男の腕に抱かれジャケット

この世には「ジャケ買い」という行為があるが、私も多少なりとも「ジャケ買い」をしてしまうことがある。
とはいえ、初めての「ジャケ買い」は母からの「ジャケ貰い」になったのだが、それは中学生の頃だった。
ある日母が持っているCDを見せてくれて、好きな物を持っていってもいいよと言ってくれたものの中に、それはあった。
女性がうずくまっている様子を接写したジャケットのフリッパーズ・ギター「colour me pop」や、本人が強烈な笑顔で写っている久保田利伸「Such A Funky Thang! 」などの中に、ミントグリーンの紙ジャケットが覗いている。
取り出してみると、黒々とした髪の毛を後ろになでつけ、こちらを覗き込むようににやりとしている男が写っている。その横には装飾された字体で「早熟」と書いてあった。
さらに開くと、その男が上裸で横たわり、こちらを見ている。こんなに間近で男性の乳首を見ることがなかったので、とても引いたことを覚えている。この人はなぜ、嬉々として自分の乳首を見せつけているのか。
しかし、その一枚がどうしても気になってしまった私は「これとこれとこれを頂戴」と「colour me pop」「Such A Funky Thang! 」の間にそれを挟み、「早熟」を手に入れた。

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冒頭からあまり関係ない話をしてしまった……。
さて、この世には「男の腕に抱かれジャケット」というジャンルが存在する。
主に女性シンガーの4〜5枚目からのアルバムに見られるのだが、大抵男の顔は写っておらず、その身体はもれなくムキムキである。
そして、「男の腕に抱かれジャケット」はハズレがない。私が今までに手にしてきた「男の腕に抱かれジャケット」は、どれも印象的だ。
「男の腕に抱かれジャケット」には法則性も何もない。ただ、「男の腕に抱かれる女性シンガーが写っている」「曲が良い」、その2つが共通しているだけである。

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ストリート・スキャンダル/芦部真梨子

1枚目から「男の腕に抱かれジャケット」というか、「男の腕にとらわれジャケット」になってしまった。
こちら実は所有していなくて、とある飲み屋のDJがかけていたところを私がお願いして、丸々聴かせてもらったという先方にとっては大変迷惑だったであろう思い出がある。
おそらくこのアルバムでは、1曲目の「ハイウェイ・ダンサー」が最も有名だろうか。もはや「ガラスの仮面」よりも、インターネットではこの曲が有名なのではなかろうか。

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Vocalizaiton/森川美穂

森川美穂の気合の入ったアルバム。1曲目の「ブルー・ウォーター」から強い主張を感じる。さすがのアルバムタイトル。全体的に跳ねるようなポップな印象の曲が多い。森川美穂のパワフルなボーカルに引っ張られるように、どの曲も乾いた強めのドラムが鳴っている。

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150930/七星ぐみ

このジャケットを初めて見たとき、とても感動した。この頃(2017年頃)WACK所属アイドルが急成長していてその過激さで見過ごされていたけど、バンもん!のぐみてゃんもすごい。このジャケットにゴーを出した人たちもすごい。各メンバーがクリエイターと組んでソロ曲を作ったのだが、七星ぐみさんはこういう曲をやるのかとちょっとドキドキした記憶がある。

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「男の腕に抱かれジャケット」というジャンルが存在すると言ってはみたものの、実は自分の知る限りそんなになかった。いや、きっと知らないだけで、もっともっとこの世には「男の腕に抱かれジャケット」があるのだと思う。
私が見つけられたのはこの3種だけだったが、ぜひ「男の腕に抱かれジャケット」を見つけたら教えてほしい。
私は常に「男の腕に抱かれジャケット」情報を欲しています。

以上です。

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