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9/1〜、吉原弁財天前で営業再開します。(8/7〜、プレオープン)

※追記:本稿を書いている途中でクラファンの目標額を達成していました。ありがとうございました。クラファンは9/30まで会期がありますので、共感頂けましたら、ご支援のほどよろしくお願いします。


移転にあたっては告知を兼ねてクラウドファンディングを実施します。こちらでも移転の意図などをご紹介しているので、ご高覧の上、共感頂けますようでしたら、ご支援のほど、よろしくお願いします。

  • 新店舗住所:台東区千束3-21-14

  • 営業時間:12時〜19時(プレオープン期間中の暫定)

  • 定休日:月火(祝日の場合営業、翌日休店)

吉原弁財天の目の前。9/1グランドオープン。8/7プレオープンとなります。プレオープン期間中は暫定的なサービスや、改装工事のため臨時休業となることもあります。SNSにて発信していきますので、フォローよろしくお願いします。

遅くなりましたが、移転に際して多くの方から頂戴した暖かいお言葉にお礼申し上げます。もとは2016年に店主の私、渡辺豪が「遊廓の歴史を残すためにどうすれば良いのか?」という自身の勝手な課題からスタートした前例のない書店でしたが、いつしか多くの人の想いを背負っていたことに気づかされました。

移転は単なる物理的な移動に留まらず、そもそも私たちカストリ書房はどのような書店を目指していくのか? という根源的な問いに立ち返る良い機会となりました。

その答えのいくつかを移転後の新業態として追加しました。クラファン本文でもご説明していますが、本稿では「交流拠点としてのカフエー&バー」の企図について、補足してみます。

従来の店舗に来店してくださる方の中には、店主の私とコミュニケーションを積極的にとって下さる方が少なくありませんでした。ありがたいことです。同好の士としてモチベーションも高まり、むしろこちらが勉強になることばかりでした。

ただ、頂戴した質問によっては当然答えられないものありましたし、むしろ私の役割として一層寄与できることがあるとすれば、人と人と繋ぐ役割だろうと理解していました。店主と来店者との「一対多」ではなく、来店者と来店者との「多対多」の関係性を構築したい。そのお手伝いのため、飲食の場を提供するという結論に至りました。

「遊廓カフエー&バー」なる飲食スペースがどのような性格のものか、こちらで表明しておきたいと思います。

「マニアが集う場所」と自称したくはありません。「マニアが集う場所」と名乗れば、メディアにも取り上げて貰いやすくなるでしょう。マーケティング上は名乗るのが正解です。しかし、遊廓に限らず、多くのコミュニティが衰退する原因はビギナーの参入が減る一方で、古参やマニアと呼ばれる層が独自のルールや美学を定め、ビギナーにこれを強要してきたためです。

カストリ書房の店主である私も、このジャンルに興味を持ち始めた頃、先達から、幾度となく次のように聞かされたものです。「街を訪れても風のように立ち去るべき」「遊廓文化を本当に知りたいなら、現代性風俗にも行くべき」「昔(自分たちの頃)は街がピリピリした独特の雰囲気が流れていて近づけなかった」「遊廓と貸座敷は違う」「女は行ってはいけない」云々。こうした道学、衒学然とした排他的な姿勢がどれほどビギナーを排除してきたか。

少なくとも弊店が新設する遊廓カフエー&バーに来店するにあたって深い知識は不要です。必要なのは隣席への思いやり。ビギナーを軽視したり、知識のマウント合戦をする場とはしたくありません。「放言できる場」ではなく、「傾聴したい場」にしたいという願いがあります。

次に、「遊廓カフエー&バー」と名乗ると、おそらく少なくない誤解が生じかねないので、予めお断りしますが、ここは猥談に耽る場所ではありません。猥談そのものを否定はしませんが、秘事をやみくもに白日の下に晒すことが前進ではない、とカストリ書房は考えています。大切なことはそのまま胸の奥に、日頃、意見交換する機会が得づらいテーマについて、知性を足場にした冷静さと情熱、そして相手への配慮敬意をもって語らう。そんな場所を目指しています。同好の士が集う場所だから、こうした当たり前のことを大切にしたいと思っています。

最後に、遊廓カフエー&バーと大仰に名乗りましたが、カウンター5席だけの小さな「溜まり場」に過ぎません。弊店にとって来店者にとっても初めての空間となりますので、現場でのフィードバックなど貰いながら、共に創りあげていければと思います。どうぞよろしくお願いします。