読書メモ「説明がなくても伝わる図解の教科書」
桐山岳寛さん著、「説明がなくても伝わる図解の教科書」を読んだ。
この本はTwitterにも書いたとおり、すごく偶然な出会いだった。本を取った理由は、超個人的なメモということもあり大抵の人にはどうでもいいと思うので、最後に書く。
キーワード
ポイントは、どんな時でもシンプルな形・構造を心がけること
このお手洗いのアイコンが、なぜ多くの人に理解されるのか、あなたは終えわかりだろうか。
答えはどこででも使われているから。
つまり、なじみの薄いピクトグラムは、内容が伝わらないのだ。
近寄りがたい情報の特徴
・複雑で手間がかかりそうに見える
・理解不能に見える
・不親切感、嫌悪感を覚える
・義務である
・情報量が多い
いつも、健全で誠実な雰囲気をつくり出すことを心がけよう
...
過度にかわいいものや、場違いなほどの楽しげな雰囲気は、不信感を生みやすい。
”道筋”が見えれば安心できる
ひと目見て「全体の流れ」がわかることは重要であることが多い。不安を解消しやすいからだ。
主題には、「あなたがもっとも伝えなくてはならないこと」を選び出すことが大切だ。
大切なのは「自分はすでに大きバイアスのかかった状態にある」と自覚しておくことだ。
あなたはいま専門知識を持ちすぎているからだ。
矢印には3 つの機能がある。機能別に形を変えよう
...
それは、「動き、つながり、連続性」である。
数値は、ヨコよりもタテに並んでいたほうが比較しやすいからだ
箇条書きを発展させて、インパクトを強めよう
文字サイズよりも、行間の広さを調整しよう
「雄弁」とは何か。それは、受け手が苦労なく楽しく聞けるようにすることである、と。
私がこの本を取った理由
この本を取った理由は本の帯だった。
言葉が通じない外国人にも。「言葉」に頼らずに伝える技術
本書のあとがきを見て、なぜ私が惹かれたか理由がわかった。
私が「わかりやすさの向上」に大きな時間を費やしてきたのには、かつてすごしたモンゴルでの体験が深く影響している。モンゴル語もろくに話せなかった私は、首都にある学校でデザイン教師として教鞭をとっていた。
学校でも学校以外でも、「"伝えたいこと"を、伝えること」にあれほど苦労したことは、後にも先にもない。「説明」の苦労をデザインの力で突破できにだろうかと考えるようになったのには、そんな背景がある。
帯を見たときはたまたまかと思ったけれど、このあとがきを読んでたまたまではなかったことに気づいたときは驚いた。著者の方のように教鞭を取っていたわけではなくむしろ教えられていた側だったけれど、数年海外に住んで、言語が思い通りに使えず伝えること・伝えてもらうことに難を感じた経験が私にはあった。
言語がわからなくても伝わる何かががあって、その何かが伝わることによって新しい言葉を学んでいく感覚を思い出した。
これは全ての人がそうだと思うんだけれど、小さい頃はみんなそうやって新しい言葉を覚えていったのに、大人になると、覚えた言葉を組み合わせて新しい言葉を学ぶことが多い。今では、気がつけばデザインに頼るのではなくて個人の知識に頼って理解しようとする傾向が多くなった気がする。
ちょっと手間をかけて、デザインしよう。みんなが専門用語を知っているわけじゃないんだから、デザインして伝えることによってその言葉を知らない人たちの理解に繋がりやすくなるなら、と思う。
多くの人に伝わったほうが世の中楽しくなるんじゃないかなって思うので、ちょっとだけ手間をかけて、デザインしたいなあ。
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