだ。角川ビーンズ文庫宛てへのTwitterのコメントは熱があった。どれを読んでも共感しかなかった。
そんな風にいろんな感想を読んでると突然

「私もこの人たちと話してみたい。感想を言い合いたい」

という思いがこみあげてきた。
だが、冒頭でも言ったが、私はデジタルも人付き合いも苦手で、そのうえ生来の臆病者。新しいことにチャレンジするのはとても勇気のいる決断だった。大袈裟なと思われるだろうが、ネットに関しては悪い話しか聞かないころだったのもあって大変迷った。
迷って、調べて、それでもやっぱりこの人たちと話したいという思いが日に日に強くなっていった。
だから、決めた。Twitterを始めてみようと。
まず、登録する日を決めた。その日までにアイコンの写真とアカウント名を決めて、自分の気持ちを固めていった。だが、いざ登録してみたら、決めたアカウント名は文字数がオーバーしていた。どうしようか迷ったが、最後の2文字はユーザー名にした。ちょうどその頃は名前の表記がアカウント名、ユーザー名の順番だったこともあって、一続きで見れば自分が最初に決めたアカウント名のようになるからいいやと思ったのだ。結果的に見れば、そのユーザー名で正解だった。いろんな場所で使えて重宝している。
そこからTwitter生活が始まったとはいかない。さっきも言った通り私は臆病者だ。チキンだ。そこからさらにフォローして声かけて……をするのにさらに1月かかった。
だけど、私が話してみたいと思った方々はとても優しく、私は思う存分自分の好きなものについて語れた。始めての経験だった。
そのうえ、Twitterを見れば読んでいる作家さんや、漫画家さんが裏話や落書きを上げてくださっている。自分が好きな作品を好きだという方がおすすめしてくださるまた別の面白い作品に出会える。
のめりこんでいった。ヤバイくらいとは言えないけども、自分では十分ツイ廃になってしまった自覚がある。あのころはまさか自分が仲間内で真っ先に始めて、誰よりも詳しくなるなんて思っておらず、それどころか、Twitterで出会った方たちと実際に顔を合わせて遊ぶこともあるなんて思ってもなかった。こんなに好きな物ばかりを話すのが楽しいとも思ってなかった。

あれから、10年。
あのとき、私が語りたいと思った方々とも、その後にはまっていった物で出会った方々とも今なお仲良くさせていただいている。もちろん10年の間におやめになった方や、あまり話さなくなった方もいるが、それでも多くの方と繋がっている。あのとき、感想を語り合いたいと願ったとおりに、小説、漫画、アニメ、映画、ドラマといろんな感想もたくさん言わせてもらっている。
これだけ楽しい日々を過ごさせてもらっているTwitterとフォロワー様に感謝を。そして、これらもどうぞよろしくお願いします。


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