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海外の面白いレンズ         日本未承認【強膜レンズ】

皆さん、7月ですね。 梅雨とは思えない暑さが続いています。 水分補給、帽子、日焼け止めと重装備?して、外出する事が多いでしょうか。
日焼け止め、私が子供の頃は、それほど重要視されていた記憶が無いのですが、今は、子供につけるように指導される事が多いのかな?と思っております。   さて、この度、7月に私は、初めてコンタクトレンズ学会に参加してきました。発表はしませんでしたが、コンタクトレンズの最新の傾向を知るためです。  
その中で、特に興味を引いたのが、“強膜レンズ”というコンタクトレンズです。

強膜レンズ

強膜レンズというのは、日本では未承認です。したがって、もし使用するならば海外からの輸入となります。このレンズ、一般的なコンタクトレンズ(【図1】)と違うのは、白目の強膜でレンズを固定する点です。【図2】のようになります。

【図1】一般的なコンタクトレンズ
【図2】強膜レンズ

このように白目で固定するので、黒目の表面である角膜に当たらず、また、角膜表面との間に空洞(水色の部分)ができて、ここに涙がたまり、レンズの役目を果たしてくれるため、角膜表面が歪む、円錐角膜などの角膜形状異常疾患の矯正にも役立ちます。また、一般的なコンタクトレンズは、角膜にピッタリくっつく為、ドライアイがあると、レンズが乾いて、装用感が低下しますが、こちらの強膜レンズは、白目に接地しているため、重症のドライアイでも、涙がたまりやすいため使いやすいという利点があります。

日本では未承認

繰り返しになりますが、日本では未承認です。
輸入になりますが、円安の影響で、かなりの値段です。
具体的な名称は伏せますが、海外からの個人輸入の関係で角膜専門のクリニックでの扱いが主な物となります。具体的な名称のクリニックの名前は伏せますが、片目だけでも、20万円以上の値段設定となっている場所もあります。

残念ながら、春日部中央総合病院眼科では、まだ今後取り扱う予定はありませんが、もし、患者様で興味があるのならば、取り扱っているクリニックに紹介状は書かせて頂きます。

奥深いコンタクトレンズの世界

学会に行くと、その世界を垣間見る事ができるのが醍醐味の一つです。
コンタクトレンズだけとっても世界は面白い、そんな思いを抱いたコンタクトレンズ学会でした。
 
いよいよ8月が目の前です。
十分な暑さ対策をして熱中症で運ばれないようにしましょう。
 
ではまた。