虐待の連鎖。

虐待は、連鎖します。犯罪は連鎖します。

加害者は、かつての被害者。
そんな一面もあるものです。

さて、今朝方、ネットニュースを見たのですが、女性が自首しました。

罪状は、殺人。生まれたばかりの赤ちゃんを殺したことで、です。

しかし、彼女は、長年―――中学生の頃から、母親の再婚相手から性的虐待を受け続けていました。

赤ちゃんの父親は、その義理の父親です。

彼や母親は、彼女を助け出そうとした知人女性を怪我させています。

今回の自首は、女性が虐待の連鎖、犯罪の連鎖を立ちきり、本当の安全と自由を手に入れるために必要なことでした。

しかし、彼女は、子殺しの罪を償わなくてはいけません。

自分が生まれた経緯がなんであれ、赤ちゃんには罪がないから、です。そして、どんな経緯があったにせよ、生きている存在を殺すことは罪だから、です。

彼女は、自分のおこしたことによる裁きを受ける決断をしました。

彼女が受けたこと、彼女の知り得る真実すべてを、白日の元へさらし、皆にあえて広めたのです。

これが、この自首の意味です。
大人になるの意味を彼女は教えてくれました。

彼女は、犯罪者として獄中に入り、獄中から出ても、前科によって社会的に裁かれ続けることでしょう。前科がある人間がふつうに就職することは難しいから、です。

貧しさは、犯罪を呼びます。

彼女の母親は、車イスが必要な方だそうです。
何故、車イスが必要な生活になったのでしょうか。
そこは、情報が不足しておりますので、憶測しか出来ません。

女性が長年性的虐待を受け、助けに入った知人女性を怪我させた、という事実から推測されるのは、この男性は暴力癖があること、です。

何故、暴力癖がある男性と母親は別れることが出来なかったのでしょうか。

それは、母親が、男性に頼って生計をたてていたから。

あと、シングルマザーが二人分食べていけるだけの生活費を稼ぐのは、かなりしんどいことです。

おそらく、この母親は、親族との縁がきわめて薄い人物であろうと思われます。
母親も、また、性的虐待の被害者、あるいはネグレクトや身体的虐待、精神的虐待の被害者だった可能性はかなり高いでしょう。

彼女が生まれた経緯も、また、虐待の可能性もあります。

虐待を受けた女性が、ひとりで飛び出してみても、虐待故に義務教育をまともに受けさせてもらえていなかったりするため、低学歴であるケースは多いです。

低学歴の人がつける職業は、きわめて少ないです。

低学歴故に、情報収集能力も低くなりがちで、雇われる以外の選択肢を思い付かない場合や、フリーランスで食べていくやり方を知らない場合も多いです。

そして、低学歴故に、避妊のやり方すらわからず、避妊をするお金もない場合、いやそもそも避妊をする気すらない場合も多いです。

男性だと、父親のようにギャンブルや麻薬、タバコや酒や女に溺れることでストレス解消させながら、
低賃金のアルバイト、女性なら女を売る仕事をするのでしょうか。

そして、望まない子供を次々つくり、仕方なく育てていき、貧乏と暴力に甘んじた生活をして、時をすごしていく。

親の手元から引き離し、施設や里親、養子に出されても、子供たちは精神を病みやすい状態になることは同じ、です。

このような連鎖を、彼女はたちきりました。

自分が、自首をし、責任を引き受けることによって、です。
彼女が代々の罪を償い、事実を抹消させず、隠さず、公にし、歴史に残したことで、彼女の家系の罪の連鎖はたちきられ、彼女は、本当の自由を手に入れました。
獄中から出た後は、彼女がその時に本当にやりたい生き方をするでしょう。

彼女が、このような選択肢をとる勇気を出せたのは、知人女性の支えが大きいでしょう。

獄中から出たあと、何の保障もない、自由な世界。

こわいと思いますよ?
だって、前科あるという事実は残りますし、仕事も見つかるかわからないし、安心して頼る親族や友人知人なんて、ないに等しいでしょう?
だって、自分が一番苦しいときに助け船を出しもしない、見ないフリする人を頼る人はいないし、頼ってみたところでいい結果は出ません。

また、こういう女性は、本当の意味で優しい男性を知りません。

自分に暴力をふるわない、自分を支えてくれる男性が世の中にはいることや、そのような男性の見分け方をしらないのです。

論外のカップルに生み育てられてしまうと、論外の異性をつかみやすいのです。

この点、彼女の苦しいときに助けにきたかたが女性でよかったのかもしれません。

この知人女性が、獄中から出た自分を支えてくれる、という確信が、彼女を厳しいけれども真に永遠に自分を救う道に導き、彼女が自首する選択肢をとる背中を押したのでしょう。

それでも、彼女には、あえて母親と同じ道をゆき、苦しみ続ける一見楽な道もありました。

それは、何も考えないですむ、他人のせいにして生きる、責任をとらないし、責められても責められきれない、楽な道です。

今の世の中の人々の大半は、何も考えない苦しくて楽な道を選びます。
これは、釈迦が生きていた時代から、ずっとそうなのです。

世の中の、図々しい、ずっと愚痴や悪口、他人の噂話で日々を暮らす人々は、みな、何も考えない苦しくて楽な道を、ただただ時間やお金を浪費しながら生きていきます。
時間やお金を浪費しているのですから、当然貧乏になるのですが、それですら、他人、つまり国や社会や世間とやらを責めながら生きていきます。

それは、彼女の、そしてこれを読んだ皆様の人生の選択の自由なのです。

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