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戦国BASARAの大友宗麟の魅力を語る

タイトル通りです。大友宗麟(おおともそうりん)の魅力を箇条書き+解説で書いていこうと思います。

本記事は戦国BASARA大好きだけど宗麟に興味が無い人、ちょっと興味ある人向けに書きましたが、BASARAを知らない人でもできるだけ読めるように書いてみました!

宗麟のストーリーを中心としたネタバレを含みます。

まず書こうと思ったきっかけですが自分のTwitterを見返していた際に「こいつ宗麟オタクのくせに全然宗麟の好きなところ語ってないな!?」と気づいてしまったことです。じゃあ普段何をしているのかというと大友宗麟の解釈ツイートをしています。掘り下げるばかりで私のツイートを見ている人は全員大友宗麟の魅力を知っている前提だと言わんばかりのツイートしかないです。そこでプレゼン記事を書いてみようと考えてみたのです。自分でももう宗麟のこと考えすぎてて何がなんやらわからないので一旦整理したいという理由もあります。

という訳で思い至りました。宗麟は万人受けするキャラ立てではないので「そこが嫌いなんだが…」と思われたらすみません。オタクが語りたいだけです。

※本記事は「戦国BASARA3」と「戦国BASARA3 宴」をベースとしております。サムネは4のものなので詐欺っぽくなってしまったことをここにお詫び致します。

そもそも戦国BASARAとは、戦国時代が舞台のカプコン製アクションゲームで武将の荒唐無稽なアレンジが面白い作品です。現在15周年を迎えています。宗麟はそのゲームのキャラという訳ですね。

まず最初に公式サイトのキャラ紹介を読んでもらいます。

引用 https://www.capcom.co.jp/sengokubasara/character/

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自分の国を怪しい宗教でめちゃくちゃにして、教祖不在の教団を作ってしまうというイロモノキャラとなっています。公式の台本では「子供・超わがまま・高圧的・顔は賢そうだが馬鹿」となかなか辛辣かつ端的にまとめらたト書きを確認する事ができます。クセのあるキャラばかりの戦国BASARAにおいても浮いており、特殊な立ち位置です。
ザビー教とはキリスト教がモチーフの架空の団体でザビー(ザビエルがモデル)が作った宗教です。ザビーは宗麟を語る上で欠かせないので紹介しておきます。

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このザビーというキャラが厄介で愛を信じさせるために日ノ本に来た訳ですが暴力的な手段で入信させてしまうんですね。宗麟はそんなザビーを信仰しています…。

いよいよ本題です。大友宗麟の魅力を連ねていきます!

1.とにかく強い

厳密に言うと乗り回している戦車が強いです。(あと従者の方が強い)

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私はオタクである前にただのゲーマーなので性能が良いキャラが大好きです。宗麟はパワータイプでありながら武人でも動きがおっそくてタメが多い訳ではないです。結構動けますしやらしい戦い方をします。
さらに宴(追加版)で丸々新しく作られた固有技たちもぶっ飛んでいて、他のキャラとは全く違った独特の操作性を誇ります。
雑魚殲滅能力に長けた技が多いためモブ兵をボタン一つ連打するだけで倒しまくることができます。そのプレイにはとても爽快感があり、一騎当千の無双系アクションゲームにまさにふさわしいキャラクターと言えるでしょう。
対武将戦でも力を発揮する事ができ、固有奥義の「そう、あなたの面影」は上手くやればノーダメージで武将を倒せるほど強力です。

画像は技の一部です。モーションが非常に凝っており見応えがあります。バカっぽくて大変良いです。

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宗麟の技モーションはザビーに似通ったものが多く、宗麟なりのリスペクトを感じます。(上二つの技はザビーも似たような技があります)“流用“でなく”再現“なので手抜きでもなんでもなく知っていたら楽しい小ネタのようなもので、前作をプレイしていたファンなら感動ものです!
技とは関係なくなってしまいますがザビーと同じことを言っているセリフも多く、ピンときた時に嬉しくなります。

ここで私の好きな固有奥義を紹介させてほしいのですがこちらの動画をご覧ください。短いです!見てください!

見ていて元気が出る技です。どうして踊りながら攻撃できるんだろう…とかそんな疑問はあの独特の声を聞いていたら消え失せます。そして「イェイイェイイェ〜イ♪イェイイェイイェ〜イ♪アイムアソーリン!」という箇所ですがまるで幼女がアルドルごっこするために作詞したみたいな趣があって大変良いですね。

「そういえば使ったこと無いなー」と言う方は是非!一度使ってみてはいかがでしょうか。きっと強いので好感度上がります。しかし操作性にかなり癖があるので慣れるまでは結構大変かも…。

これらは裏を返すと敵に回したら強すぎて大変と言う意味なので結構負の感情が湧くこともあるかもしれません。

2.最高のシリアスブレイカー

たくさんのシリーズを重ねた戦国BASARAですが大友宗麟さんの初出作品は「戦国BASARA3」。ちなみにこの時はNPCキャラで操作することはできませんでした。この3、BASARAの転換点とも言える作品で前までのシリーズに比べてとにかくシリアスで史実要素が少し強まっています。バカゲーと言われればバカゲーなのですがとにかく鬱ストーリーが多い!関ヶ原の戦いをメインにしているので人死にも出ます。
そんな3に舞い降りたのが大友宗麟。シリーズをリストラされてしまった教祖のザビー様の代わりにザビー教担当、ギャグ要員として登場したと思われます。これはザビー教全体に言えることなのですがとにかくセリフがパロ、ギャグ、悪徳宗教ネタのオンパレード。一見スベりそうに思うかもしれませんがザビー教はヤバめのカルト集団なのでシュールなギャグが基本です。必ずしも笑わせる必要はなく、引かせれば勝ちです。私は戦国BASARAのギャグ台詞で笑ったことはほぼ無いのですがザビー教のセリフは面白くて好きです。ちょっとブラックだし。

ここで例として大友ザビー教国の戒めを見てみましょう。

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こんな感じです。訳がわからないと思いますがこういうユーモアなのです。

操作キャラがラストで精神に異常をきたしてしまう三成の赤ルートや胸糞要素が強い毛利一人勝ちエンドでざわついた心を宗麟は癒してくれます。(この二つのルートも好きですが心に少なからずダメージを負ってしまうという意味であり決して優劣をつける意図は無いです!シリアスはシリアスで良いのですがギャグ要員がいるとさらにメリハリが出て私は好きです。)

信仰しているはずのザビーの顔を模した戦車を乗り回し目の位置からミサイルをぶっ放してくる様はとてもシュールです。

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そして追加版の「戦国BASARA3 宴」でPC昇格しストーリーが書かれます。そのストーリーはミュージカル調で宗麟は終始歌ってばかりです。そして宗麟ストーリーのラストでは普段は外道と呼んでも差し支えない毛利さえも洗脳して一緒に歌ってしまうというオチ。その様子はメインキャラが首を絞められ火だるまになるという衝撃的な展開(松永ストーリーのこと)などで落ち込んだ心をこれまた癒してくれるのです。
同じギャグ要員である小早川と天海、最上などともきっちり差別化ができていてキャラ被りも起こしていません。なぜなら宗麟は上記の3人と違って関ヶ原の戦いに参加しないからシリアスにしようがないからです。3のシリアス成分の大半を占めていた関ヶ原の戦いにいないということはギャグ全振りのキャラといっても間違いではないのです。(厳密に言うと違うのですがそれは後述)

3.他の少年キャラとは一線を画すキャラ造形

宗麟は公式で幼いと明言されていますが戦国BASARAにおいて年齢が幼いキャラというのは珍しくありません。男子だけをピックアップしても

生意気で子どもっぽい森蘭丸

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従者の忠勝に命令するだけなのに腹筋バキバキな徳川家康(幼少期)

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顔は渋いけど性格は悪ガキな宮本武蔵

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気弱な優柔不断でウザかわいさがある小早川秀秋

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武将見習いの迷探偵で見た目がかわいらしい山中鹿之助 

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と宗麟を除いても5人存在してます。宗麟の記事なので雑に説明してしまいましたがどの子もいいキャラしてます。興味があれば下記公式サイトのキャラ紹介を覗いてみてください。(画像出典も兼ねます)

https://www.capcom.co.jp/sengokubasara/character/.
https://www.capcom.co.jp/basara4sumeragi/chara_yamanaka.html (鹿之助)

ここまで少年がいても誰一人キャラ被りを起こしていないのはBASARAの長所だと言えるでしょう。

宗麟が上記の5人と異なる部分について説明します。まず顔立ち。(全員違うので当たり前ですが)改めて宗麟の顔を見てください

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どうでしょう。少し美少年要素が強いのではないでしょうか。史実でキリシタンであった大友宗麟を金髪にして異国風の顔立ちにしてしまうのが戦国BASARAなのです。

そして彼は常に高圧的な敬語でしゃべります。少々わがままな少年が多いBASARAですが宗麟の圧倒的上から目線は目を見張るものがあり、また外交上手であったという史実を生かしてか彼は商売人気質なところがあります。(やっていることはほぼ詐欺ですが…)
わがままは子どもっぽさの表れともいえますが、教団を作り上げるしたたかさは子どものソレとはかけ離れているように思えます。このギャップが宗麟の性格に深みを出しているのではないでしょうか…(後述)


宗麟の高飛車な態度は他の少年キャラの生意気さとは違って少しませた感じがします。例として宗麟の二人称を見てみると、自分の部下や完全に敵とみなした人には「お前」「お前たち」と言うのですが少しでも入信の可能性がある人に関しては「あなた」「みなさん」と言います。表面上ではありますが一応客に対して最低限の礼儀をわきまえる思考は存在しているようです。


誰かを信仰している、とワガママで高圧的が同居するキャラ造形は珍しいと私は思います。自分以外の一番を作っておきながらその一番を差し置いて自分の権力を主張するということに他ならないからです。

4.ザビー様を小馬鹿にしているとしか思えない発言の数々

宗麟は教団を率いていますがあくまで彼は信者。開祖をザビー様と呼び慕い信仰していて、主従とは全く違った関係を築いているのです。しかし宗麟は度々ザビーを小馬鹿にしているとしか思えないセリフを口にします。一部抜粋すると

その程度の働きで許されるのですか?時給制のザビー様より儲けてるくせに!

プレイヤーが大友軍武将を倒した時のセリフです。戦国時代に時給制…?という疑問はザビー教特有のユーモアだとしてこの言い方だと完全に馬鹿にしているように感じます。

ふにゃふにゃの門ですね!ザビー様のご意志のように!

開門した時のセリフ。
挙げるとキリがないのでこれぐらいにしますがこんな感じで小馬鹿にしまくっています。

豊臣秀吉への忠義がほぼ信仰に達してしまっている石田三成なんかはこんなことを言わないです。よっぽど三成の方が主を「崇める」という表現がしっくりきます。

これらを踏まえると「大友宗麟のザビーに対する信仰は本物では無いのか?」という疑問が生じますが、そうだと思います。

戦国BASARA3の宗麟がボスのステージでは踏み絵をモチーフにしたギミックがあります。

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絵面がシュールなのは置いといて、この橋は今は会えないザビー様と宗麟の思い出を描いているのだそう。
プレイヤーはこの橋を通りたいので当然踏みますが、その際に宗麟がなんて言うのかというと、

あっ!僕の顔を踏むなんて…宗茂、これもお前のせいです!

※宗茂は部下のこと
先に「僕の顔」というワードが出てきている時点で閉口してしまいますが、それ以前にこれは踏み絵なので信仰が一気に怪しくなりますね。

そもそも宗麟に「ザビー>自分」という思考は無いと言っても過言ではなく、

平伏しなさい!僕はザビー教大国の主です!

というセリフを発してしまっています。そのザビー教を作ったのは誰だよ!とツッコミを入れたくなってしまいますが、宗麟にとってのザビー教は自分があってこそみたいです。

さらに、戦国BASARA3で宗麟が撃破された時に言う死に台詞がこれです。

お前は何者…?もしや…か…み…

死ぬ寸前にプレイヤーから神を見出してしまっています。このセリフを聞いてなお、宗麟の信仰を本物だと言うことはできません。宗麟が信じていたものはなんだったんでしょうか…
(※次回作の戦国BASARA4では全く違うニュアンスの死に台詞になっていますが、死に台詞どころか宗麟の性格までもが変わってしまっているのでこの記事では触れないことにします。ちなみにザビーを小馬鹿にした態度は健在です。)

5.独特の声

大友宗麟は独特の声をしており、最初は声が合ってないように感じることもあります。私は声優に疎いためよく分かりませんがCVが杉山紀彰さんだと言えばピンとくる方もいるのではないでしょうか。

かなり上の方で紹介した動画で声が聞けたと思いますが改めて聞いていただこうと思います。(宗麟がしゃべり終わったら見るのをやめても構いません)
上のとは違う部分なので!是非見てください!

どうでしょう。息継ぎが激しくてテンションが高いです。落ち着いている時はもっといかにもなイケボなのですが良いことがあったりするとこんな感じになってしまいます。

この声が本当にクセになる!こうでなければ私は宗麟のことをここまで好きになってはいないでしょう。

初登場の時から比べるとどんどん声が高くなっていき今では全然違う声になっていますが、シリーズごとに声の違いを楽しむことができます。

6.時折感じさせる影

記事にも散りばめたので気付いている方もいるかもしれませんが大友宗麟は時折影を感じるようなセリフを言います。その最たる例がこれ。

僕には…ザビー様が居ますっ!だから、淋しくないのです…!

これはゲーム中で究極バサラ技(いわゆる必殺技)を発動した時のセリフなのですがムキになったような感じでこんなことを言います。公式台本のト書きでは「ちょっとシリアスに/やや硬い声で」という記述がありました…

このセリフを聞いてから大友宗麟観が180度回転します。彼は度々自らを「ザビーの子」と称するのですが、これが言葉通りの意味であるとすればザビーに父であることを求めていると言えます。宗麟の言う信仰とはもしかして依存ではないでしょうか。なんらかの理由で親や愛に飢え、宗教にハマってしまう子ども…こう捉えることもでき、頓珍漢にしか思えなかったセリフの数々も今までとは見え方が変わってきます。

これらを裏付けるセリフはあります。

「戦国BASARA2 英雄外伝」においてザビーが

ココロ弱い人は、すぐに人を信じマス

と発言しています。宗教にハマる人の心理を言っているのでしょうが、次回作で宗麟が初登場した後に見るとこのセリフはかなりくるものがあります。

そして宗麟自身のセリフで

あなたはザビー様のような愛を放っています!いえ、もっと爽やかで心地よい愛です!

というのがあります。ここでいう「あなた」とはまつのこと。まつは前田利家の妻で料理の腕と薙刀を振るうお母さんキャラです。そんなポジションの人にこのセリフを言う意味とは宗麟が本当はザビー教の言う愛でなく、温かみのある家庭のような愛を求めていることについての示唆ではないでしょうか。

宗麟のストーリーをプレイするとちょいちょいこんな感じで影を見せてくるのでドキドキしてしまいます。改めてプレイしてみることをおすすめしたいです。

様々な側面を持つ大友宗麟は分析しがいがあってとても深いキャラクターです…

7.従者である立花宗茂との関係

宗麟自体のことをたくさん書いたので、対人関係についても少し触れようと思います。宗麟は大分県の武将なので九州の武将や毛利元就と面識があります。一時的に信者になっているその人らと一緒にボスとして出てくるステージもありますが、それを除けば疎まれていることがほとんどです。毛利は洗脳されると我を失ってしまうことを嫌い、宗麟を拒絶しています。(宗麟は友達だと思っているようですが…)
乱世や天下に興味を示さずひたすら布教をしているのでとにかく浮いています。その上怪しい思想や詐欺紛いの商売、宗麟の高慢さも災いしもはや大友軍は孤立しています。

そんな宗麟の隣には忠臣がいます。その名も立花宗茂(たちばなむねしげ)

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その戦闘能力は作中トップクラスという設定でありながら文学などにも造詣が深い文武両道キャラとなっています。「主に尽くしてこそ武士の道」という思想を持ち、暴君と言っても差し支えない宗麟に死ぬまでついていくことを決めています。

しかし宗茂はまともな人間であるため宗麟の行いを決して肯定せず、いつも心の中でぼやきながら命令を遂行しています。幼い主に立派になってほしい、ザビー教信者になりたくない、主のワガママ放題についていってこそ忠臣、評価されてるけど本当は武士をやめたい、など色んな感情がせめぎ合う人間くさい性格です。(それらの心の声はプレイヤーに丸聞こえな仕様)

彼のストーリーでは自分の在り方に悩み、宗麟と向き合っていく様が描かれます。ギャグの中に感動がある素敵なラストなので是非見てほしいです!

宗麟は3だと口を開けば「うるさいですよ宗茂」とばかり言うのですがいなくなった宗茂を探したり、自分なりに高圧的な褒め方をしてみたりと、節々から一定の信用を感じます。
宗麟の記事なのでここまでにしますが二人の関係は作中でキャラに「家族」と称されており、なかなか情緒ある素敵なものとなっています。

最後に

ここまで読んでくださってありがとうございます!大分長くなってしまいましたがこの記事で少しでも大友宗麟のことを好きだと感じていただければとても幸いです…

画像出典・引用元

https://www.capcom.co.jp/basara4sumeragi/chara_otomo.html
https://www.4gamer.net/games/094/G009450/20100514037/
https://www.4gamer.net/games/136/G013660/20111031004/
https://www.youtube.com/watch?v=d7oGngBSrig
https://www.capcom.co.jp/basara4sumeragi/chara_otomo.html
「戦国BASARA3 台本全集」
「戦国BASARA3 宴 台本全集」
「戦国BASARA2 英雄外伝 台本全集」

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