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2019 J2リーグ第5節 山形vs琉球

1.はじめに

 今週は出張続きでなかなか感想文に費やす時間が取れず、気がついたら次の試合当日になってしまうという体たらく。まだ今季5試合目にも関わらず、早くも立てた目標が頓挫しそうで、我ながら震えます((((;゚Д゚)))))))
 まあそれはどうでもいいんですが、今節は、今季J2に昇格し旋風を巻き起こしているFC琉球をホームに迎えた一戦。開幕以降4連勝している首位チームという事で、是非とも勝利して琉球の勢いを挫きたい。そしてその勢いを我が軍に取り込みたい。そんな個人的な思いと期待を胸に、試合を見てみました。

2.感想文

2−1.スターティングメンバーとシステム

両チームの布陣は、
・モンテディオ山形:3−4−2−1
・FC琉球:4−2−3−1(4−4−2?)

で試合開始です。

 FC琉球は、今季開幕から4試合全て複数得点で勝利しています。また、無失点の試合が愛媛戦のみという事からも、ノーガードの打ち合い上等の攻撃偏重チームだという事が分かります。正直モンテはノーガードの打ち合いを制するだけの攻撃力は現状持ち合わせていないので、琉球の攻撃をいなして1点勝負に引き摺り込めるか否か、が焦点となってくると思われます。
 また、上記の様にシステムの噛み合わせを見てみると、
①前線での数的不利をどう打開するか
②システム的に浮く両WBをどう活かすか
③中央の数的不利にどう対応するか

 がキーポイントになりそうだと感じました。

2−2.前半

 まず、琉球の攻撃として目についたのが、

・トップの鈴木がモンテ両ストッパーの裏へ斜めに走り込む
→そこ目掛けてDHからロングパス
・トップの鈴木が2列目の位置付近まで降りてポストプレーを行い、DHに落とす
→その間、2列目の3人は鈴木と入れ違いでモンテ最終ラインまで前進してラインを押し下げ、モンテの最終ライン〜DH間を広げる
→2列目の3人と鈴木が広がったライン間のギャップにポジショニングし直し、そのタイミングでDHが縦パスを入れるor上がってきたSBに展開


大まかにこの2つでした。どちらのパターンも、何度か見られた形なので、チームのやり方として整備されているものと思われます。特に1トップ鈴木の動きと上里の高精度のパスが非常に厄介でした。
 2−1の③に関し、琉球DHに前を向いた状態でプレーさせてしまい、縦パスを通されてしまったり、サイドに展開されてしまったりするシーンが何度か有りました。
 モンテは基本的に、守備時5−4でブロックを作り、中央にボールを入れさせない(→サイドに誘導する)様にしているので、上里への対応でDHが一枚寄せる事で空くスペースを使われてしまうのを嫌い、結果余裕を与えてしまう悪循環に陥ってしまいました。

(※上記の攻撃パターン例で示した図の様に、モンテの5−4の間に琉球前線の4枚+DH1枚が入り込む&4の両サイド(シャドー)の2人は琉球SBをケアするので、中央に縦パスを入れられたくないモンテはDHが上里へプレス行けない)

 中央はしっかり固めていたのであわやという場面は作られませんでしたが、耐える時間帯が長かったので、見ている側としてはしんどかったです。


一方、琉球の守備として目についたのは、


・モンテのストッパーやWBがボールを持った際、トップ・トップ下・そのサイドのSH・DHの4枚でハイプレスを掛けてくる
・その際、逆サイドのSHはサイドチェンジ警戒
・プレスを掻い潜られた場合は残ったDH1枚+最終ライン4枚で迎え撃つ


という形でした。
 これに対し、モンテは


・ハイプレスを避け、最終ラインからのロングパスでバイアーノに裏抜けさせる
・琉球ハイプレスの一つ奥、残りのDH一枚・SB・CBの所で、主に右サイドの坂元・本田・三鬼の3人が数的同数の状況で三角形を構築しながら敵陣深くまで突破を図り、クロスからチャンスを作る


事で打開を図ります。右サイドでDH・シャドー・WBでユニットを作り(②をここで活かし数的不利の状態から数的同数へ持っていく)、またこのユニットで相手SB・CBを釣り出し、中央でバイアーノと相手の残りのCBと1対1に持っていく(※③)という狙いが見て取れました。

 20分、31分の右サイドでの崩しや、22分のバイアーノ裏抜け等、何度か惜しいシーンを作りますが、得点には至らず。スコアレスの状態で前半を終えます。

※余談ですが、41分頃の、琉球自陣でのプレス回避のシーン。
CB・SB・SH・DHにGKを含めて、流動的に菱形を形成し、縦→横→縦とボールを動かしながら逆サイドへ展開したシーンでしたが、選手達の動きが即興とは思えないくらいスムーズだったので、この辺もきちんと整備されているとなると、チームとしてかなり完成度の高い状態なのだろうと思わされました。

2−3.後半

 前半と同様、琉球はトップの鈴木に当ててから展開する形、モンテは主に右サイドから崩してチャンスを作る形でゲームを進めます。

 50分、右サイドで後方から縦パスを受けた三鬼が、琉球SBを上手く躱して相手陣内に切り込みます。ペナルティエリアに差し掛かったあたりで、中央に走り込んだバイアーノへグラウンダーのクロス。惜しくも合わせられませんでしたが、決定機を作ることが出来ました。
 59分、井出に代わって大槻投入。2−2では触れませんでしたが、前半途中から、バイアーノに裏抜けではなくポストプレーをさせるボールを入れた際、即座に琉球CBとDHで挟み込まれてボールロストするシーンが多かったので、この大槻の投入で起点を増やし、前線からのプレス強度と共に攻撃の比重を上げようという意図があったと思われます。

 ・・・が!!61分。琉球DHからの縦パスを受けようとしたSHに、モンテストッパー熊本がトリッピング?でファールを取られ、PKを与えてしまいます。
 そのPKも、一度は櫛引がスーパーセーブするも、先に動いたというジャッジによりPK蹴り直し&カレーのおまけ付き。結局琉球に先制点を奪われてしまいました。

 この後、モンテはそれまでより高い位置からプレスを掛けていきます。
迎えた71分。
坂元がプレスを掛けに行き、琉球徳元→上里へのパスをカット。
→こぼれ球を三鬼が拾い、バイアーノへロビングを送る
→そのボールは琉球DFにクリアされるも、栗山がスライディングカットしボールは本田へ
→本田から相手DFラインのギャップへ位置した坂元へ縦パス
→右サイドでフリーになっていた三鬼へ展開
→ダイレクトで中央にクロス
→大槻ヘッド炸裂するも、惜しくも枠を外れる
中央に前線の3人を集めて一度縦パスを入れる事で相手DFを中央に集中させ、サイドでフリーを作るという狙いが見えた攻撃でした。

72分に坂元→アルヴァロ、85分に坂井→阪野と交代し、4−3−3に変更して迎えた86分。櫛引のゴールキックを前線で大槻が競ったボールをバイアーノが収め、相手ペナルティエリア角付近でファールを獲得。
→三鬼のFKから、中央で大槻と熊本が潰れる
→こぼれ球をバイアーノがヘディングするも、クロスバーに跳ね返される
→そのこぼれ球を熊本が押し込んでゴール!!
失点の原因を作ってしまった熊本が、汚名返上の同点ゴールを叩き込みました。

その後は両チームオープンな展開から互いに決定機を作りますが、得点を奪えずドローでの決着となりました。

3.最後に

 先制点を奪われた原因となった熊本のファールしかり、PK蹴り直しの判定しかり、判定自体を妥当だとしても、そこまで細かいところを見てジャッジしたかと思いきや、後半終盤の明らかなハンドを取らなかったり、琉球GKが阪野を突き飛ばしているにも関わらず見ていなかったりと、審判団のブレブレなジャッジが目立ってしまい、好勝負に水を差された感が否めないのが残念で仕方ありませんでした。個人的には、あの審判団に、どのプレーをどう見てそのような判断をしたのか、是非セルフ解説をお願いしたいものです。そして、今後のさらなる成長をお願いし、締めとさせて頂きます。
最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

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