クラウドファンディングのお礼とご報告
2023/10/10追記:追加でご支援を頂戴したので修正。
8月1日から9月末日までの2ヶ月間催した、カストリ書房移転に際してのクラウドファンディング(以下、クラファン)、過日無事終了しました。本稿ではお礼を兼ねてご報告したいと思います。
クラファンでは216名様から190万1,077円のご支援を賜りました。またクラファンとは別に直接での手渡しや銀行振込でもご支援を頂戴しました。これらすべてを合算すると、以下の通りとなります。
支援総額:302万1,077円
支援者数:228名
クラファンでは移転関連の費用捻出を目的としましたが、店主・渡辺豪の取材活動(noteリンク)をご存知の上「取材に役立ててください」とのお申し出も頂戴しました。カストリ書房一同深くお礼を申し上げます。
弊店は2017年にも、アーカイブを設置するため広い店舗に移転し、併せてクラファンを催しました。
その折、115名様から約210万円のご支援を頂戴しました。2017年と2023年を比較すると、支援者数では2倍、支援額は約1.5倍となりましたが、この5年間、単純な数字の比較だけでは言い尽くせない事情背景がありました。長引く景気後退に追い打ちを掛けるようなコロナ禍を経た2023年、すべてのご支援は、金額の多寡に関わりなく皆様の身を削るような想いが託されているものと拝察します。
2017年と2023年ではクラファン目的そのものが異なりますが、リターン設計も変更しました。
2017年に用意したリターンの多くは、物質的(ないし労力的)メリットをお礼としていました。これは、一般に「購入型クラファン」と呼ばれるものです。対して2013年のリターンは、モノやサービスがない純粋な寄付や権利を多く盛り込みました。これは一般に「寄付型クラファン」と呼ばれます。
換言すれば金銭的メリットを多く据えた2017年のクラファンは、まず商品やサービスの魅力が問われるものでしたが、モノやサービスがないリターンを多くした2023年は、より弊店の社会的な存在意義が問われるクラファンでした。
遊廓という歴史の1ページを残す上で、カストリ書房が意義あるものと評価されるのであれば支援が集まり、反対に、意義がない、あるいはカストリ書房を介した遊廓なる過去に歴史的価値を見出せないと評価されるのであれば支援も集まらない──
これを見越した上で、寄付型クラファンに寄せた設計を試みました。
結果的には、前回2017年より2倍の支援者数、1.5倍の支援額が集まったことは前述の通りですが、前回は4万円弱だった寄付型リターンが今回は200万円超、全体の2/3を占めたことは、弊店が遊廓史を担う一欠片として受け容れられている確かな手応えを感じました。一方で、支援が多いほど、私たちカストリ書房はまだまだ一人歩きできず、人様の厚意に寄り掛かった半人前の存在であることも明らかとなりました。
併せてのご報告として、今回用いたGREENというクラウドファンディング会社さんでの手数料は12%でした。GREENを介して頂戴した約192万円のうち約23万円を手数料としてお支払いしています。正直、小さくない金額です。
クラファン検討に際して、より手数料の少ないnote(10%)やインスタントEC(約5%前後)での実施も視野に入れましたが、クラウドファンディングという手法がより多くの関心を引き出すことや、経済の循環を無視することが最良ではないとの判断から、もっとも手数料の低いGREENさんを用いました。またGREENさんはカストリ書房と同じカルチュア・コンビニエンス・クラブのグループであることから、本来の手数料率からさらに1%引き下げるご高配も頂戴しました。「クラファンだと手数料を取られるでしょう」とお気を使って下さる方が直接手渡しなどでご支援して下さったことも申し添えます。
クラファンに掲げたバリアフリー化については過去の記事でご紹介しています。こちらもご参照ください。
個々のリターンについてはGREENを通じてご連絡申し上げます。
今回頂戴した皆様からのお志に叶うよう、一層努めて参ります。ありがとうございました。