じゆうのみかた
「2010年9月」の話でした。
この話は「眩暈」で一先ず終わった二人の話を再スタートさせた記念すべき1話目でした。思いのほか人気の話で、とても嬉しかったです。
改めてご説明すると、今回は第三者視点からの二人の話でした。
七二三の祖父母が二人のことをどう見て、どう思っているのか。その点に触れたつもりです。
実際に投稿した順としては祖父母が初登場したのはこの話です。
そしてその後、「2010年3月」の話として「Believe」を描きました。
以下から「語り」です。
今回はおまけ漫画は無いので、無料公開です。
「なんでコイツ連呼するんだよ…」
七二三が深敦の名前を照れながら呼んでいたのを聞いていた流れからのこのシーンです。
※そのシーンを描いた漫画は現在限定公開となっています。
七二三と深敦
謝ろうとする深敦を咄嗟に止める七二三。あくまで「連れてきたのは自分だから」という考え。
今回結構七二三から深敦へのボディタッチ多いんですが、本人の不安もあるし、他人と一緒にいるのが苦手な猪去を心配する気持ちの現れです。
花形兄弟
長男が一鉄、長女が一子、末っ子が八芭。4人兄弟です。
全員身長が高い、部活動で全国レベルの活躍をしているといったこともあり、地元でも有名な兄弟でした。
深敦でも同中だった一鉄と八芭の姿は見たことがありました。
※一子は別中に通っていたため会ったことはありませんでした。
七二三もバスケを頑張ってはいましたが、兄弟と同じ熱量ではなかったし、そりが全く合わないこともあって、花形は兄弟のことが苦手でした。
特に兄とは確執がありました。
花形七二三
花形は運動が好きではあるんですけど、それを極めたいということはなく、自分のペースで好きに続けたいと思っています。
そして運動以外にも好きなものはあって、それをやってみたいと思っても、周囲、特に家族には理解してもらえず、今に至っています。
「期待に応えたい」と思う反面「自分の好きな風にしたい」という葛藤と、前述の兄弟と馴染めなさから、家族で孤立している、その結果が写真にあります。
猪去深敦
花形祖父母からしたら「なんでこんな子が孫の友達に?」と疑問を抱いていました。
加えて友達を連れてくることなんて一度もなかったからとにかく興味津々でした。
深敦も祖父と二人で話すことで、自分が七二三のことを全然知らなかったことを実感し、ますます彼のことを知りたくなりました。
「息苦しいだろうよ 好きなことに胸張れないってのも」
深敦はこの言葉に衝撃を受けました。
まさか七二三が、あの「強く自分を引っ張ってくれるたくましい存在の」七二三が、自分と似た「息苦しい」という思いを経験していたなんて、そしてその苦しさが、「自分の好きなこと、興味のあることを隠す苦しみ」だなんて、思いもよらなかったからです。
そしてそれを案じる祖父の姿に、「世の中には理解してくれる人がいるのか」という驚き。
年齢的なものもありますが、それだけ当時の深敦は世界が閉じこもっていたとも言えます。
花形祖父母
二人とも、七二三と深敦がただの友人ではないことを察していました。
そして今回のことで二人が付き合っていると確信しました。
祖母は、あえて口にはしません。七二三が自ら口にするまではとやかく言うのは止めようと決めています。
でも、「好きな子」とは言いますがそこで性別に触れないあたりに祖母なりの配慮があります。
祖父は確かに口にはしませんが、性格的に茶化したくて仕方ないので茶化します。
そして映画になぞらえて今回二人の関係を話していますが、彼なりの二人の肯定の意をこめた発言でした。
「ゲイだろうと何だろうと関係ない、うちの孫はかっこいい」。
”じゆうのみかた”
・七二三の名前の由来も込めて「七二三の味方」
・七二三・深敦にとっての「自由の味方」
・自由と言ってもいろいろあるので「自由の見方」
その3つの意味を込めて今回のタイトルです。
描きなおしたページ
実は、「祖父が、幼少期の七二三の写真を深敦に見せて、七二三が怒っているシーン」は昨年描きなおしました。元々は全裸の幼少期七二三が写った写真、そしてそれと絡めて性器を揶揄するシーンでした。
このシーンはそもそも、私が自分の昔の写真を見ていた時に思いついたシーンでもあったのですが、当時はセーフだと「思っていた」けど、どう考えたってアウトだと思って描きなおしました。
たくさん描きなおしたいところはありますが、ここだけは絶対に描きなおさなくてはならないシーンでした。
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