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【眼科コラム11】治らない結膜炎・・・canaliculitis(涙小管炎)だった!

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 
さて、新年早々の話題ですが、治らない結膜炎についてです。
大量の目ヤニがでており、抗菌薬の点眼をいくら使っても目ヤニが減らない。
勿論、結膜炎にも色々な種類があり、難治性の結膜炎も存在しますが、今回は違う原因だったという話です。

涙小管炎というのを聞いた事がありますか?

涙小管炎はおそらく馴染みの無い病気だとおもいます。そもそも涙小管って何でしょうか?図をご覧ください。

このように、鼻側の涙の細い通り道になり、涙小管炎は、この場所に細菌感染が生じている状態です。原因となる菌は、主に放線菌となりますが、この菌、非常に厄介です。
皆さんが、多くの眼科医から結膜炎にクラビット点眼、モキシフロキサシン、ベストロン点眼は、ほぼ効果がありません!


(Semantic sholar)

このような所見が涙小管炎となります。

(Semantic sholar)

涙点の周りを綿棒で圧迫すると大量の膿がでてきます。図のように涙石という石も出てくる事があります。
 
適応する薬は、日本ではあまり馴染みのないトブラシンという眼薬ですが、普通の点眼方法だけでは治りにくく、涙道にトブラシンを直接、流し込んだり、ステロイド入りの抗菌薬軟膏を、これまた涙道に流し込んだりします。
それでも治らない場合は、手術で涙小管を切開して、解放する事が必要です。そして可能であれば、涙管チューブを入れる必要があります。
 
このように目ヤニが出て、眼が赤いというだけで結膜炎と安易に考えるだけでなく、なかには、このように特殊な治療を必要とする病気もあります。
 
それでは皆さん、また2月に。
今月から、新たな広報担当者と頑張ってまいります。